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巨乳美少女とつきあったら貧乳幼馴染がおかしくなり美乳地雷系までせまってきた  作者: みらいつりびと


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恋愛

 明るい新緑が萌える広葉樹林の中を、僕と綿丘さんはひたすら登っていった。

 前回のハイキングでは低山をふたつ縦走した。登ったり下ったりし、ときには平らな道をのんびりと歩いた。

 今回はひとつの高い山を登る予定だ。僕たちは傾斜のきつい急坂を登った。あたりまえだが、楽ではない。

 僕はランニングをするときのように深く規則的な呼吸をし、激しい登りに耐えた。

 僕よりも綿丘さんの方が苦しそうだった。荒い息をし、額や頬を汗が流れている。


「はぁっ、はぁっ……。体力あるね、小鹿くん。この山登りに誘ったのはわたしなのに、わたしの方が息が切れてる……」

「綿丘さんが苦しくないペースで、ゆっくり行こうよ。ふたりでハイキングを楽しもう」

「ちょっと休んでいい?」

「もちろん」


 山道に沿って細くて清冽な川が流れ落ちていた。水は空気のように透明で、底の石がくっきりと見える。

 僕たちは渓流のほとりにあったそこそこ平らな岩の上に座った。

 綿丘さんはスポーツドリンクをごくごくと飲んだ。口から服の上に液体が少しこぼれ落ちて、たわわな胸の上に染みをつくった。

 僕はそれを見て、鮮烈な色気にびっくりした。

 思わず目をそらし、ごまかすように口を開いた。


「あんまり疲れすぎないように行こうよ、綿丘さん」

「ありがとう。やさしいね、小鹿くん」

「別にやさしくなんかないよ。普通だよ」

「ううん、小鹿くんはすごくやさしい。目がとっても穏やかであたたかくって、わたしのことを気遣ってくれてるのがわかる。きみはわたしが切なくなるほどやさしい」


 僕はふるふると首を横に振った。

 誤解されている。僕はけっしてやさしい人間ではない。冷たすぎたり厳しすぎたりすることはないと思うが、かと言って特別にやさしくはない。

 僕はたぶん普通の人間だ。気が弱いから、どことなくやさしく見えることもあるかもしれない。


「勘ちがいだよ。僕は自分のことばかり考えている臆病で弱い男だよ」

「小鹿くんは自己肯定感が低すぎる」

 綿丘さんはそう言った。その言葉には強い力が込められていて、声がふだんより幾分か高く大きかった。

「小鹿くんは可愛くてやさしくて体力もあって素敵な男の子なのに、自信だけがない。そういうところも魅力的なんだけど、でももっと自信を持っていいと思うよ」

「そうかなあ。僕なんて背が低くて、人づきあいも上手くなくて、男子としてのレベルはかなり低いと思う」

「きみの背が低いのは、わたしにとってはマイナスじゃなくて、むしろ優れている点だよ。可愛いもん!」

「可愛いって、褒め言葉とは思えないんだよなあ」

「まごうことなき褒め言葉だよ! 可愛いは男女に関係なく正義なのよ」

 彼女は僕の顔をのぞき込んで力説した。

「わかったよ。ありがとう。素直に喜んでおくことにするよ」

「それでよろしい」


 僕たちは小さく声をあげて笑い合った。

 笑い声に呼応するかのように、ぴーひょろろろという鳴き声がした。

「鳶の声だ」

「姿は見えないね」

「樹の上を飛んでいるんだろうね。森の中では鳥の姿は見えにくい。声だけが聴こえてくるのよ」

 

 綿丘さんはペットボトルをリュックサックに仕舞い、歩き始めた。

 ざくざくと足音を立て、急坂に挑んでいく。僕はその後ろを歩く。

 登山道は渓流から遠ざかっていき、ざあざあという水音が聴こえなくなった。

 道は傾斜があって曲がりくねっている。右に曲がり、左に曲がり、また右に曲がるという調子でどんどん高度を増していく。

 彼女は相変わらずはぁ、はぁと肩で息をしているが、弱音を吐かず、前を向いて登っている。


「うう、からだが重いよ……」

 がんばっているなあと思っていたのだけれど、綿丘さんはひときわ険しい岩場で少し弱音を吐いた。

 彼女のからだが重いのは、胸についているふたつのすいかのせいだろうと僕は推測した。

「休む?」

「もう少しがんばる……」

 彼女は根性を見せ、足を一歩踏み出した。つづいてまた一歩、さらに一歩……。

 難所を越え、傾斜がゆるくなった。

 体力的に余裕ができて、僕たちは歩きながら話をした。


「ねえ、前に小鹿くんのいちばんの女の子になりたいって言ったこと、憶えてる?」

「憶えてるよ」

「きみはやさしいから、わたしのことも草原さんのことも傷つけたくないと思ってるんじゃない?」

「うん。正直に言うと、そういう気持ちは確かにあるね」

「でもそれは無理なんだよ。わたしはきみを好きすぎるから、いちばんの女の子になりたい。その想いは変わっていない。あたりまえだけど、いちばんはひとりだけなんだ。草原さんではなく、わたしをいちばん大切にしてほしい」

 僕は黙ってその言葉を聞いていた。脳裏では綿丘さんとすみれのことをめまぐるしく考えていた。

「わたしは重い女なの。小鹿くんは受け止めてくれるかなあ?」


 綿丘さんは立ち止まり、振り返り、不安そうで、切なそうで、それでいて決意を込めた瞳を僕に向けた。

 僕は彼女と真剣に交際すると決めた。

 親友のすみれより、恋人の綿丘さんを大切にすると伝えよう。

 カノジョが最優先だ。それをはっきりと言葉にするべきだろう。

「受け止めるよ。きみをしっかりと受け止められる男になる。綿丘さんは僕のいちばんの女の子だよ。すみれよりきみを大切にする」


 綿丘さんの表情が真夏のひまわりのように明るくなり、笑みが爆発した。

「ホントに? うれしい! 本当にわたしをいちばんにしてくれるの?」

「うん。いままでごめんね。綿丘さんは恋人なのに、僕はすみれにも同じくらいやさしくしようとしていたよ。これからはきみをいちばん大切にする」

「やったー、最高だな。わたし、いますっごくしあわせだよ!」


 彼女が喜ぶと、僕もうれしくなった。

 すみれ、ごめん。

 きみは2番目の女の子で、いちばんは綿丘さんだ。


 彼女は僕の腕にしがみついてきた。

 柔らかくて弾力のある膨らみがむにゅっと押しつけられて、僕はどきどきした。

 また股間のものが勃起してしまう。きっとそれはバレているが、僕はもうあまり隠すつもりがなくなっている。 

 とても長い時間僕にくっついてから、彼女はゆっくりと離れた。


「愛してるよ、小鹿くん」と綿丘さんは言った。

 そして彼女は登山を再開した。

「えへっ、えへへ……わたしがいちばん……うくく……」

 彼女は食べきれないほどのどんぐりの山を見つけたリスのように上機嫌になっていた。

「やっほー、やほほー、小鹿くんのいちばんはわったっしー♩ よっほー、よほほー、わたしのいちばんはかっれっしー♩」

 変な歌を山肌に反響させた。

 なんて可愛いカノジョなんだ、と思わずにはいられなかった。

 恋と愛は対極にあり、真逆であり、別ものであるという獅子谷くんの説はまちがっていると僕は思った。

 僕はいま、綿丘さんに恋していると同時に愛している。

 彼女に強い性欲を抱いているが、大切に慈しみたいという気持ちを同じくらい強く持っている。

 恋と愛はセットだ。

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