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探偵は女子高生と共にやって来る・シン  作者: 飛鳥 進
第一話-始動
11/51

始動-11

「お話されましたか。ラモちゃん、確認してきて」

 長四郎は現場検証をしている刑事に聞き込みをしてくるよう燐に指示を出す。

「Wilco.」燐はそう返事をし、刑事の元へと歩き始める。

「あ、待って。思い出しました。言っていませんでした」

 その回答を聞いた燐は足を止め、遠山の方を向く。

「大事なことなのに、何故、警察に話さなかったんですか?」

 長四郎は嫌味ったらしい質問をする。

「忘れていただけですよ。というより、どうして、僕がトイレに入っていたことが分かるんですか?」

「見ていたからですよ」

「はい?」思わず聞き返してしまう遠山。

「いやだから、遠山さんがトイレから出てきたのを見てたんですよ。ここに居るラモちゃんがプンスカしながら、トイレに向かったんでね。何をしでかすか心配で見ていたんですよ」

 こいつは何を言っているんだというような顔で長四郎を見る遠山と同様の反応を見せる燐は「気持ち悪い」の一言も添える。

「気持ち悪いって。ラモちゃんが犯人ですって、警察に言うぞ」

「そんな事出来ない癖に」燐は勝ち誇ったような顔で、長四郎を見下す。

「ラモちゃんに俺の何が分かるの?」

「そんな事はクソどうでも良いから。話を戻しましょ」燐はそう前置き「あんた、女子トイレで被害者と揉めていたんじゃないの?」と遠山に質問をする。

「それ、君の妄想でしょ。何を根拠に」

「それはね・・・・・・」燐は助けを求めるように長四郎を見る。

「俺に助けを求められても困るよ」

 あっさりと切り捨てる長四郎の足の甲を踏みつける燐。

「痛って!!」

「とにかく、あんたが犯人なの!!」

「そんな無茶苦茶な」燐の暴論にあきれ返る遠山。

「ラモちゃん、餅つけ。いや、落ち着け」

「落ちついていますぅ~」

「失礼ですが、トイレで何を?」

「勿論、用を足していたんですよ」

「用を足していた。しょんべんですか? それともうんこですか?」

「そんな事、聞いて何になるの?」

 燐の発言を無視して長四郎は続ける。

「しっこなのか、うんこなのか、どっちなんだい!」

「おしっこです」

「おしっこ。ふふっ」長四郎は笑うと「失敬。失敬」と謝罪する。

「貴方達、事件を解決する気、本当にあるんですか?」

「ありますよ」と即答する長四郎の顔は、真顔であった。

「信じられませんね」

「信じるか信じないかは貴方次第なんで、そこはお任せします。が、しょんべんな割には長かったですね」

「はい?」

「いえね、あなたが姿をくらましてから、5分ぐらいだったかなぁ~ ラモちゃんがトイレに入ったであろうタイミングで遠山さんが出てこられたんでね」

「その話を聞いていると、僕が監視されているみたいですけど」

「そうですよ。貴方、調査対象ですから。ラモちゃんも浮気調査でわざわざ大学にまで潜り込んで貴方を調査していたんですから」

「ちょっと!」燐は咄嗟に長四郎の口を抑えて黙らせようとするのだが、長四郎はその手をどかし話を続ける。

「遠山さん。貴方、女関係滅茶苦茶なんじゃないですかね?」

「何を証拠に」

「証拠なら、見つけてきたばい」

 声がした方を振り向くと、満面の笑みの一川警部が立っていた。

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