第2話 母との食事
どうも、木綿希です。前話に引き続きこの作品を読み始めていただきありがとうございます。では、この作品をお楽しみください。
そもそも俺って今どういう立場なんだ?今パッと思いつくのは三つ。一つ目は大学生の身分のままというシチュエーション。二つ目が全くの他人として誕生したシチュエーション。。三つ目が過去に戻ったというシチュエーション。いずれも元々女の子だったというシチュエーションと女の子に突然なったというシチュエーションに分岐する。とまぁこんなところか……。
まぁここの部屋に見覚えがあるから十中八九三つ目のシチュエーションだとは思う。違ったところでこれ以上の判断材料はないからとりあえず三つ目であると仮定しようか。考えたって仕方のないことは後回しにするに限るからな。
分岐の内の前者なら俺の演技次第でどうとでもなる可能性がある。けど後者なら?徐々に落ち着いてきた今、自分が俺こと佐々木 碧だと母さんに気付いてもらえるのだろうかと不安になっていた……。
もし仮に後者でなおかつ母さんに気付いてもらえなかったら俺、この家から追い出されるんじゃないか?冷静に考えて今の俺は息子の部屋にいる謎の女の子だし……。しかもいるはずの息子がいないんだ。事件性しかないじゃないか。
大学生の頃ならなんの問題も……警察に突き出されたら終わってたか。今は今で警察行きは免れるかもしれないけどまだ未成熟なこの身体じゃこの部屋を追い出されたら一人で生きていくことなんて……。施設に入れれば希望はある……か……。
でもそんな結末は絶対に認めない!だけど今の俺に母さんを信じさせることなんてできるのか?子供特有のよくある妄想だと思われて軽くあしらわれるのがせいぜいじゃないか?
いや、ぐずぐずしていたって何も始まらない。どうせ遅かれ早かれ確実にバレるんだ。自分から言って説明した方が多少マシだ。それにまだ後者だって確定したわけじゃない。普通にこの世界での俺が女の子の可能性だだて大いにある。変に渋る方が怪しまれるだろうな……。よし、今から言いにいこう。
「よし、行くか!」
"ガチャッ"
秘技!寝たフリ!
「zzZZ……『早く布団から出なさい。ご飯出来てるわよ』」
「は、は〜い」
何も言われない?俺が女の子であることに違和感を感じていない。つまりここでは女の子として産まれたってこと!やった!後者だった!確率二分の一に勝った!母さんも若いし俺が女の子として存在する世界線の過去って仮説で間違いなさそうだね。まぁとりあえず今は母さんも待ってることだしさっさとご飯を食べに行くか。
「『いただきま〜す!』」
やっぱり母さんの料理は美味しいなぁ、最近は時間がなくてコンビニ弁当しか食べてなかったから温かいご飯を食べるのも久しぶりだなぁ。別に俺がずぼらなわけじゃなくて一人暮らしの大学生なんてみんなそんなもんであったと俺の名誉のためにここに付け足しておく。
一昔前ほどコンビニの惣菜って身体に悪くないし、むしろ栄養バランスも結構考えられてるし、コンビニの弁当もこれはこれで美味しいんだけど誰かに作ってもらった温かいご飯に勝るものはないよね。
「母さん、すごく美味しいよ。」
『良かった。』
ご飯を食べ終えた俺は時間が戻ってることに気付いてからずっと気になっていた今が何年なのかを調べることにした。
今は2024年か〜ということは今の俺は4歳ということになるのか……。小学校に入るまで十分に時間があるしいろんなことに挑戦して頭が柔らかいうちに知識と技術を詰め込めるだけ詰め込んでしまおう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。毎日投稿出来るよう出来るだけ頑張ります。この作品をこれからもよろしくお願いします。