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巨乳美少女とつきあったら貧乳幼馴染がおかしくなり美乳地雷系までせまってきた  作者: みらいつりびと


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「綿丘さんと、セ、セックス……」

「したいだろ?」

「し、したいよ。綿丘さんを抱きたい」

 その欲望はまぎれもなくあった。じりじりと僕の心を焦がし、ときには燃え盛っている。夢の中に裸の彼女が登場して、交わったことだってある。僕は童貞で、セックスのやり方を知っているとは言えないけれど、夢で気持ちよくなった。目が覚めたら夢精していた。


「で、でもすみれは病弱だったときの僕を支えてくれたんだよ。いつも変わらずやさしくしてくれた。僕は彼女が好きなんだよ」

 綿丘さんを好きなのは確かだが、すみれを好きなのも真実だ。僕は脳内の裸の綿丘さんを隅っこへ押しやって、獅子谷くんに抗弁した。

「それはたぶん愛だな」

「愛……」

「愛は性欲とは対極にあるものだ。家族愛、隣人愛、博愛、友愛、慈愛、どれも性欲の真逆みたいな言葉だろう?」

 獅子谷くんはアテナイの街角のソクラテスのように熱心に語った。彼がこんなによくしゃべる人だとは知らなかった。


「性愛という言葉もあるけれど……」

「確かにある。だがそれはいったん横に置こう。話がわかりにくくなるから」

「僕はすみれを……」

「きっと愛しているんだろう。でもそれはおそらく恋じゃない」

 獅子谷くんは恋と愛をすっぱりと分けて考えているようだった。

 そういう考え方に触れたのは初めてだ。けれどそう言われてみると、綿丘さんへの好きとすみれへの好きを上手く説明できているように思えた。


「こ、恋と愛はどちらが大切なんだろう?」

 僕はどちらかと言うと愛の方が大切な気がした。

「男子高校生にとって大切なのは、圧倒的に恋だ」

 でも獅子谷くんはそう即答し、言いきった。


「俺たちくらいの年齢の男が考えているのって、セックスのことばかりじゃないか。好きな女の子とつきあってセックスする。そのために俺たちはいまを生きているんだ。愛なんていうのは、大人になってから考えればいい。いまの俺たちにとって大切なのは断然恋だ。恋に生きろよ、小鹿」

 彼の話はシンプルでわかりやすかった。

 僕の当面の行動指針として、受け入れてもいいような気がした。

「ありがとう。す、すごく参考になったよ」

「そうか。そりゃあよかった」


 獅子谷くんはフィッシュバーガーをぺろりと平らげ、ポテトを食べきって、アイスコーヒーをごくごくと飲んだ。

 それから彼はにやっと笑って、「小鹿が草原すみれとそんなに親しいとは知らなかった。今度紹介してくれよ」と言った。

 僕は曖昧にうなずいた。獅子谷くんがすみれの服を脱がそうとするシーンが思い浮かんだ。それはなんだか嫌だった。


 家に帰ると、またすみれがいた。最近は本当によく家にいる。

 彼女はリビングのソファに座ってスマホを見ていた。

 お母さんはキッチンで料理をしていた。カレーの匂いが漂っている。

 

「おかえり」とすみれは言う。

「ただいま」と僕は答える。

「もうすぐカレーができるわ。すみれちゃん、よかったら食べていく?」とお母さんは言った。

「いいんですか? 小鹿家のカレー美味しいんだよなあ。ごちそうになります」

 すみれはスマホで彼女の家に電話して、「カナタんちで夕食をいただくから、ごはんいらない」と伝えた。


 僕は鞄を床に置き、彼女の隣に座った。

「すみれはうちの家族みたいだな。僕の妹だ」

「それを言うなら、お姉ちゃんでしょ。あたしの方が誕生日は早いんだから」

 僕とすみれの会話をお母さんが聞いていて、「すみれちゃんにはカナタのお嫁さんになってもらいたいなあ。姉でも妹でも困るわ。結婚できないんだから」と言った。

 母は僕とすみれをくっつけたがっている。

 僕は高校で恋人ができたことを、まだ親には伝えていない。

 僕と綿丘さんのことを知っているすみれは、苦い表情でうつむいた。


 カレーを食べた後、僕は彼女を送っていった。

 すみれの家は近所で、徒歩10分くらいのところにある。

 もうすっかり暗くなって、空には北斗七星が瞬いていた。


「綿丘さんと真剣に交際してみるよ」と僕はすみれに伝えた。

 それが獅子谷くんの話を聞いて出した僕の結論だった。

 彼の言葉はそれなりに説得力があったが、全面的に肯定したわけではない。やはり愛は大切だと思う。

 でもいまは恋に体当たりしてみたかった。

 綿丘さんと熱い恋をするのは、きっといましかできない。


「好きなようにすればいいじゃない」

 すみれは彼女の目の前にある暗がりを見つめていた。

「あの巨乳を抱きたいんでしょう? 男の子ならそういう欲望があるんだよね。それはしかたのないことだと思う」

 彼女は道に落ちていた空き缶を蹴った。カランカランと音を立てて、空き缶は転がった。

「でもカナタはいつかあたしのところに戻ってくるよ。高校生カップルは長つづきしないんだから。それは統計的に確かなことなの」

「僕はできるだけ長つづきさせたい。恋が愛に変わるほど長くつづけばいいと思っている」

「恋が愛に変わるほど?」

 すみれは暗がりを見るのをやめて、僕の方を向いた。彼女は眉をひそめていた。


「どういう意味なの、それは?」

「僕の友達が言ったんだ。恋と愛は別のものだって。恋は性欲で、愛は性欲とは対極にあるものだって、彼は言った。僕は恋から出発して、いつか恋が愛に変わればいいなって思った」

「なんとなくわかるよ……。でもあたしは恋と愛はセットのような気がする。それは同時に発生するものなのよ。あたしは心とからだの両方とも結ばれたい」

「すみれらしい考えだね。それにも説得力がある」

 僕の考えはどちらかと言えば、獅子谷くんよりすみれ寄りだ。


「恋が愛に変わるというのは、恋した相手を性欲の対象としてだけ見るのではなくて、心の底から大切にして、慈しむようになるってことだよ。そうなれば素敵だよね」

 すみれは僕の顔をまじまじと見た。

「カナタ、そんなことを口に出して、恥ずかしくないの?」

 僕は赤面した。

「は、恥ずかしいよ。でも相手が他ならぬすみれだから話したんじゃないか」

「ごめん……」

 すみれは夜空の星を見て、「カナタがあの巨乳に恋するのはしょうがないけれど、愛するのはやっぱり嫌だな……」とつぶやいた。


 僕と彼女は並んで夜道を歩いた。

 もうすぐすみれの家に着いてしまう。

 僕は獅子谷くんとの会話を思い返した。彼は草原すみれを紹介してくれよと言った。ふたりはお似合いだろうか?


 獅子谷くんがすみれとつきあったら、まちがいなく彼はセックスしようとするだろう。それを想像すると、どうにもやりきれなかった。僕は綿丘さんとセックスしたいと思っているのに、すみれが誰かとセックスするのは嫌なのだ。

 それはものすごく身勝手だ。綿丘さんとすみれの両方を取ることはできない。僕が綿丘さんを取るなら、すみれは手放さなくてはならないのだ。


「すみれ、僕の友達がきみを紹介してほしいと言ってるんだ」

 僕は自分が公平になるために言った。

 すみれは唇を歪めた。彼女ははっきりと傷ついたようだった。何も答えず、家路をたどった。


 すみれは暗がりを見つめつづけていた。その闇がどれほど深いのか、僕にはわからなかった。

「それもいいかもね……」

 彼女の家の前で、すみれはぽつりと言った。

「あたしもカナタ以外の男の子と親しくしてみてもいいのかも。どうせ高校生カップルは長つづきしないんだし。いろんな経験を積んで、あらためてカナタと向き合ってみてもいいかもね……」

 すみれは泣き出しそうな顔でそう言った。


「さよなら、カナタ」

 彼女は家の中に入っていった。

 僕は胸が締めつけられるようだったけれど、これでよかったんだと無理矢理自分に言い聞かせた。

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