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ショッピング3

 ここがいい店であることはよくわかった。だからといってスニーカーを買うわけでもないだろう。靴を買うと言ってきた。今日の目的を考えても買うものは一つだろう。


「恵、足のサイズはいくつ?」


「確か、面倒だし適当なサイズを探せばいいや」


「それもそうね。それで、ひーちゃんいいのあった?」


「ばっちりだよ。花崎君、こっちにきて」


 荒川は手に靴の箱を持っていた。俺は側に合った椅子に腰かけると箱を手渡された。開けてみると、中にはヒールが入っていた。予想通りだ。


「似合いそうなのを選んでみたから試してみて」


「あたしはこういうのを選ぶのは苦手だけどそんなあたしからみてもこいつは花崎に似合おうと思うぞ」


 そのヒールは下地の色が茶色で紐とでもいうのか、足を固定する部分……、これ名称あるのかな。まあいいや。ともかくそこが白。いうなら、ヒール付きのサンダルといったところか。履きやすそうではあるけど、なにせヒールというものを履いたことがない。


「ヒールの付いた靴を履く女の人ってすごいと思うよ。よくバランスをとれるよね。俺には少し難しいかも」


「そんなの慣れだから大丈夫。料理とか運動と同じようものだから。そうじゃないとデザインとかがいいからといって世界中で長い間履かれてなんかいないと思わない?」


 言われてみれば確かにそうだ。だったら、少し履いてみるか。よっと……、意外と簡単に履ける。いやそれは当たり前か。問題はこのあと。これはそこまでヒールが高くはないからこけるなんて羞恥をさらすことはないと思うけど……


「いよっと」


 恐る恐る立ち上がってみる。何とか立つことはできたが、なんか変な感じがする。


「どうかな」


 横で美海が頬に手をつけて眺めている。


「そうだな、やっぱり変な感じがする。でもデザイン自体はいいと思う」


 美海は嬉しそうにそうでしょといった。いやちょっとマテ、この靴を選んでくれたのは荒川だ。別に美海が誇るようなことは何もないはずだ。現に選んでいない三浦は何も反応していない……、あれ三浦はどこにいったんだ? 

 周りを見渡しても三浦はいない。


「三浦はどこにいったんだ?」


「部活で使う靴を見てくるってあっちに行ったよ」


 三浦は確かテニス部に入っていたはずだ。


「なら俺もランシュー見ようかな。今までのだとサイズが合わないし、この前も買っていなかったし、必要なものだし」


 俺はためし履きをしていたサンダルを脱いで箱にしまうとそれを持って移動した。この靴屋やは沢山靴が置いてある。とても良い。

 走りやすく負担のかかりにくい靴を選ぶのは中々骨が折れる。それにそうしたものはたいてい高価だからなおさら慎重に選ぶ必要がある。


「これは……」


 最近出たのだろう。俺が以前からよく履いているシューズの最新作だ。これでサイズがあればこれを買っていこう。

 とそこに、三浦がいた。


「三浦もここにいたのか」


「ああ、花崎か。ここ種類が多くて部活で使う靴はいつもここで買ってるんだ」

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