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第二話 神も人も同じ?ッ…んな訳あるかぁッ!!

前回までのあらすじ


俺の名前は山田優斗。平凡な25歳を迎えたアラサーリーマンになる。はずだった…。赤信号なのに飛び出していった子犬をトラックからかばって死んでしまった。目が覚めると、そこには広大な緑の大地が広がっており、青く澄み渡った空に自然溢れる環境下.....なんて浮かれていると、ツノの生えた熊に襲われる。間一髪のところでクロノスという時の神に助けてもらってこの世界のことを少し教わり、それからこうなった経緯を思い出し、涙した。そんな俺を励ましてくれ、いい神様…かと思って話を聞いているとどうやら俺は、この野郎の自称愛犬をかばって死んでしまったらしい。それなのに申し訳なさそうな顔一つ見せないこいつに腹が立ち、頭突きを食らわせてやった。……腹が立ったからとはいえ、一応神に頭突きは流石にやり過ぎたか…まぁ、怒りに我を忘れていたということで大目に見てもらうとするか.....。


――クロノスの頭に強い衝撃が加わり、思わず後ろにしりもちをついた――

「ッッッ!!アイタタタァ…。なっ、何をするのだッ、あァッ…。…一応私、神であり命の恩人だよッ!!しかも今!泣いてた君を励ましてあげたじゃないかッ!そんなダブル恩人にこんなこと…。」

「うるせぇ、神だろうがゴミだろうが知らねぇよクソ飼い主。だいたいテメェが飼い犬のリード離したせいで俺死んでんだわぁ、蘇らせてもらうくらい当然のことだと思うしわざわざ恩着せがましいムーブかましてんじゃねぇ後さっきのは涙じゃねぇし目にゴミが入っただけだしぶっ飛ばされてぇのかあぁ!?」

「正論と理不尽の混合文章(ミックスメッセージ)!!っそりゃ、私だって悪気がなかったわけじゃないいんだよ!だからこうして異世界に転s…グッ!?」

「なんでその詫びが異世界転生になるんだよッ!どうせなら現世で転生させろよッ、人生やり直させろッ!!つうか、テメェ時の神なら時止めて助けにはいったり、時を巻き戻して何もなかったようにできなかったのかよッ!」――そう叫びながらしりもちをついているクロノスに蹴りを入れ続けた――

「イィッ、イタイイタイッ!そ…んなっ、かん…ったん…にぃっ!い…わんで…くれッ!ッタイタイッ…」




――蹴りを入れ続けて数分後――

「ゼーーッハーーッ、ゼーーッハーーッ…さぁ、流石にィ…つか…疲れたな.....ハァッ、ハァッ」

――山田は息を切らしていた――

「ッ…や…やっと終わった.....」

――こっちも疲れていた――

「…んで、なんの話だっけ?そうだ!なんで異世界なんかで転生させたんだよっ!どうせなら現世に転生させr…」

――山田が言い終わる前にクロノスが立ち上がり顔を近づけ――

「あのなぁッ!黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがってからに!!神様にだって出来ることと出来ないことくらいあるの、神様は万能じゃないのッ!それに向こうに新しい命として生まれ変わるには少なくとも、100年から1000年くらいは経ってないと無理なんだよ、そういう規則なのッ!」

「そういう規則って…なぁ、あんた神なんだろ?どうにか融通きかせらんねぇのかよぉ?」

「そ、そりゃあ、ど…どうにかしたかったさ。今回のことはその…多少…どころか…ほとんど、わっ…私のせいで起きてしまった事故みたいなものなのだから。」

その辺の認識はちゃんとしてるんだな。

「ただ、この手のことは管轄外だから死報転共(しほうてんきょう)局っていう専門の機関に頼みにいったんだよ。そしたら…」




――山田の死から一時間後、死報転共局にて――

「できません。そういう規則ですから。異世界への転生手続きでしたら、あちらの窓口でお願いします。」

「いやぁ、そこをなんとか…ねっ。そんな何回もやってくれって言ってる訳じゃないんだからさぁ。ねっ。一回だけ。一回だけだから。一回くらい例外だってあってもいいじゃない。」

「あなたほどの有名な神の例外を一度でも認めようものなら規則を重んじる我々、死報転共局として他のものや神々への示しがつきませんので。お引き取り願います。」

「そこをなんとか…」

()()()()は、当方だけでは対処しきれない案件です。つきましては、()()()()()にも同席していただいた上で判断を仰ぎm…」

「呼ばなくていいからッ!帰りますッ!帰りますからッ!お手数おかけしましたッ!!」

――現在、クロノスの固有空間にて――

「ということで追い返されるしさぁ、これがいわゆる門前払いってヤツなのかね?」

いや、絶対違うだろ。この男がどこまで話してお願いしに行ったのかは知らんし、この男の話がどこまで本当なのかも知らんけれども、もし本当だとしたらその担当者は門前払いどころか話を聞いた上で、神様の理不尽な願いより、世界の秩序と組織のメンツを優先したデキる職員じゃないか。まぁ、知らなかったとはいえその理不尽な願いを通しに行った神と同じようなことを願っていた俺も人のこと言える立場ではないか。

「とにかく、そんな訳で君の要望は聞き入れられない。こればかりはどうにもくつがえらない。…しかし、しっか~~っしッ!!そこはこの私、時の神クロノスッ!!()()()()()()()()()()()()の方はば~~っちり、叶えておいたよ。」

「それ以外の願い?」俺、それ以外になんか願ってたっけ?

「ほぉら、()()だよ、()()()っ!まさか忘れてしまったのかい!?まぁ、直接見てもらえればわかるか…」

そういうと、空間に紫の魔法陣が現れ、時の神はそこに手を突っ込み、なにかを取り出してきた。あれは…手鏡?

「さぁ、見てごらん。これが君の願った結果だ。」

俺が願った結果って、一体何をしt…ッッ!!!???


俺は驚きのあまり言葉を失った。


その鏡に映ったのは…映っていたのは…




向こうの現世で生きていた時の俺の顔だった……。

次回更新は5月6日を予定しております

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