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幸せになりたいっヽ(´▽`)/後編

俺の名はイーサム。今年で27になる。この国の第5王子と微妙な地位にも関わらず、欲にまみれた輩が次から次へとわいてくる。


特に女が最悪で、外面は美しくても中身が腐ったやつらばかりがつきまとう。化粧と香水の匂いはきつく、やたら押し付けてくる胸はむしろ気持ち悪い。10歳にみたない時、当時侍女をしていた女に押し倒されたトラウマがあり、情けないがいまだに夢に出飛び起きる事もある。


どうにも苦手意識が強く正直な話、跡取りも必要ない身分なので結婚をする必要がなくほっとしていた。


そんな時であったのがミランダだった。


はじめはどこかのお金持ちの子供だと思った。汚れている服は上等な部類ではあるが高価なものではなく、やんちゃな少年が親に内緒で森に遊びにきて怪我をしたのだと思った。しかし、送るといって告げられた場所は伯爵家。あそこはこのくらいの年の少年はいないから使用人の子供だろうと思えば、事もあろうに儚げな伯爵令嬢と噂の女だった。


噂とはあてにならないものだと思った。


着飾って改めて対面した彼女は、確かに噂通りおしとやかそうに見える女性だった。動かなければ。


呆れつつも、やはり他の女どもと一緒で刷りよってきたので冷たくあしらった。


かなり冷たくあしらった。


彼女のメンタルは尊敬に値する。どれだけとりつく島もなく断ろうともヘラヘラと笑ってまたくるのだ。そして、「イーサム様に釣り合うために」となぜか暗殺術まで学んでいる。


一度珍しく一月会いに来なかった時期がある。剣の扱いを誤って大怪我をしてしまったらしい。バカだ。一月療養するくらいの傷だ。跡が身体に残っただろうに、あいつは「イーサム様は身体の傷なんて気にされないでしょ??それともイヤ!?まぁどうしましょう・・・美容液をこれでもかってほどつけたら、皮膚も再生能力発揮するかもしれませんわ。嫁ぐまでには治しますから、付き合ってください!」と相変わらずだった。


他の令嬢とは違いクルクルとよく動く表情、飾らない性格、真っ直ぐな気持ちをぶつけられてほだされないわけがない。


少女から女性へと日々色気と美しさを増していく。最近は直視できなくなってきた。10も離れているのにこのていらくだ。しかも、タイミングは当の昔に逃しており、さらに、後には退けない変なプライドが邪魔をして素直に受け入れきれない。


ミランダには兄がいる。同じ騎士団の同僚だった。そいつが言うには、彼女は引く手あまただと言うことだった。婚約の申し込みが殺到しているとも。


久しぶりに断りきれず舞踏会へ足を踏み入れた。香水臭さに腹の探りあい。あからさまな色仕掛け。そういえば彼女は香水をつけないだとか、媚をうらないだとか、無意識に比べている自分がいる。


「イーサム様、ごきげんよう。」


完璧な作法で挨拶をするミランダ。普段とは違い綺麗に装い軽くローズの香りが漂う。普段は肌を見せない彼女が大きく胸元と背中をあけたドレスをきている。その透き通るような肌に男どもの視線が吸い寄せられている。


「ねぇ、イーサム様と踊りたいです。ダメ??」


小声で囁くミランダは押し倒してしまいたいくらいだった。もちろんそんなことはしないが。


「今日は誰とも踊らない。」


「そうですよね・・・ちぇっ・・・」


俺にしか聞こえない声で呟く。周りを彷徨いていた女どもは伯爵令嬢の身分より低いものたちだったようで少し距離をおいている。やっと息がつける。


それからしばらく二人でいたのだが、痺れをきらしたヤローどもがミランダを拐い、女どもがとりまく。


ミランダは俺以外には猫を被っているようで、噂通りの自分を演じきっている。次から次へとダンスの相手が途切れない。


華奢な身体を支える他の手に苛立ちが抑えきれない。上から胸元を覗いている男に殺意が芽生える。




・・・おかしい。狂っている。彼女に狂っている。








今日も彼女がやってきた。賊に襲われている真っ最中に・・・とびっきりの笑顔で告白をしながら暗器を振り回す。背中合わせで次から次へと仕掛けてくる結構な手練れの賊を一撃でしとめていく彼女・・・血塗れの彼女・・・それでも愛しいと思ってしまう俺は本当にどこかおかしい。



気がつけば了承していた。



その時見せてくれた彼女の純粋な笑顔が可愛すぎて、初めて身体の奥を捕まれるという経験をした。


絶対、誰にも渡さない。




狂ってる。キャラ設定が狂ってる。

イーサム様にはクールでいてほしかった・・・(;_q)どうしてこうなった?


と思いつつ、投稿しました。お目汚しをm(__)m

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