15.成宮 桜
「異世界転生してから、ずーっと私何も出来てない、ですよね?!」
家庭教師は真顔で答えた。
「……出来てないかは人によるんじゃないか」
「そうですね」
サクラは私の方を見て語った。
「みなさんに挨拶はしたけど、結局魔王とか勇者とかみんないまいち説明してくれないし!私何すればいいの?」
私はちょっと怪訝な顔で言った。
「魔法を学べば良いのでは」
「リリーちゃん何でそんなに魔法を学ばせたがるの!?」
チッ、もうダメか。
「私考えたんだけどね、魔王も勇者も今はいないのかなって!」
こいつ頭は良いのか。
正解だ、魔王は今いない。
お抱えの預言者が、魔王がこれから顕れると預言して
死んでしまったから、聖女を喚び出したのだ。
教会が、だが。
それはそれとして…
「リリーちゃんと呼ぶのやめていただけません?」
「何でぇ?可愛いじゃん!」
「あのね、私一応将来の王様候補であって…」
家庭教師が話を遮る。
「まぁいいじゃないか。ならばナルミヤも一緒に学ぶといい。コイツだって1人じゃ寂しいだろう」
「はぁ!?寂しいと私がいつ言った……!!」
「顔で分かるぞ、リリーちゃん」
「おい、お前まで」
「んふ…っ」
「サクラ・ナルミヤ、シバかれたいか」
「ええ、なんでぇ!?」
「お前友達少なそうだから良かったな」
「何がだ。あと友達はいるからな」
「ナルミヤ、仲良くしてやってくれ」
「は、はいッ…!!」
「話聞けよ」




