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学校脱出〜悪夢の5日間〜  作者: もな
2日目
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1日目

キーンコーンカーンコーン

「さようならー!」

いつもと変わらない毎日が終わった。

つまらない、とても平凡な毎日が。


「何か、面白いことないかなぁ」

私は、一人で呟いた。

私、暁愛花(あかつきまなか)は、

秋ノ宮小学校の6年生で、これといった

特技も取り柄もない普通の小6。

「暇だなぁ」

「また暇って言ってる!いつもだよね」

親友の綾瀬友梨(あやせゆり)が言った。


“暇だなぁ”


それが私の口癖になっていた。

「家帰ったら夏休みの宿題やんなきゃ」

「え、私最初と最後は遊ぶけど…」

そう、この日は夏休みの前の日。

私は宿題を早めに終わらせる派で、すぐ

終わらせたい。

そういえば宿題全部入れた袋、

持ってきたっけ?

持ってきて…ない…。

「ヤッバーい‼︎」私は叫んだ。

「どしたの?」

友梨は私に聞く。「宿題学校に忘れてきた」

「えっ、ヤバイじゃん!急いで取りに行きな」

「友梨も着いてきてよ」私は言った。

「ゴメン、私用事あってさ。頑張って」

友梨は、そう言って走り去ってしまった。

マジか…。

私、一人で行くの…。

絶対ヤダ…。

けど、仕方ないっか。

私は重い足取りで学校へ向かった。


ガラッ

学校の門は、まだ鍵がされておらず簡単に

開いた。

下駄箱や職員室には何故か誰もいなかった。

なのに、門は開いていた。

ガチャッ

何かの鍵が閉まった音がした。

「何の音だろう?」

気にせずに私は教室へ向かった。

私は、教室に宿題を取りに行くと、靴を

履いた。

そして、門まで行った。

しかし、門が開かなかった。

「⁉︎…何で…何で開かないの⁉︎」

私は何度も開けようと試みたが

開かなかった。

「この柵を乗り越えれば…」

私は、柵に乗った。

しかし、柵には無数の針。

到底出ることはできない。

何も出来ない私は、その場に座り込んだ。

私の目からは、大粒の涙がこぼれ落ちる。

何故、宿題を忘れてしまったのか、という

後悔と、誰もいない、という寂しさ。

そして、悲しさがこみ上げてきたからだ。

私の太ももに、涙とは別の水が落ちてきた。

その勢いは増し、私はようやくそれを“雨”と

理解した。

しかし、その時にはもう私の体はぐっしょり

濡れていて、タオルか何かで拭かなくては、

風邪をひく事は確かだった。

手元にある夏休みの宿題も、どうしようも

ないほど濡れていた。

私は、仕方なく校舎内に入った。

雨が降っているとはいえ、校舎の中は、

とても暗く、どんよりとした雰囲気に

包まれていた。

夏なのに、背筋が凍るほど寒かった。

きっと、雨に濡れてしまったからだ。

私は夏休みの宿題を近くにあったタオルで

拭いた。私の体は、時間が()つに連れて

冷たくなっていく。

頭が痛い。

頭の中で、(とげ)のある虫が動き回って

いるみたいだ。

けど、誰も頼りにする人がいない。

私は諦めることにした。

ガンッ

職員室の方から、物音がした。

「誰か...いるの?」

私はふらつく足を進めて職員室のドアを

開けた。

しかし、そこには何も居なかった。

ただの聞き間違い?

幻聴って事?

そのまま私は倒れこんだ。

________

「ん…」

私は、無人の教室で目を覚ました。

何でここに居るんだっけ?

私は、辺りを見回しながら考えた。

私が倒れたのは職員室なのに、何で教室に

いるのか、さっきまで、服がびしょびしょ

だったのに全く濡れていない事。

一体何が起こっているの?

外を見ると綺麗な月が教室を照らしていた。

もう夜?

きっと、お母さんもお父さんも心配している

だろうな。私はそんな事を言いながらふいに

黒板に目をやった。

そこには、文字が書いてあった。


『暁愛花様

この度はこの学校に閉じ込められて下さり

誠にありがとうございます。

私は大変嬉しく思っています。

今日を含め5日間の間に、この学校から

出なくてはあなたには悪夢が訪れます』


やっぱり、閉じ込められちゃったんだ…。

しかも、5日間も。

出なくては悪夢が訪れます、ってどういう

事だろう。

とにかく、ここから出なくちゃ。

でも、まだ何か書いてある。


『しかし、お腹が減るでしょうから給食室

には随時料理を準備しておきますので、

お腹が空きましたらお食べください。

それと、一番重要なここから脱出する方法

ですが、この学校のどこかに、校門の

ドアを開ける鍵が隠されていますので、

探して下さい。

では、せいぜい頑張って下さいね。

どうせ出られないでしょうけど…』


ムカつくわ〜

けど、鍵を探して出れば良いんでしょ。

食べ物もくれるらしいし、5日間もあれば、

楽勝でしょ。

これからどうしよう…。

そうやって、ポーッと考えているうちに、

いつの間にか1日目は終わってしまった。


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