表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放悪役令嬢のスローライフは止まらない!~辺境で野菜を育てていたら、いつの間にか国家運営する羽目になりました~  作者: 緋村ルナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/16

番外編3:聖女の新しい一歩

 リリアナは、旅の空の下にいた。

 エルディオス王国の食糧危機を救った後、彼女は自分の未熟さを痛感していた。聖女としての力はあっても、それをどう使うべきかの知識がなかった。セレスティーナと出会わなければ、自分はただ祈るだけの無力な少女で終わっていただろう。


「世界は、私が知っているよりずっと広くて、複雑なのね」

 セレスティーナは、旅立つ彼女に一冊の分厚い本を渡してくれた。それは、セレスティーナが前世の記憶を頼りに書き留めた、土壌学や植物学の基礎知識が詰まった本だった。

「あなたの癒やしの力と、この知識があれば、きっと世界中のもっと多くの人を救えるわ」

 そう言って笑う彼女は、もうリリアナが恐れていた「悪役令嬢」ではなかった。尊敬すべき、友だった。


 彼女は、セレスティーナから教わった知識と、自らの聖なる力を携え、諸国を巡る旅に出た。

 ある村では、原因不明の病に苦しむ人々を、薬草の知識と癒やしの力で救った。

 ある国では、痩せた土地に合う作物を教え、緑豊かな大地を取り戻す手伝いをした。

 彼女はもはや、ただ奇跡を起こすだけの神秘的な存在ではない。人々と共に汗を流し、知識を用いて問題を解決する、実践的な聖女へと成長していた。


 旅の途中、彼女は時々、エルディオス王国のことを想う。

 今頃、セレスティーナは王妃として、あの太陽のような笑顔で国を照らしているだろうか。レオナルド陛下と、時々は畑で泥だらけになっているだろうか。

 そんなことを考えると、自然と笑みがこぼれた。


 私も、負けていられない。

 リリアナは、目の前に広がる新しい道を、力強く踏み出した。かつて、一人の少女に守られるだけだったか弱き聖女は、もうどこにもいない。自分の足で立ち、自分の意志で人々を救う、真の聖女としての新しい一歩が、今、始まっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ