白の世界 +more 1
人外陵辱・残酷描写表現があります。
俺は誤解をしていた
あいつが、俺の言うことを聞く良い子だって
『白の世界+more』
天才的な遺伝子学の寵児と呼ばれて居たとき
ある研究の発表をし、著名な賞を貰い新聞に乗った翌日
俺は不気味なほど白い研究所にさらわれた
「……キタムラ博士には、コレの溢れる謎を解明していただきたいんです」
縛られ、さらにゴツい黒人の男に拘束されながら見せられた化物
正直、吐き気がした
「断る。良いから俺を返せよ」
あんな化物とかかわり合いたくない
そう思い俺は白髪の老人の申し出を却下したのに、老人は不気味な笑いを浮かべながら愛しそうに化物と俺たちを隔てるガラスを撫でた
「困りましたなぁ。この子を見せてしまった以上、博士の選択肢はYes以外無いのですよ。まぁお気が代わるまでそちらのデータでも見ていて下さい」
バサリ、と三〇枚ほどの紙を押し付けられ
俺は狭い居住空間に押し込められた
監禁から一日目
食事や飲み物はまともに支給されたことに安堵しつつ、俺は資料を無視した
だが、三日目…五日目ともなると
無駄に暇すぎる時間をもて余した俺は暇つぶしに資料を眺め出した
そこに書いてあった驚愕の事実
遺伝子の掛け合わせに次ぐ掛け合わせの果てに偶然誕生したコード00
ソレは頭を撃ち抜いても、心臓を貫いても、焼却しても何をしても時間をかけて再生することから……不死の疑いがあるらしい
研究のテーマは不死の研究、筋肉がないのに驚異的な運動能力の解明…また、雌を与えると生殖活動をするから子供を生むんじゃ無いか……etc色々とあった
むくり、と頭を上げる研究者魂を無理矢理押し込めるが
やはり気になる。何故かソウナルのか
調べたい。だがあれを調べたら人間としてどうなのかと悩む
そんな苦悩を抱えながらも、監禁されてから十日目に再度投げ掛けられた協力要請
俺はなんとか理性がまさり、それをはねのけた
それが悲劇を呼んだ
『いやぁぁぁぁ、あ、やああああ』
「やめろ!! 止めてくれ、姉さんっ、姉さん!!!」
にやにや笑う老人と、もくもくと作業をこなす研究員と
ガラスの向こうで、化物に犯される俺の姉貴
どんなに叩いてもガラスは割れず
この部屋には向こう側に繋がるドアは無かった
『たすけ、だず、あ、ぁんっ、あ』
俺はただ
姉さんが助けを求めながら犯され、壊れて行くのをみていることしか出来なかった
「姉さん!! 姉さん!! くっそおお!!!!」
地獄は二日続いたが
姉さんは開始から一〇時間ほどで心身を喪失したのか涙を流しながらただ犯されるだけだった
俺は全てを見ていた
始まりから終わりまで全てを見ていた
「ほう、あの化物との交配後でも生きているとは初めてのことだ!! さっそく彼女を保護しろ、受胎してるかもしれんぞ!!」
喜ぶ老人に殴りかかるだけの気力も失い
ぼんやりと化物が離れたすきに隔離される姉さんを見つめる
姉さんは口の端からよだれをたらし、完全に壊れていた。壊されてしまった
「いやぁ博士のご家族は想像以上の成果をくれそうですな!!」
「………」
「…この分なら博士の身内の方なら他にも良い成果をくれそうですねぇ」
嬉しそうに喋る、老人
ゆっくりとゆっくりと振り向くと
老人は不気味な笑みを浮かべ、ニタニタしたまま書類を見ていた
その書類に貼られた写真は……俺の妹と母さん。それを見た瞬間一気に血の気が引いた
「やめろ!! 家族には手を出すな!!」
「……なら、なすべきことは分かっていますな?」
姉さんを壊されて、さらに妹や母までもなんて考えたく無い
俺は愛する家族を守るために、悪魔に身を売った