混沌と言うお話し
混沌と言うお話し
それはずーっと昔
何もなく、誰もいなかった時
混沌には上も下もなく
前も後ろもなく
どこともしれないところに
漂っていたのか、沈澱していたのか
ただ、なんとなく
そこにあったのか
混沌の中にあったものが
形を持ち始め
形を変えていき
巡り巡って
何かになった
誰も予期もせずに
誰も期待もせずに
ごく自然の成り行きで
壮大な宇宙の中で
イザナギとイザナミか
エホバか、アラーか
神か、誰か
かき混ぜて、かき混ぜて
あらゆる生物の誕生
あらゆる島々、大陸の誕生
何億もの時を経て
何億もの人類の歴史を経て
色々なことが四角紙面に説明ができる
人はそう信じたいのだと思う
実際、人は今でも
混沌とした大きなモヤモヤの中で
海で遭難して助けを待つように
ぷかぷかと浮いて
とても近そうに見えて
とても遠い空を眺めている
昔誰かがどこかでお告げを受けたそうだが
お告げは一体誰のためのものだったのだろう
ヤキモキと指を絡めて
ごちゃごちゃにかき混ぜられた今の中で
消えて行った人々や
消えていく自分が一体何だったのか
ただ事実を知りたいだけ
全ての存在に何か意味があるのかを
ただ知りたくて
意味がないと不安になり
今の自分の存在が
今の次元が
幻のように
魔術師がパチンと親指と人差し指を鳴らせば
簡単に消えていく
そんな世界は恐ろしい
恐ろしいけれど
そう言うものなのだ
事実を、宇宙の営みを、変えることができる者は・・・
結局は誰もいない
人間以外には
混沌の中で生まれ
混沌の中に住み
混沌の中で死ぬ
今現在のこの混沌の中で
自分自身だけは
確かに揺るぎない存在であり
混沌の中の
ただ一つの真実
その他には
何も
ない




