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モレクの後継者  作者: 雨白 滝春
第二章
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第十六話 後日譚

 後日譚。


 その後、大暮佐津礼くんは自首し、事件は解決したらしい。今後の彼の在り方については、村人全員でケアしていくとのことだ


 五人組にとっては、子供の頃からよくあったケンカや仲違いの一つと言う捉え方で済ますつもりらしい。(重傷者も出す事件を起こして、それで済ませるところが、凄いチームワークだと感心した)


 紅山くんも狭い村の中でこうしたこの手のいさかい、トラブル、行き違いは、昔から避けられない問題として、よく起こる事なのだと、さすが棟梁の息子って貫禄で俺に謝って来た。


 いや、今回も俺は勝手に出しゃばって来ただけで、特に巻き込まれた訳でも、何か迷惑を被った訳でも無いので、謝られる筋では無いのだが。


 むしろ、勝手に礼くんをノックアウトしたことを、俺の方から謝っときたいくらいだ。


 ついでにその時、どうやら俺は独楽子さんのハートもノックアウトしてしまったらしく、目下の懸案事項は今後、あの子をどうしたらいいものか。


 鬼の妖術を使っているらしく、俺の日常は絶えず独楽子さんの監視下にある気配を感じる。


 モレク師匠の存在はともかく、鵬美矢真先輩のことを知られた時には、「あの人、誰?」と言うメールが一日中送られてくる恐怖を味わった。


(健全健康そうな見た目の雰囲気に反して実は、重度のストーカー気質の持ち主だったらしい)


 ちなみに紅山くんの方は今度の一件で俺の器を認めてくれたらしく、「岳さん、モレクさんのこと、よろしく頼みます」と言ってくれるのはいいが、独楽子さんを止めてくれる気は無いようで、ひょっとして紅山くんもモレク師匠を諦めていないのでは。


 現状はこんな所だが、今回の事件は俺にも深い部分で考えさせられる物があった。


 俺も最初、紅山くんの通う高校名を聞いた時には、それを紅山くんの努力と実力の成果では無く、理不尽と思ってしまったしな。


 学歴なんて実力のあるヤツが真面目に努力した結果以外の何物でも無いだろう。俺もいつか自分の街を出て遠い場所を目指すなら、それに見合う学歴は必要になるだろうしな。


 いざ、将来やりたいことが見つかった時、学力が足りないから成れませんでした、なんて事には為りたくない。モレク師匠の言う学業をおろそかにするな、の意味が、身に染みて分かった気がする。


 あ、また、独楽子さんからメールだ。


「今度の日曜日、鵬さんと出掛けるなら私と結婚してください」


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