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第3話 大工は雨の日に…
僕は大工。
大工と言っても、コンクリートを打ち込むための枠を作る型枠大工。
今の現場は山奥で周りに何もない。
現場の敷地内に宿泊施設があって、そこで寝泊まりしている。
今日は朝から雨。
現場の仕事は休みだ。
電話が鳴った。
呼び出されて事務所に行く。
監督が三人、既に席に着いていた。
雨の日は決まって麻雀だ。
リーチ!
よっしゃ!
メンタンピン一発ツモ!
ウラも乗った。
冷ややかな視線…。
「ウラは無かったことにしときます…」