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探偵は女子高生と共にやって来る・シン  作者: 飛鳥 進
第一話-始動
13/51

始動-13

 遠山は口を噤んだまま時は過ぎようとしていた。

「だんまりを決め込まれても話が進まないので。話題を変えて貴方がどうやって被害者を殺害したのか。その事について話をしていきましょうか」

 長四郎は自分の推理を披露し始める。

「遠山さん。貴方は最初から愛華さんを殺そうとしていた訳ではありません。多分、愛華さんは遠山さんとさしで話す為に女子トイレへと引きずり込んだんじゃないですか?」

 その問いに答える事なく遠山は長四郎の推理に耳を傾ける。

「そして、そこで揉めに揉めた。多分、取っ組み合いになった。そこで、愛華さんを突き飛ばしたかなんかで、愛華さんは後頭部を打ち付け死に至った。そういう所でしょうか?」

 長四郎が質問すると、遠山は未だに口を噤んだままで何も言わぬ遠山は只、長四郎を見つめるだけであった。

「そんな簡単なトリックなの?」燐は不服そうに長四郎に質問する。

「そうだよぉ~ 最初から分かりきってたもん」

「分かりきってた?」

「That’s Right. ラモちゃんがトイレに行って入れ替わるようにして彼が出てきた時から」

「じゃあ、どうしてそれを最初に言わないのよ!!!」

「関わる気なんてなかったんだもん」

「そんな理由で黙ってたの・・・・・・」

 燐は手で顔を押さえて呆れる。

「長さんの言うようなトリックやったとして、店に居た客が揉めとう時の声とか聞こえるんじゃなかと?」一川警部は、疑問をぶつける。

「あの時、店の中は混雑していましたから然程、大きな声を出していたとしても気づかなかったかと。ラモちゃんが遺体を見つけた時ぐらいの絶叫じゃないと」

「ほうほう」自分の顎に手を当て一人納得する一川警部に対して、燐はつまらなさそうな顔をしていた。

「さっきから黙って聞いていたらどうして僕が彼女を殺したままで話が進んでいるんですか!!」ここで遠山が口を開く。

「そうでしょうか。女子トイレの中もしくは愛華さんの衣服からあなたの指紋が出るのではないでしょうか?」

「そんな事、ありませんよ」

「そうですか。では、鑑識で調べて貰いましょう」

 長四郎は動じることなく、遠山に提案する。

「それは、嫌です」

「なぜですか? 遠山さんの無実を証明するチャンスではないですか?」

 意地悪な顔をして遠山に問いかける長四郎。

 遠山は苦虫を嚙み潰したような顔になる。

「ま、そんな苦い顔をしないで。鑑識にかけさせてください。一晩ぐらいで鑑定は終わりますけん」

「そ、そんなのは嫌です・・・・・・」

 一川警部の提案を拒否する遠山の前に燐が立ち、こう言い放った。

「男ならさっさとやれよ!!!」

 その怒号にびくついた遠山は尻餅をつく。

「やりました」小声でそう喋る遠山。

『え?』

 三人が聞き返す。

「僕が彼女を殺しましたぁ~」

 大泣きしながら、遠山は自白するのであった。

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