5月下旬~竿を手放した~
竿の話が続いていた(笑)。
弘法も筆の誤り・・・いや、河童の川流れといった方が正しいでしょうか。
川下り中に竿を手放してしまいました。
低い柳城橋を、私は背をかがませて、くぐったあと、立ち上がりました。
さあ、ひとさししようと、竿を水底にさし、ぐいっと力を入れて押して、あげようとした瞬間、抜けませんでした。
まあ、ここまではよくある事です。
底の状態も様々で、泥や砂利、石垣など場所によって異なります。
なにかに引っ掛かかり、うんともすんとも動きません。
舟は勿論、進もうとします。
なんとか、竿を離さまいと、竿を掴みますが、惰性で進む舟に、反り返る私の身体・・・もう、これ以上は落水しちまう・・・。
そう思った私は、止む無く、竿から手を離します。
しからば、どうするか?
運が良ければ、近くに舟がいれば船頭にお願いをして、竿を取ってもらいます。
ここは持ちつ持たれつです(笑)。
しかし、今回は全く周りに舟はありません。
流される舟・・・私は笑顔で取り繕います。
「大丈夫ですよ~無問題」
身体を舟の左に寄せ、左岸に近づけます。
少しずつ、少しずつ。
「左のお客様、気をつけてね~岸にあてます」
ゆっくりと、舟が岸に当たります。
(よしっ)
私は心の中で、そう思うと、両手で岸をつたい舟をバックさせ、竿がある場所へと戻ります。
(よっしゃあああ!)
無事に竿を掴んだ私は、涼しい顔で舟を進めます。
本当に久しぶりでした。