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マルタン丘陵での戦い 第十五話

 号令と共に兵士たちは木の陰から飛び出し、連盟政府・商会の聯合軍に向かっていった。

 士気は凄まじい者ものとなった。一人がどれほどの声を上げたのだろうか。残っている兵力の何倍も大きな鬨の声が上がった。


 魔法使いたちの攻撃で地面が弾けようとも、銃弾がヘルメットをかすめようとも、泥と硝煙にまみれてもなお、兵士たちは止まることなく戦いに向かった。

 後方からはハッカペルが攻撃し、前方からはユニオンの兵士たちが襲いかかる。

 挟撃された連盟政府・商会聯合軍はたちまち総崩れになった。


「マダム・エル。これでよろしいか?」


 これまで何も言わなかったレアにポルッカはキューディラ越しに語りかけた。


 回線を繋いでいないのかと思っていたが、レアはこれまでの全てを聞いていたかのように「問題ありません」とすぐに応えた。


「レア、あなたまさか最初からこうなることを知っていたのですか?」


「まだ終わったわけではありません。追い詰められたときが一番危ないのです」


 確かに形勢は一瞬で逆転した。しかし、勝利したわけではない。

 ハッカペルと共に連盟政府・商会の聯合軍を討ったユニオン軍は彼らと合流し、押し寄せる分水嶺を越えて押し寄せる兵士たちを次々と押し戻していった。


 だが、優勢も一時的なものにとどまった。分水嶺の手前で再びこちらが押され始めたのだ。

 それは不自然までに突然であり、先頭集団がごっそりといなくなるような押され方が起きたのだ。


 状況は再び優勢から拮抗へ戻っていた。何とか押し戻そうとこちらは攻勢を強めたが、援軍との挟撃開始時のような士気の高さは取り戻せずにいた。そこへポルッカから連絡が入った。


「我が一族のイフターハの者が殺された! そいつは石を持っている! このままでは再び押されるぞ! いや潰されるぞ!」

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