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探偵は女子高生と共にやって来る・シン  作者: 飛鳥 進
第一話-始動
7/51

始動-7

「邪魔者は居なくなったな」

 長四郎は連行される燐を見送りながら、女性客の連れを探そうと事情聴取を受けている客達を見て特定しようとする。

 だが、すぐに「長さん」と一川警部に呼ばれる長四郎。

「分かりましたか?」

「勿の論。被害者の名前は、上村 愛華(かみむら まなか)さん。23歳。仮面商会に勤めるOLさん。そんで、死因は、後頭部を打ち付けたことによる脳挫傷とのことばい。」

「OLさんでしたか。ほぉ~」と長四郎は顎に手を当てうんうんと頷く。

「それで彼女も一人客だったようで、店員の証言からあそこのカウンター席に座っていたらしい」

 一川警部は愛華が座っていたカウンター席を指差して、教授する。

「何番目の席ですか?」

「えーっと、厨房の出入口から2番目の席だから。ここやね」

 愛華が座っていた席に腰を降ろした長四郎は、そこから店内を見回す。

「ほぉほぉ」長四郎は一人相槌を打つと「ラモちゃん。さっきの女子高生を救出してきてくれませんか?」と依頼する。

「おう、任せといて」

 一川警部はすぐ様、連行されていった燐の救出に向かった。

「よしっ!!」

 自分の顔をパンパンっと叩き気合いを入れ直した長四郎は、遠山が座っている場所へと移動した。

「いや~参りましたね。殺人事件に巻き込まれるなんて」そう言いながら話しかける長四郎に「ええ、そうですね」と答える遠山。

 遠山は答えると同時に隣に座っている浮気相手と思われる女性の手を握りしめる。

 それを見て、長四郎はモテる訳だと思った。女の子へのさり気ない優しさ? 的な感じのアレである。

 長四郎はそんな事、気にしないといった感じで話しかけ続ける。

「今日は、彼女さんとデートですか?」

 その一言に一瞬、眉をひそめるとまた一瞬で、笑顔に作り替え「ええ、まぁ」とだけ答えた。

「最悪なデートですね」

「そう、ですね」

 遠山もグイグイ話しかけてくる長四郎の目的が読めず、戸惑いを隠せない様子を見せ、隣に居る女性もまた同様の反応を示していた。

「貴方、探偵さんですよね?」

 先程の南志見とのやり取りで正体がバレてしまったので致し方ないのだが、長四郎もまた作り笑いを浮かべ「そうですよ」の一言だけ返事をする。

「もしかして、事件を解決する系の探偵さんですか?」

「とんでもない。ドラマの世界の探偵だけですよ」

「そんな感じしないよね?」遠山は隣に居る女性に話しかけると、女性は「うん」と言って頷く。

「それに、最後に来た刑事さんと旧知の仲といった感じに見えましたけど」

「まぁ、探偵稼業も警察に届け出ないといけないので、知り合いの刑事がいても不思議じゃないんですよ」

『へ~』遠山と連れの女性は声を揃えて驚いて見せるのだった。

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