始まりは凍死とともに
ポヨン・・・ポヨン・・・ポヨン・・・
「・・・なんでこうなった・・・ハァ・・・」
そんなことを呟くのは、現「スライム」で元「人間」である記憶喪失な??君。
一言で彼の状態を言ってしまうと、所轄「転生」や「憑依」といったミラクルでファンタジーな状態なのである。
当たり前の話なのだが、一般?人であった彼からしてみればこの状況は異常すぎて訳が解らない、いや解れるわけがない。
それは至極当然のことであり、あえて言うならパニックを起こさずにここまで冷静でいられるのが凄いぐらいなのだ。
「小説なんかで読んでることにゃ面白いんだがよ、現実に起こると迷惑極まりねえ・・・それに、普通こういうのはさ、神様とか思念体とかそういうなんか人類を超越した存在に、こう面会?でもしてさチート能力なりなんなり貰うのが普通だろ?いや、正直これでも「ドラゴン」とかなら納得したぜ?なのによぉ、なんでいきなり飛ばされて、そのくせに自分が成ったのがよぉ・・・「スライム」なんだぁ!?」
いうことごもっともである、ご愁傷様・・・
しかし、なってしまったものは今更変えられない、いや変わると困る(主に作者が)。
あきらめろ、??君、そして「スライム」生活を満喫するんだ!
という訳で、彼のおぼろげな記憶の中を回想してみよう・・・
~回想開始~
「寒い・・・さすがに氷点下23℃は寒いっ!」
彼はその時真冬の南極大陸にいた、なぜかは解らない・・・
「おいっ、??早く小屋に入れ!凍え死んじめぇぞ!」
??とは彼の名前なのだが、なぜか思い出せない
「すっすいまえん・・・ふぇくしゅっ!」
「おいおい・・・??本当になんでこんな仕事場選んだんだよ。」
「先輩・・・今時、仕事がるだけでも嬉しいんですよ。それで後先考えずに応募しちゃって・・・」
「・・・よくそれで通ったな、おい」
先輩と呼ばれている人はどこからとも無くコーヒーを取り出し??に渡す
「先輩・・・」
「ん?なんだ?礼ならいらんぞ」
「違います・・・コレ凍ってますよ、もう」
「「・・・・・・」」
「??・・・すまん」
「いえ、どうも。先輩は「あったかい」を買ったんでしょう?」
「ああ、すまん。今度は薬缶で暖めながら持ってくる」
正直、80℃のコーヒーが5分で凍るなんて異常もいいとこである
「あっ、先輩自分は仕事も少ししてから帰ります!」
「おう、死なない程度に頑張れよ~」
だがこの判断が彼、いや??にとっての最悪にして最後のミスであった・・・
結果、彼は凍死しとく解らないうちに「ここ」に飛ばされ、あげくのはて記憶喪失にまでなってしまったのである。
~回想終了~
「・・・だからって、なんでスライムなんだか・・・はぁ、謎だ」
そんな記憶喪失君、もとい??のゆるゆる旅がここ「大陸」にて始まったのであった。