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幼馴染同士で結婚した夫婦の表事情

作者: よっしー。

リハビリ感覚で書いたので、誤字や誤用が多々あるかもしれませんが暖かくご指摘下さいw

 俺こと、鷹野(たかの)隼人(はやと)34歳で会社員。

 まあ、このご時勢では有難い事に平均以上の収入もあり、それなりに裕福な家庭生活を営んでいる。

 奥さんこと、巳恵(みえ)34歳で主婦。旧姓(たちばな)

 週2~3日、近所のコミュニティセンターの料理教室で雇われ講師をしている。


 ハッキリ言って巳恵は俺には過ぎた妻だ。

 背中まである黒髪に地味だが平均以上に整った顔立ちで、全体的に清楚系美人。

 前述の料理教室の講師をするぐらいで料理は勿論の事それ以外の家事全般も完璧。

 子供は小学生の息子と幼稚園の娘の二人いるのだが、育児では自分の子でも他人の子でも分け隔てなく面倒見が良く、躾などもきちんとした上で近所の子供達にも慕われている。

 良妻賢母を体現した存在と、知り合い全てが絶賛。


 初めて幼稚園で出会ってから結婚までこれといったドラマチックな展開もなく、どちらかと言うと腐れ縁のまま結婚まで来てしまった感じだ。

 巳恵ぐらいの女なら他にも良縁があったとも思うのだが、俺としては良い奥さんをもらえて幸せなので嬉しい腐れ縁ではある。




 そんな巳恵と俺の出会いは、先述した幼稚園の頃だった。


 幼稚園入園から数日後


 「おい、こんなところでひとりであそんでんなら、こっちこいよ!」

 「えっ?えっ?えー?!」

 「おーい!こいつもいっしょにあそぼうぜ!」

 「えっ?なに?なんなのー?!」


 どうやらこれが、俺と巳恵の初めての会話らしい。

 ちなみに、この当時の俺と巳恵は幼稚園に入園したばかりの同い年の幼児。

 巳恵は大人しく一人で遊ぶようなタイプの子だったらしく全体的に印象が薄いんだよな。

 巳恵にとって俺は、初めての親しい友達だったようで、かなり印象に残ったらしいが。

 俺の影響で友達が増えたと言っていたので良い印象だったんだとは思うけど。

 因みに、この会話を俺は全く覚えていなかったのだが、巳恵に教えられた事だ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 幼稚園卒園式の日


 「はーくん、小学生になってもいっしょに…」

 「おう!またどっかであそぼうな!」

 「うん、ずっといっしょだよね……」

 「おう!約束だ!」

 「うん、や・く・そ・く!」


 巳恵とは、そんな遊び仲間のまま幼稚園を卒園。

 卒園式の日に子供らしい口約束をして分かれたらしい。

 この時の巳恵の笑顔が子供っぽくなかったのはなんとなく記憶にあるのだが、この会話も巳恵から教えて貰って俺の記憶には無かった。


 市が違ったので小中学校も別で一度ここで縁は切れる。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 高校の入学式当日


 「はーくん、お久しぶり」

 「???えっと、橘さんだっけ?」

 「うん、元気だった?私の事はあの時みたいに、みーで良いよ」

 「いや、名前はさっきの自己紹介で知ったんだけど、どこかで会っていたっけ?」

 「えっと……、私の事覚えていない?みーだけど……」

 「みー?えーと……」

 「……そうだよね、私の事なんて覚えてないよね。初めての、ひっく(友達だったから)、私が勝手に、ひっく(おぼえていてくれると)思っていただけ。、ひっく(急に泣いて)ごめんね」


 そして、これが再会した時の会話だ。

 すっかり巳恵の事を忘れていた俺の言葉に、巳恵が思わず泣き出してしまった時だ。

 この会話で、クラスの大半にハブられそうになったのだが、巳恵の必死の説得によって難を逃れる事ができたんだよな。

 まあこれが切欠で、巳恵と親友のような関係になれたので結果としては良かったのかも。

 そういえば、この会話の巳恵が泣き出してしゃくり上げている部分とかは後で巳恵本人に教えてもらったんだよな。

 良く覚えているなと思ったんだが、予定通りの会話だったからだとか。

 ならなんで泣いたんだとも思ったが、色々あるんだと言われた。

 まあ、このくらいの年齢の時って情緒が不安定になるとか聞いた事もあるから、そんな感じかな?




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 高校2年の春

 「みー、聞いてくれ!」

 「ん?はーくん、どうしたの?」

 「中学の頃から好きだった恵美めぐみ先輩に交際OKの返事を貰った!」

 「……えっ?」

 「一年間口説き続けた俺の根気勝ちだな」

 「あっ、うん。おめでとう」


 俺に初彼女が出来た時の会話。

 一番の親友だった巳恵に最初に報告したんだ。

 巳恵もびっくりしたようで、この時は珍しく固まったままの巳恵を見る事が出来たんだ。

 笑顔もいつもの満面の笑みではなくて、どこか引き攣った笑顔だったな。

 それから暫くしてから俺が居ないところで巳恵と恵美先輩が一緒に居るところ何度か遠くから見掛けたんだが、俺の親友をやっていただけあって俺の彼女とも仲良くしてくれているんだなと感謝したのを覚えているよ。

 恵美先輩とは結局一年ぐらいで、先輩が進学で上京して自然消滅したっけ。

 特に先輩は受験生だったからか、最初の3ヶ月間ぐらいは毎日のように会っていたんだけど、その後は受験勉強で忙しくなったとかで、たまに先輩が人づてに人気の無い場所とかに呼び出して来る時ぐらいしか会えなかったんだよな。

 恵美先輩には色々と大人の階段への手解きとかもして貰ったの感謝しているけど。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 高校3年の夏


 「みー、お前進学は俺と一緒で法学部希望だったよな」

 「うん、本命は隣の県のA大学にしようかと思っているんだ」

 「A大学? それって俺と一緒だよ。本当に?」

 「えっ?はーくんと一緒?」

 「おう、じゃあ一緒に合格できるように頑張ろうな!」

 「うん!同じところだから受験対策も一緒に出来るね」


 俺が巳恵の受験する大学を知った時の会話。

 いくら親友だとしても、進学する大学の地域が離れれば、だんだん疎遠になって行くのかなと思っていたんだが、偶然同じ大学に進学する事になったんだよな。

 同じところを受験するから情報交換も良くするようになったし、予備校の講習も同じ講義を受けたりと、高校以外の場所でも一緒に行動するようになったし。

 休日とかもお互いの家に行って勉強したりもしたな。

 この頃から巳恵の家族とも話すようになり、お互いの家で夕食を食べたりするようになったんだ。

 お義母さんが最初からやたらとフレンドリーだったので理由を聞くと、俺が幼稚園の頃から俺の母親と友人付き合いを続けているらしく、俺の事などもよく話題になっていたからだとか。

 巳恵が教えた記憶が無い俺の小中学校時代の事を詳しかったのも、それが理由なのだろう。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 大学1年の春


 「はーくん、夕飯何が良い?」

 「カツとか肉系が食いたいなー」

 「お昼、牛丼だったよね?肉肉って続けるの良くないよ」

 「バイトで体使うから、肉が良いんだよ、みー。野菜も食うから肉プリーズ!」

 「バイトは関係ないよね?うーん、鶏肉で何か考えてみるか」


 二人とも無事大学に合格して、同じ大学に入学した頃の会話。

 別に一緒に住んでいる訳ではなく、娘の一人暮らしを心配した巳恵の母親が同じアパートで俺と巳恵の部屋を隣同士で契約して来たんだ。

 俺の母親と話が付いていたらしく、気付いた時には全てが決まっていたんだよな。

 まあ、ボディーガードをする代わりに料理とかやって貰っていたし、飯も二人で一緒に食っていたから食費や光熱費も結構浮いていたみたいで随分助かった。

 ボディーガードの約束もあったので、サークルも一緒でコンパとか飲み会も必ず二人で参加。

 大学の講義も殆ど一緒だったから課題やレポートもどっちかの部屋で協力して仕上げていたしで、寝る時とバイトの時ぐらいしか巳恵と一緒じゃない時間って無かったんじゃないかな。


 まあ、高校ぐらいから何故か異性と係わる事が減ったりしてあまり女友達とか居なかったんだけど、巳恵のお陰で変に異性慣れしていなくて緊張するとかも無かったんだ。

 巳恵がそのことを考えて俺と一緒に居てくれた訳ではないんだろうけどね。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 大学4年の夏


 「みー、やっと内定貰えたよ」

 「おめでとう! で、どこ?」

 「あー、B株式会社の◎☓営業所。まあ実家から更に離れた県外になるから、また一人暮らしだ。今度はみーが居ないから、自分で家事全般やらないとだな。色々教えてくれよ?」

 「あれ?◎☓営業所って事は☐△県だよね。私が決めた就職先って◎☓市の隣の☐△市……」

 「えっ?!マジ?」

 「ほら私いくつか内定貰っていたじゃない。その内の一つがそこで、この間その会社に内定承諾の返事したんだ。……えっと、実家から更に遠くなるし、ボディーガードとか隣に住んでくれると助かるんだけれど?」


 俺の就職が決まった時の会話。

 結局、大学4年間ずっと炊事や家事を巳恵がやってくれていたので、社会人になってから苦労するだろうと思っていたら、本当に腐れ縁ってやつで就職まで同じ地域。

 まあ、俺はお陰で引き続き隣人として助け合うと言うか、一方的にお世話をされる事になった。

 社会人になって時間的な事もあり恵美も炊事とか別々に二人分やるのは大変だと言って、結局は寝る時とか以外は二人でどっちかの部屋に居たんだよな。

 洗濯とかも二人のどちらか時間がある方が一緒にやったりする事になったし。

 休日も食料品や雑貨も共有みたいになっていたから二人で買い物して、昼もどちらかの部屋で食べていたんだ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 社会人2年の夏


 「えっと、今更ですけど宜しくお願いします?」

 「あーうん、色々ごめん?」

 「ううん、はーくんとなら別に良いかな」

 「いや、みーぐらい可愛ければ、幾らでも良い男捕まえられるだろうし」

 「まあ、ここまで一緒だと、なんだか見捨てるようで他を探す気にもならないというか」

 「えーと、マジで俺で良いのか?」

 「うん、マジではーくんで良いよ?」


 巳恵と付き合う事になった時の会話。

 大抵どっちかの部屋で晩飯を食べるんだけど、巳恵の部屋で二人で飲んでいて酔いつぶれたてそのまま巳恵の部屋で寝てしまった週末の晩。

 翌朝に偶然巳恵の両親が巳恵の部屋に来て、合鍵で部屋に入ったら俺と巳恵がくっ付いて寝てる情況。

 しかも、二人して結構着衣が乱れている状態で。

 その場は、俺は部屋に帰され、巳恵とご両親で話し合って、巳恵が結婚を前提に付き合っていると言い訳したらしい。

 そして、ご両親が帰ってから二人で話して、きちんと付き合う事に。

 結局、お互いの両親に正式に報告をする事になって、地元で両家話し合いという名の祝賀会が行われ巳恵の部屋は解約して俺の部屋に二人で住む様になったんだ。

 実は社会人になった頃から俺も巳恵のことを異性として意識していて、かなり好意を持っていたので正直嬉しかったんだよね。

 この翌年に俺が首都圏に転勤になって、それを機に結婚。

 暫くして、子供も出来て今の幸せな結婚生活になった訳だ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 なに引き攣った笑顔しているんですか、恵美さん?

 そもそも恵美さんが巳恵との事を聞きたがったんじゃないですか。

 そういえば、恵美さんが巳恵の従姉妹だって結婚するまで知らなかったんですよね。

 巳恵も恵美さんも教えてくれなかったので。

 恵美さんが上京してからずっと会っていなかったから仕方がないんでしょうが、俺達が上京したら恵美さんが近くに住んでいるとは思いませんでしたけど。

 まあ、お陰で今回みたいに巳恵が出産の為に里帰り入院している間、家の事をやって貰えて助かってはいるんですけどね。

 えっ?何ですか?主人公体質の考え方は予想の斜め上だった?本人達が幸せそうだから別に良いけど?

 何だか分かりませんが、腐れ縁とはいえ巳恵のような出来た奥さんを貰えて俺は幸せですよ。


 ちょっと何ですか、その溜息は。他人ひとを哀れむような視線で見ないで下さいよ。

 重い女が多い家系だけど、巳恵は別格?

 本当に良く分かりませんが、巳恵も恵美さんも子供居るけど二人とも細いし。

 あっ巳恵に不満がない訳ではないんですよ?

 ……恵美さん急に元気になりましたね?えっ?不満ですか?

 実は、前の出産の為の里帰りした時にも言われたんですが、その夜の方で不便したら恵美さん相手なら許すって言われたんですよ。

 きちんと巳恵が許可した事を恵美さんに伝えて、回数とか内容を巳恵に報告するならって。

 勿論冗談なんでしょうが、恵美さんにも失礼な冗談ですよね?

 あれ……?恵美さん四つんばいになってうなだれるなんてどうしたんですか?

 今日は帰る?恵美さんーーー?

恵美さんは☓1子蟻。

主人公にちょっかい出して、からかおうと思ったら、主人公の惚気(本人はそう思っている)と巳恵からの釘刺しのダブル攻撃でノックアウトされました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いい鈍感と策略系幼馴染っすねー。 (計算された)「偶然」が重なって男は(知らないから)幸運だなー [一言] 重い家系ねぇ。ガチメンヘラ相手にしてたからこれくらいならただの一途な子だよ。裏事…
[良い点] 淡々とした印象の文章かと思いきや、最後の最後で話を加速させて、緩急をつけている点。 ただの短編ではなく、話の広がりを想像できる、深みのある展開でした。 [気になる点] 細かい点かもしれませ…
[一言] 息子が高校生位に成長して親父の話を聞いたら、母親の事畏怖しそうですね。
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