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仮初めの宮中にて 第十一話

氏は容赦なく部屋の中にずかずかと入り込むと「なぜ教育を拒否した?」とほぼ怒鳴るように尋ねてきた。


「教育を拒否? 拒否などしていません。私は早朝にギヴァルシュ政治顧問とルクヴルール軍事顧問が部屋に来て受ける必要が無い、残された時間を自由に過ごせと言われました」


「そんなはずがあるわけがない。あなたが嫌だと仰ったので仕方なくしないことにしたと言っていたぞ」


「そんなことは一言も言っていません。あの二人は教育は必要ないと言ってウリヤちゃんをここに置き去りにして出てきましたよ? 私自身、何もしないわけに行かないと思いましたが、ここに閉じ込められてでることすら出来ませんでした」


「私は認めていないが、皇帝として最低限は学ばなければいけないことがあるに決まっている! これから会議だ。その場でそのことについてはあなた自身の口から問い詰めでいただきたい。もちろん私からも進言はする。だが、あなた自身も動いていただかなければ示しが付かない」


「会議?」と尋ね返すと、ヴァジスラフ氏は一度止まった。

私はきょとんとした顔をしていたのだろう。氏は口をあんぐりと開けて、視線を天井から壁へと大きくぐるりと回した。


そして、震え出すと「あの居抜きハイエナどもが」と眼瞼を震わせた。


「なるほどわかった。これから毎朝、朝方のメイドからの予定を受けた後に、私自身がここに顔をだす。そして、会議を含めた予定を全て伝える。まずは会議の時間を伝える」


私を避けるように身体を横に傾けると、窓辺の席で座っていたウリヤちゃんの方を見て「ウリヤ執政官殿も!」と声を張った。

それにウリヤちゃんは飛び上がるようになり、不満そうな顔をした。


今日の会議はそれから十五分後に始まるそうだ。

待っているほどの時間も無いので、ヴァジスラフ氏に連れられて会議室、昨日の食事会の催された部屋に導かれた。


ヴァジスラフ氏がドアを開けると、そこにはそれぞれの顧問が既に顔を揃えていた。というよりも、既に会議は始まっている様子だった。

ヴァジスラフ氏が険しい顔をして部屋を見回すと、ルクヴルール軍事顧問は腕を組みむすっとし、フィツェク法律顧問とアブソロン金融顧問は舌打ちをした。

奥の方には会釈をするクロエの姿も見える。


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