5.女王様、家庭教師にふっかける。
「可愛いプリンセスだな!よろしく頼むぞ!」
「…よろしく頼みますわ」
今私の目の前にいる、茶髪のポニーテールでお母様に
似た目をしているこいつは、私の家庭教師として
呼ばれたらしい。
正直、かなり怪しいと思っている。
こいつ、お父様とお母様に会ったとき、失礼だとは考えないのかめっちゃジロジロ見ていたのだ。
だというのに、こいつ一人が私の家庭教師なのだ。
要するに、礼儀作法や魔術、護身術なんかは、
全てこいつに教わるのである。何か怖いな。
「まずは簡単なテストから、だよな!」
「ええ、そうですわね」
「自信、あるよな?」
「もちろんですわよ」
簡単なテストなら、私は満点をとれる自信がある。
何故か?ここには国一番の図書館があるし、魔術に関しても、実は全属性こっそり検証しまくって、法則は
とっくに見つけているのだ!転生万歳だな!
「なら、こっちのテストにしてみようか!」
「…何か違うんですの?」
「そうだな、それがアストラム魔術学校なら…
こっちのテストはマーキュリア魔術大学、かな」
アストラム魔術学校は、まあ、小学校レベル。
マーキュリア魔術大学は、堂々の東大レベルだ。
要するに、私はテストなどしたことがないので、私が
学んできたことが東大レベルに通用するか分からない。
というか中間くらいのを出してくれ…
「プリンセス、自信があるんじゃないのか?」
「二つめのテストでお願いしますわ」
半笑いでかましやがったため、口が動いてしまった。
まあ、通用すると思う。してくれ。
「か、簡単でしたわ」
「やっぱりか!私の見込み通りだったな!お前、学校
行きたいか?」
「…微妙ですわね。どちらでも」
学校編は平均してぐだる気がしないでもないが、正直
どちらでも良いのだ!
「学校はな、行った方が良いぞ」
まあ、分からないわけじゃない。交友関係がどうのってことだろう。
「特にマーキュリアには、面白いものがいっぱいだぞ!ダンジョンに行けたり、神剣に触れたりな」
「し、神剣!?ダンジョン!?」
「私は、行かなかった。それで後悔した。行っておけ」
…こいついよいよ何で選ばれたんだろうか。
学校行ってないなら余計分からなくなったが…
「明日は魔術もテストするぞ!これは明日までだ」
ドッサリ置かれた宿題の山を見て、本当にこいつ何なんだと思った私であった…
学校編は長くならないようにダイジェストにするかも