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短編集

周辺を見渡す能力でシミュレーションRPGのように指揮をとる異世界転生者の能力

作者: よぎそーと

「そのまま進んでくれ。

 停止地点にきたら、印が出るようにするから」

 目の前の画面を見ながら枝見志えみしサトシ(19歳 義勇兵)が指示を出す。

 声に応じるように画面の中の一隊が前進していく。



 サトシの能力によって表示される画面。

 空中に浮かぶその中には、近隣の地形が地図のように表示される。

 そこにいる味方と敵も。

 そして味方にはサトシの指示を伝える事が出来る。

 この能力を使って、サトシは部隊を率いていた。



 今回の敵はゴブリン兵。

 総勢100になろうかという勢力だ。

 これを迎撃するためにサトシ達は派遣されている。

 だが、その数は15人。

 普通に考えれば勝ち目はない。



 幸いなのは、司令部も馬鹿ではなかった事。

 今回の任務は強行偵察。

 敵の様子を探る事が主任務だ。

 あわよくば、いくらか敵を倒して勢力を減らす事も求められてはいる。

 しかし、敵の撃破など望まれてない。



 更に言うならば、敵の動きを鈍らせる事が求められていた。

 遅滞行動だ。

 止める事は無理だろうから、敵の進撃を遅らせてほしい。

 これも、偵察のついでに出来るならばという程度である。



 ゴブリンの動きを遅らせてる間に、侵攻方向に存在する村や町から避難させる。

 また、迎撃用の拠点を作っておく。

 そのための時間稼ぎをしろというのが目的だ。

 敵を撃破する必要は無い。。



 また、そのための人選もしている。

 可能な限り高レベルの人間を集めている。

 ゴブリン相手なら負けない者達を。

 だからサトシの部隊に白羽の矢が立った。

 この付近で最も高レベルな義勇兵部隊に。



「勘弁してくれよ」

 命令を聞いたときのサトシの正直な気持ちだ。

 だが、断るつもりはなかった。

 急がねば味方が死ぬ。

 村や町も破壊される。

 それだけは避けたかった。



「無茶をいってすまない」

 申し訳なさそうにしてる指揮官の言葉と表情が救いだった。

 本心から面倒を押しつける事に引け目を感じてる。

 それが見えるからサトシにはありがたかった。

 これが上っ面だったらどうしていたかわからない。



 こうしてサトシは仲間とともに前線へと向かった。

 ゴブリンが展開しきる前に。



 厳しい局面ではある。

 だが、どうにかするつもりだった。

 異世界に転生してきて手に入れた自分の能力を使って。



 山の間を進んでくるゴブリン。

 これを迎撃するために、サトシは指示を出していく。

 最初にやったのは、敵の位置を仲間に伝える事だった。



 サトシの能力は、見る事。

 空間把握能力というのだろうか。

 付近一帯の味方や敵の位置を知る事が出来る。

 この能力によって誰がどこにいるのかがわかる。



 また、味方になら離れていても指示を出す事が出来る。

 声だけでなく、画面を表示して何をやるかの指示を出す事も。



 この能力によってサトシは離れていても仲間を率いる事が出来る。

 味方と敵の位置を把握し、有利な状況で敵を攻撃出来るようになる。

 敵からの攻撃を受けない位置をとり続ける事が出来る。



 これを指揮を執る前に全員に見せた。

 敵であるゴブリンがどこにいるのかを、どうように動いてるのかを。

「だから、ここで攻撃を仕掛けたいと思ってる」

 大雑把な作戦も伝えていきながら。



 事前に周囲の地形と敵の位置を知る事が出来る。

 この利点を活かして、仲間は動いていく。

 画像として空間に表示した地図は、全員が手にした白紙に印刷する事も出来る。

 こうして現地の簡易地図を手にして、仲間は動いていく。

 あとはサトシの指示次第だ。



 とはいえ部隊を率いる能力が無くてはどうしようもない。

 これだけは異世界転生しても得られなかった。

 それでもサトシはうまくやっている。

(SRPGをやりまくったからかな)

 前世でのゲーム体験だけがサトシを支えている。



 幸いにも、今のところはうまくいっている。

 ゲームの中で兵隊を動かすだけのゲーム。

 それでも、何の訓練も受けてないよりはマシだった。



 実際、指揮官としての能力はそれなりにあった。

 ゲームとはいえ、適切な動きを常に考えていたおかげだろう。

 仲間に損害を出さず、敵だけを削り取る。

 HPを1点足りとて下げない。

 そんな方法を考えていた事は無駄ではなかった。



 そんな指揮官としての能力を今回も発揮していく。

 敵の出鼻をくじくために。

 勝たなくてもいい。

 負けない戦いをはじめていく。



 あらためて戦場を見渡す。

 画面に表示されるのは山地。

 山の間にある比較的なだらかな場所に敵がいる。

 当然ながら、前後に長く細長い隊列を作ってる。



 また、木々が生い茂る森になってるので、動きが制限される。

 視界もふさがれる。

 敵も味方も。

 これが有利にも不利にもなる。

 だから、有利になるように使っていくしかない。

 敵の不利になるように動いていくしかない。



 幸い、サトシには全体を見渡せる能力がある。

 これで味方を導いていける。

 敵を見つける事ができる。

 偵察の手間を省くことが出来る。

 とはいえ、隠れてる敵や罠を全て見つける事は出来ない。

 こればかりは実際にその場にいる者達に確かめてもらうしかない。



 それでも、全体が見渡せる効果は大きい。

 敵を見つけて、味方を適切な位置に導く事が出来る。

 その為の指示をサトシは続けていく。



 敵を待ち伏せして一方的に攻撃できるように。

 敵が反撃できないうちに倒せるように。

 その為の位置取りをしていく。

 15人で戦うにはこうするしかない。

 正面切って戦わない。

 敵が動き出す前に殲滅する。

 これが出来るように仲間に動いてもらう。



 比較的歩きやすいところを進ませ、ゴブリンの道を挟む形をとっていく。

 15人は最適な位置に陣取り、ゴブリンの到着を待つ。

 この間にも攻撃の準備をしていく。



「もうすぐゴブリンの先頭が見えてくるぞ」

 空中に表示してる画面。

 そこに映し出されるゴブリンを示す光点。

 そして、味方を示す印。

 それらを見て情報を仲間に示していく。



「地図をみんなの前に表示するぞ」

 ことわってから潜伏してる仲間の目の前に地図を表示する。



 ゴブリンが今どこまで進んでるのか。

 どれくらいの規模の敵が通り過ぎたのか。

 これがわからないと、間違った瞬間に攻撃をしてしまう。

 さほど進んもいないうちに攻撃したり。

 敵が通り過ぎてから踊り出したりと。

 こうならないように、正しい情報の提供と共有は必要不可欠になる。



 表示された画面を見て仲間も状況を知る。

 敵の動きと、自分たちの位置を。

 思った以上に鈍い敵の動きを見ながら、全員が無言で仕掛ける時を待つ。

 ここで少しでも声を出したらゴブリンに気づかれる。



 こうして待ってるのは気が急いてしまう。

 まだかまだかという気持ちが大きくなる。

 それをこらえてその瞬間を待つ。

「そろそろだ。

 みんな、準備をしてくれ」

 サトシからの声に、仲間が動く体勢をとる。



 そして一気に襲いかかっていく。



 最初の放たれたのは超能力だ。

 霊気という人がもつエネルギーを使って、超常現象を超すもの。

 魔術や魔力といったものは、この世界ではこう呼ばれる。



 この超能力がゴブリンに向かって用いられる。

 風をたぐり寄せて。

 放たれる矢を目標に向けて届けるために。

『必中の矢』

 そう呼ばれる超能力だ。



 これによりゴブリンの中にいる呪術師が射貫かれていく。

 超能力を使うこのゴブリンは、いると様々な攻撃を繰り出してくる。

 また、霊気のうごめきから超能力の発動を察知する。

 これを真っ先に倒す事で、続く戦闘を楽にする事が出来る。



 そして、呪術師はたいていゴブリンの中でも主要な存在の近くにいる。

 それもついでに射貫いていく。

 クロスボウから放たれる矢は、狙い通りにそれも撃ち抜いた。

 このゴブリン集団を率いるゴブリン隊長を。



 最初に襲撃を仕掛けた者達は、こうしてゴブリン部隊の中枢を壊滅させていく。

 隊長に呪術師といった司令部を破壊されたゴブリン達は烏合の衆となる。



 もとより横暴で自分勝手なゴブリンである。

 自分たちを押さえつける強力な存在が消えれば、好き勝手に動き出す。

 しかし遅い。

 それよりも早くサトシの仲間が動き出す。



「今だ!」

 ゴブリンの司令部の光点が消える。

 それを見てサトシが全員に指示を出す。

 声だけでなく、全員の前に画面で合図を表示して。

『今だ!』

 それを見て残り全員が動き出す。



 まず最初は超能力。

 様々な現象がゴブリンの中で起こる。



 あるところには細かな火の粉が振りまかれた。

 直径10メートルの範囲に、ゴブリンの頭の高さに。

 それらは殺傷能力はほとんどない。

 せいぜい目くらまし程度にしかならない。

 だが、十分だ。



 暗闇の中を進み、暗視能力に頼っていたゴブリンである。

 火の粉は乱れ舞う閃光として目を焼いていく。

 また、瞳に入った火の粉は、文字通りに目を焼いていく。

 軽い火傷程度であるが、目が見えなくなる。

 それだけで大勢のゴブリンの戦闘力が失われる。



 別のところでは大量の水がゴブリンの頭の上から落ちていく。

 これも直径10メートルほどの範囲にあらわれ、ゴブリンを頭からぬらしていく。

 これも殺傷能力は無い。

 だが、目に入った水は一時的に視力を奪う。

 これでゴブリンの動きは妨げられる。



 他にも閃光がゴブリンの中にあらわれ、それを見たゴブリンの目を突いていく。

 足下の土が吹き上がり、土誇りが舞ってゴブリンの視界を塞ぐ。

 大きな音が鳴って、ゴブリンの耳から鼓膜を揺さぶる。

 いずれも致命傷にはならない。

 だが、ゴブリンの動きを止めるには十分だ。



 ほぼ同時に発生した超能力による妨害。

 これによってゴブリンの大半は動けなくなる。

 そこに格闘戦の担当者が突入する。



 ゴブリンの先頭からは重装備の戦士が。

 両手に持った斧でゴブリンを蹴散らしていく。



 ゴブリン部隊の中央には、刀や剣を持った軽装の戦士が突入する。

 これらは目を覆い、耳を塞ぐゴブリンにとどめを刺していく。

 喉を、急所を切り裂き突き刺して。

 まともに動けないゴブリンはあっさりと倒されていく。



 そして、ゴブリン部隊の背後からも戦士が突入する。

 槍を手にした戦士は、ゴブリンを突き刺し、穂先で切り裂いていく。

 急所を突き刺されなくても、体を深く貫かれていく。

 たとえこの場を生き延びても、いずれ死ぬ。



 こうした状況から逃げだそうとするゴブリンもいる。

 運良く超能力などを避けられたものだ。

 これらは隊列を離れていく。

 もとより忠誠心や義務感などもたないゴブリンだ。

 自分が危ないとなれば生き延びる事を優先する。

 生物としては間違った行動ではない。

 だが、その動きはサトシにすぐに見つかる。



「逃げ出すゴブリンがいる。

 やってくる」

「はいよ」

 地図の上にゴブリンの動きが表示される。

 逃げ出してもすぐに見つかる。

 そして、弓を持って待機してる者に、すぐに伝えられる。



 弓を構えた者は逃げ出すゴブリンに向けて矢を放つ。

 超能力による暗視と遠視を得てる弓使いは、一瞬にして狙いをつける。

 弓弦をならして飛び出す矢は、逃げ出すゴブリンの胴体を貫く。

 即死は免れても、いずれ死ぬ。



 100体のゴブリンは次々に倒されていく。

 目や耳を潰されて行動不能にされて。

 逃げだそうとしても見つかって弓で狙われて。

 かろうじて回復しても、ゴブリン部隊に突入した戦士達によって。

 残るゴブリン達は次々に倒れていく。



 仮にゴブリンが反撃してもだ。

 戦士達にかけられた防御の超能力が攻撃を阻む。

 石斧、せいぜいさび付いた刃物程度の武器では霊気に守れた戦士に傷をつけられない。



 また、そんな防御をかいくぐってもだ。

「トウマが傷を受けてる。

 リンの近くにいるから治療してくれ」

 いち早く見つけたサトシの指示で治療がなされる。

 霊気による治療は、傷をたちどころにふさいで消していく。

 重傷はともかく、たいていの傷ならばふさいで戦闘に復帰出来るようになる。

 霊気が続くかぎりは、戦闘不能の危険は少ない。



 そして誰かが傷を受けたら即座にサトシが見つける。

 あとは近くにいる者達に指示を出すだけ。

 もっとも、乱戦になるとこれも難しくなるが。

 通常の軍隊よりは連携がとれている。

 これまで一緒にやってきた事で、連携がうまくとれるようになっている。



 こうしてゴブリンの集団は例外なく切り伏せられていく。

 1体とて逃さないという意思がそこにある。

 逃げれば次は経験をつんだ状態で戦う事になる。

 今より確実に手強くなる。

 これを防ぐために、絶対に逃すわけにはいかなかった。

 確実にとどめを刺す。

 それが無理でも、確実に死ぬだけの傷をおわせる。

 怪物との戦いとはこういうものだ。



 ゴブリンは一掃されていく。

 倒れて事切れ、そして消えていく。

 全ての怪物がそうであるように、体は塵となって崩れ、そして消滅していく。

 そこに霊気の塊である霊気結晶を残して。

 この死に方が、怪物が一般的な生物でない事を示している。



 こうしてゴブリンの全てが結晶にかわる。

 この結晶を回収して仕事は終わる。

「おつかれ。

 最後に周辺を探知してくれ。

 何もなかったら帰ってきてくれ」

 その言葉に仲間は返事をしながら応じていく。

 戦闘で疲れてはいるが、取りこぼしがないかは確かめねばならない。

 サトシの能力でも把握出来ないものもいる。



 高度な隠密能力を持ってる者は、サトシの能力ではとらえる事が出来ない。

 なので、その場にいる探知能力の高い者が探る必要がある。

 これをやっておかないと、あとでひどい目にある事もある。

 戦闘の前に行ってるが、終わったあとも念のためにやっておく。

 たまに、本当に何かが見つかる事もあるからだ。

 今回は隠れてる何かはいなかったが。



 そして、周辺の探知が終わってから最後の作業に入る。

 怪物が落とす結晶。

 これを放置せずに回収していく。

 これが経験値になり、報酬になるのだから。



 全てを終えた一同はその場から撤退していく。

 要求された任務は終わった。

 長居する必要は無い。

 今後を考えればその場に誰かを残して監視するべきだろう。

 だが、今回はそこまで求められてない。

 少なくとも明確な指示は出されてない。

 ならば、余計な事をせずにさっさと撤退する。



 これで戦闘は終わる。

 しかし、作業はまだ終わらない。

 仲間が確実に戻ってくるまでは。

 その為にサトシは周辺の空間を把握する。

 何かが潜んでいないかを。

 全員が無事に帰ってくるまでサトシの仕事は終わらない。



 表示する画面の中の光点。

 仲間を示す印。

 これが基地に入っていく。

 仲間とともに基地の中に入って、ようやくサトシは言える。

「おつかれさま」

 この声に仲間も同じように声を返していった。





 頭に浮かんだ事を書いてみた。

 こういう能力で仲間を率いる主人公もいいかなと思って。



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