12月下旬~まとめetc.~
川下り、いち船頭の一年間でした。
・炎の一球
先日、お客様を乗せて川下りをしていました。
お掘割にボールが浮かんでおりまして・・・。
「おーい、船頭さん」
岸から呼びかけるお年寄りがいました。
その隣にはお孫さんらしきお子さんが、
「はい?」
「ボールが落ちたんで、とっていただけますか?」
どうやら、キャッチボールをしていたみたいです。
「いや、今、お客様乗せているので」
「取ってください」
「あの、お客様が乗っているので危ないんで」
「ボール取ってください」
(聞こえているんかな?)
私は、溜息をついて、やむなくボールを取ることにしました。
「お客様、すいませんね」
と、苦笑いを浮かべ、ボールを掴み、岸に届くように力いっぱい投げます。
ビュンっ!
意図せず、お年寄りの肩口に直撃しました。
(ちょっと、ザマミロ、笑)
あ、ボールは勿論、柔らかいポン球ですよ。
だけど、その代償にお舟は岸へと動き、私は慌てて竿で体勢を整えます。
「お客様を乗せています、危ないんですよ」
私はお客様とお年寄りに聞えるようにあえて言いました。
・・・正直、ボールは取らなくても良かったかなと思いましたが・・・。
・こういうのがいいね
予約のお客様を乗せた時のことです。
3世代の家族の方々で、わきあいあいで川下りを楽しまれていました。
おじいちゃんは、お酒を飲みながらいい気分で、時折、私に話しかけて、みんなに冗談を言って、笑わせていました。
お父さんはこちらに質問をしてきたり、お母さんや子どもたちはめいめい、情景を見たり会話をしていらっしゃいました。
私が歌うとみんな拍手でリズムをとってくれたり、ガイドを聞きつつも家族の会話を楽しんだり、ゆっくりまったりと過ごされていました。
(こういうのがいいんだよな)
ふと、私は思いました。
あ、はい、まとめです(笑)。
一年間、船頭のお仕事を書いてきました。
何分、にっきと銘打っているだけあって、日々のこと、自分が思うままに適当に書いていましたので、間違いや伝わりづらい部分が多々あったと思います。
それでも投げ出さないで1年間、書けたのはひとえに読んでくださった皆様と私の頑張りと自画自賛しとるところであります(笑)。
拙作を書こうと思ったのは、振り返られる文を残しておいたら、いざとなった時になろうに投稿していたら読み返せると思ったのと、このどマイナーなお仕事を知っていただくきっかけになればと感じたことです。
一年間、ざっくりと書いたつもりです。
でも、言いたい事、言えない事は、やっぱりあります(笑)。
そこは大人ですもん。
オブラートに包んで書いたり、触れなかったり・・・うん、この職業は正直、思う所ありますよ(笑)。
でも、それにもまして、川下りは素晴らしいし、船頭のお仕事は今だに魅力的に感じています。
・・・それでも、うーん?ってなることは多々あるんですけどね(どっちやねん)。
いやいや、川下り、船頭、よかよかよかよ~(笑)。
これにて、せんどうにっき完結となります。
ここまでお付き合い、読んでいただき感謝でございます。
完結まで読んでいただき感謝です。