第二話 晶子さんだ!
銀杏散る夕日の岡に晶子さんと私、第二話です!よろしくお願いします!
「お嬢ちゃん、どうしたの?」
細くて長い指のきれいな手が私に差しのべられる。
顔を上げてみると、与謝野晶子さんみたいな顔だ。たまたまにている人がいたんだよね?
「あの…すいません。ありがとうございます。ここって、どこですか?今の年号って、令和ですよね?」
その人は驚いた顔で「いいえ今は、明治ですよ、」と言う。だけどすぐに、「令和…素敵な名前じゃないの。いつの時代でしょうか?」と嬉しそうに言った。そして私は確信する。
「与謝野晶子…?」
つい呼び捨てのまま名前を言うと、その人はまた嬉しそうな顔をする。
「お嬢ちゃん、名前、知っているのね?」と。
私は何かが頭のなかで繋がり、やっと理解した。私は今、与謝野晶子さんの生きている明治時代にタイムスリップしたということだ。
「晶子さん!晶子さんなんだ!あの晶子さんが!晶子さん晶子さん、私は貴方のファンなんです!貴方の唄が好きです!」突然に叫んだ、嬉しくて、驚いて、そして興奮している。だけど晶子さんは困り顔で、
「お嬢ちゃん、有り難う…ファンって、どういう意味かしら?」
「あっ…」
三話をお楽しみに♪