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小説初投稿です。拙い文章で不愉快な思いにさせることもあるかと思いますが、何卒ご容赦を。
「世界は何のために存在しているのだろうか?」
なんて哲学的な事考えても、一介の高校生である俺には答えなんか出るはずがない。
自分が何のために存在しているのかさえわからないのに、まして世界のことなんてわかるはずもないじゃないか。
そもそも世界に存在意義が在ったとしても、俺は別段知りたいとは思わない。
現に、俺は今までそんな事知らなくても生きてこれた。
知らなくても生きていけるのなら態々知る必要はない。
自分と関係ないのなら、そんなの無いのと同じなのだから。
重要なのはこの世界が存在しているという事実だけだ。
物語の登場人物は与えられた舞台の上で踊ってさえいればいいのだ。
*
[主人公育成講座のご案内]
何度読み返してみてもそう読めた。
今朝届いていたダイレクトメールの表にでかでかと書かれていた文字である。
「…なんだこれ?」
予備校か何かの案内だろうか?それにしても酷い謳い文句だ。もうちょっとセンスのあるものにできなかったのか。
他に何か書いてないか裏返してみたが、裏は完全に無地で何も書かれていなかった。
いよいよもって怪しい。もしかすると新手の詐欺か架空請求の類かもしれない。どちらにしてもセンスはないが。
こういう胡散臭い物は即行シュレッダーかゴミ箱に行きにしたいところだが、万が一大切なものだったなんてことがあると困るので一応開封することにした。
別に中身を見たぐらいじゃどうということもないと判断したからだ。
ダイレクトメールの内容は以下のようなものだった。
『おめでとうございます。あなたは見事主人公に選ばれました。就きましては講座の受講及びそれに関連する契約書の記入をしていただくことになります。詳しいことは追って連絡いたします。』
もはや意味不明である。詐欺や架空請求なのかすら判然としない。仮に詐欺だったとしたらこんなバカな方法で騙せると思っている犯人に腹さえ立ってくる。
とりあえずこのダイレクトメールのシュレッダー行は確定したのだが、一つ気になることもある。
『追って連絡いたします』ということは、またこんな手紙が送られてくるということではないか。
軽イラつきながらもダイレクトメールをシュレッダーに投入した。