委員会とモノリスとスライムと・・・
やあ、俺だ。
おなじみのスライムだ。
今、申請局?だったかな?ちがった、登録局で入国&永住の関係書類を片付けているんだが・・・
多いな、しゃれにならんぐらい多い。
なんだ?あれか?これが俗に言う「書類地獄」ってやつか?
カキカキカキカキ・・・
そのだな、もう20枚を超えたはずなんだがな、さっきからガゼル(前話の第四班の方)がどんどん持ってくるんだわ。
「おい、ガゼルよぉ、これ後何枚ぐらいあんるんだ?」
「・・・詳しくは解らぬが、わしの見た限りではまだ30枚はあるな。」
・・・30枚デスカ?
「・・・嬉しくねえ情報をありがとう・・・」
「お前が聞いたのだろうがっ!」
もうひたすら書類と格闘すること約一時間!
やっとこさっとこ72枚の申請書類を書き上げた俺だが、もう達成感が半端じゃない!
「ふ・・ふはははああああぁぁ、げほっげほぉ、終わったっ~!」
「はしゃいでいるるところに申し訳ないが・・・スライム、書類は処理しきったが「委員会」への出席がまだ終わっておらんぞ?」
「ぁぁぁぁ・・・完っ全に忘れてたぜ・・・」
所変わり委員会
「・・・」
「・・・」
「・・・ねぇ、なにこの沈黙。怖いんですけど。」
「・・・あぁ、委員長がさっきからずっと黙り込んでいるから自然と皆さんも黙ってしまったんでしょうねぇ。」
「にしても委員長はどうして今日に限ってここまで何も喋らないのかね?」
「「「さあ?」」」
ズルズル・・・
「のう、スライムよ?」
「ああ?なんだ?」
「今から委員会の元へ、ようは国家の最高権力の元へとと行くのだどいうのに、スライムは緊張などはせんのか?」
「するわけないだろうが。ってかしても何にもならねえからな。」
「そうか・・・普通、緊張なりするものだと思うのだがのう・・・」
やあ、スライムだが、もう10分くらい移動し続けているはずなんだが・・・
まだ、「委員会」とやらの所には到着しないんだよな、いや本当に
正直、どんだけ広いんだよこの施設・・・
「なあ、ガゼル、委員会の会議室?だっけ?まで後どれくらいで到着するんだよ~?もうかれこれ10分くらい移動し続けているんだがなぁ?」
「うむ・・・もう少しで到着のはずだ・・・タブン。ここの角を曲がった先に・・・おお!あった、あったぞスライム!」
・・・もしかしてガゼルは・・・ここに来たの初めなんじゃ?
ウィーン・・・ドゴンッ、ドゴンッ
「第四班班長、ガゼル=レノシアです!ご用命のスライムを連れてきました!」
「・・・お入りなさい・・・」
「はっ!」
「うぃ~す」
なんだこの暗室・・・
どこの人類補〇計画委〇会だよ・・・
ってかマジで小さいモノリス(横10cm縦16cm幅2cmぐらい)が一つだけだが、議長席みたいな(ようは正面)所にいるし・・・
「まずだな、スライムとやらに謝罪したい・・・今回の攻撃、まことに申し訳なかった。完全にこちら側のミスありそちらには全く非が無い。ついては保証「いやいや、それはいいよ。ただ気になるんだが・・・そのモノリス何?」
「ああ、紹介しておりませんでしたな。こちらの方は委員会議長のモノリス。」
「へ~、ってやっぱりかい・・・で、なんでモノリスなんかが議長なんて重役やってんの?正直わけが解らんのだけどもよ。」
「ば、馬鹿か!スライム!仮にも最高権力である委員会議長の前で『ヨイ、キニスルナ』へ・・?」
なんださっきの、神経に、脳に、直接響くような感覚は・・・
まさか、いわゆるテレキネシスか?
「議長、聞いておられたのですか・・・ガゼル班長下がりなさい、議長がこれから自ら説明するゆえ、しばし待ちなさい。」
「・・・はっ!」
『ワタシガ、ギチョウノ、モノリスダ。スライムトヤラヨ、オヌシガシリタイノハ、ナゼワタシガギチョウナドヲ、シテイルカデアロウ?』
「おお、そのとうりだぜ。話してくれるんだよな。」
『モチロンダ。ワタシガギチョウヲヤッテイルリユウハ、トテモタンジュンナコトナノダ、ワタシガ、モノリス、バンニンダカラダ。ソレダケダ。』
「・・・要するに、すまんわけ解らん・・・」
『フフフ・・・キニスルナ、マア、ソロソロジユウニサシテモラウヨテイダガナ。シゴトヅメノセイカツハイイカゲンヤメタイ』
ふ~む、そろそろ自由に・・・か・・・・
「なら俺と一緒にのんびりしねぇか?少なくとも委員会議長なんかよかは面白いと思うぜ?なんたって「怪奇!喋るスライム」だからな!」
『タシカニ、オモシロソウダナ・・・カンガエテオク。』
「それはそうとなんか質問とかねぇのか?」
「・・・ああ、そうでしたね。聞きたいのはあなたが何者なのかなんですが?」
・・・北極アルバイトとか先輩とかのことは言わない方がいいか?
だって、これ転生だよなぁ・・・間違いなく頭のおかしい奴扱いになるよな・・・
うん、言わないでおこう。そのほうが身のため?だ。
なら、現状を隠さず話すべきだな。よし。
「俺はスライム。それ以上でも以下でもねぇ。どこまで行っても、ただそれだけだ。」
って、無駄にかっこつけちまったぁ!
「まあそんなところだろうと思っていましたよ。」
「スライムぅ、正論だのう。だが若干恥ずかしいぞ、その台詞は。」
『フフフ・・・ワタシトオナジヨウナモノカ。』
「それはそうとスライム殿、これからお主の能力を調べつくしたいと思うのだが・・・よろしいかね?」
笑顔が怖いぜ・・・あんた間違いなくマッドサイエンティストだな。
それでも自分の現状は知りたいしな・・・まあ、OKするか。
「いいぜ。でどうするんだ?」
「よし!皆のもの測定器を用意しろ!」
・・・ガラガラガラガラ
なんか運ばれてきたが、コレが測定器なのか?
「スライム殿、その台に乗っていただけないかな?その後の準備はこちらでさせていただきますので、お願いしますよ。」
「おお、了解だ。よっと、おい乗ったぜ~」
ん?なんだ変なパッドみたいなのが俺に取り付けられてくな・・・
「しばし、お待ちを・・・出来ました。ああ、それと測定の瞬間、若干の刺激が発生しますが、我慢してください・・・」
「あ、あぁ?解ったぜ。」
ぶぅーん・・・ジジジジ・・・
「standby、ready、Go!」
なぜ英語っ!?
ドゴンッ・・・
「って、イター!?」
「・・・データを検出中ですので、しばしお待ちを・・・」
「さっきもしばしお待ちをっていってたが・・・ま、そんなことはいいんだが、いてぇぇ・・・なんだ?あの痛さは?注射針も天国に思えるぐらい痛かったんだが?」
いや、本当に、<本気>と書いて、<マジ>と読むぐらいに。
「ああ、出ました・・・って、ん?なんです、これは?・・・っ見たことの無いなデータですね!?おい!すぐに複製して研究班に回せ!早急に、だ!後、スライム殿を逃げないように拘束しろっ!」
「「「「はっ!」」」
なんだ?どうした?なんか拘束とか聞こえた気が
「申し訳ございませんが、命令につき拘束させていただきます。」
え!?ちょ!?
「おいぃ!いったいなんなんだ!・・・結局どうなったんだよ!?」
「ああ、えーとそれが・・・ええいっもうめんどくさい!説明は投げたっ!」
データファイルナンバー:0023997186
種族:
??(不明)
基礎規模:
0(不明)
能力:
膂力‐ 魔力‐ 気力‐ 耐久Ex 隠密Ex
固有能力:
PD『情報制御』
PD『神託細胞』
はぁ?隠密性?
それもなしてFate風?
なんじゃそりゃ!としかいえねぇ・・・
それも攻撃力皆無じゃねえか!それも魔力・気力‐(無し)ってことはファンタジーパワーな術とかが使えねぇってことか!?
「何・・・じゃ・・・こりゃーーーーー!」
「それは、こっちが聞きたいぐらいですって!普通は、本来体力が表示されるはずなのになぜか「基礎規模」という謎の情報として扱われて・・・それに、なぜか膂力・魔力・気力、そういう基本ステータスが表示されない!その癖になんで、なんで耐久だけ「Ex」判定なんですか!?・・・なんてこった前代未聞もいいとこですよっ!だれか、説明please!help me!」
壊れたっ!じゃなくて・・・
「それぐらい俺だって解るって!そじゃなくて、何で‐(無し)扱いなんだよ!」
『フフフ・・・スライム、オマエハヤハリオモシロイ・・・』
おいっ・・・
「しかし・・・実際問題、スライムのやつは移動等ができておる。なのになぜ膂力が無いのじゃ?」
あっ、こいつ・・・敬語捨てやがった・・・
「「「本当だ(ですね)」」」
「でも、魔力・気力は無いんでしょうね(笑)」
「おまっ笑いやがったな!?俺が気にしているところをぉぉ!」
「でも二つも「固有能力」を持ってるじゃないですか。私は『高速事務』しか持っていませんからそれこそ羨ましいぐらいですよ?」
ん?固有能力?
「ちょっと待ってくれ、固有能力てなんだ?」
・・・(沈黙)
あれ?俺なんか不味い事聞いたか?
「スライム、お主・・・しらんのか?」
えっ?もしかして一般常識クラスのことだったのか!?
「いやでも、モンスターだぜ?俺・・・」
「それもそうじゃが・・・」
「っと、そうですね。なんですからこの場で説明しておきましょうか。」
「おおう、頼むぜ。」
「ええ、まず固有能力とは名前のとうり「それぞれが固有に持つ能力」です。といっても全てが固有能力を持っているわけではありません。それどころか持っているものの方が遥かに少ないのが現実です。ですから現状で二つも保有しているスライム殿はやはり異常ですね。ちなみにですが固有能力の取得は「生まれつき取得しているもの」・「修行などにより取得するもの」・「精霊等の加護等により取得するもの」等といくつかのタイプがあります。さらに効果についてですが、「常時発動」のものと「任意発動」のものがあり『高速事務』は「常時発動」の固有能力で、スライム殿の『情報制御』は「任意発動」ですね。もっと深く言わせて貰いますと、固有能力には階位が存在しており、PD>YU>RE>NOとなっています。スライム殿のスキルはどれも最高位のPD級ですから、本気で運命を呪うレベルで凄い能力です・・・」
おおい、最後なんか殺意を感じたぞ!
「ああ、そうなのか・・・」
「後、わしは『高速思考』と『兵器操作』と『応急医療』を持っておる。」
「ってお前、三つも持ってんじゃねーか!」
「いやどれもNO級じゃし。」
『ソウイエバ、ワタシハ「議長のはもう考えたくなくなるレベルの固有能力ですから言わなくていいですよ(黒笑)」ハイ・・・』