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58.体育祭の開始前

先日より連載開始しました私の最新作、「滅亡寸前ギリギリの世界に転生し、魔法少女をやってます! ~ちなみに恋愛対象は女性で百合ハーレムを築きます!~」の方もご一読していただければありがたいです。

(禍津 明視点)


あれから日は過ぎ、5月下旬……


あっという間に体育祭当日になっちまった。


「ハァ……光華とアヤノに例の件を言えてねぇのはどうしたもんか……」


俺はとにかく悩んでいた。


何せ、俺は未だに金世と銀砂から性的に襲われた事を光華とアヤノに言えてなかったからだ。


そして、そんな俺の姿を見て怪しむ者が誰ひとり居ない訳もなく……


「明、何か考え事してる?」


「あ、アヤノ!?」


「うわっ!?……え、ボク相手にその反応は驚き過ぎじゃない?」


「そ、そんな事はねぇぞ?」


俺はよりにもよってアヤノから怪しまれるも、何とか誤魔化す事に成功した……よな?


自信はないが、誤魔化せている事を祈ろう。


とはいえまぁ、恋人相手に隠し事をするのは思ったよりキツいな……


「あ、そう?……それにしても明、やっぱり体操服姿も格好良いね~」


「そういうアヤノも可愛いぞ?」


「ふふっ……でも、今日は可愛いところだけじゃなくて格好良いところも見せてあげるからね!」


「おう、期待してるからな?」


相変わらず、アヤノは可愛い見た目に反してストイックだ。


だが、それがまた別の良さを醸し出して……


「あ、向こうで皆が集まってるよ。……どうも、他学年の生徒や応援に来た家族との会話の時間を設けてるっぽいね」


「アヤノも家族が来てるのか?」


「あ~、ボクの家族もまぁ来てるけど……明にはまだ会わせたくないかな……いや、複雑な家庭事情って訳でもないけど、心の準備が……」


「……ああ、分かった」


アヤノ、何もそこまで真剣にならなくても……


まあ、そういうところも可愛いが。


「そういう明の方は?……ボクと違って、明はその辺あんまり気にしなさそうだし……」


「いや~、俺だって流石に気にするぞ。……俺達の親はお袋だけなんだが、これがまた強烈で……」


最近、思いがけないタイミングでお袋の本業を知っちまったが……普段の様子だけだとそうは見えねぇんだよな……


と、その時だった。


皆が体育祭開始まで家族との自由時間を過ごしている開けた場所に、見覚えのある人物が見えた。


そして、その人物が口を開き……


「ニャニャ!そこに居るのは明だニャ~!」


ータッタッタッ!……ガシッ!


「うおっ!?……お袋、頼むから離れてくれ!」


……物凄い勢いで抱き付いて来た。


なお、この"見覚えのある人物"とは俺達のお袋である。


「えっと、明?……ボクの耳が正常なら、今その人をお袋って呼ばなかった?」


ん?


アヤノが困惑してるな……


やっぱり高校生の子供に抱き付いて来る母親はマズいって……


「アヤノの耳は正常だ。……この人はこれでも俺達の母親でだな……」


「いや若過ぎない!?……ボクの親でも、もう少し老けてるよ!?」


あ、若さの方か。


まあ、そうか……


うん、お袋って見た目が若々しいを越えて10代後半から20代前半に見えるもんな……


「ニャニャニャ~♪……ま、そこはミャ~の異能が影響してるニャ~♪」


「そ、そうなんだ……ボクとしては怖いから、これ以上は聞きたくないかな……」


「その方が良いと思うぞ?……ぶっちゃけ、俺ですらお袋が何歳なのか知らねぇし……」


「……うん、余計に聞きたくなくなったよ」


この前、お袋の過去の一部と本業を知って少なくとも100歳は越えてるのが確定したんだが……


下手すりゃ武士の時代から生きてる可能性すらあるんだよな……


「ニャニャ?」


「……それはそうとお袋、いい加減離れてくれ」


「え~、可愛い息子にハグしてニャにが悪いんだニャ~?」


「俺が恥ずかしいんだよ!」


意外かもしれねぇが、お袋は超が付く程の子煩悩(親バカ)だ。


昔から仕事で家を離れがちな分、子供である俺達への愛情が爆発してるのは分かってるんだが……


「ニャ~ニャニャニャ~♪」


「ハァ……ほんと、鬱陶しいな……」


「ニャニャニャ!?……も、もしかして明も遂に反抗期ニャ!?」


「そういうところだぞ!」


お袋、本業から考えるに頭は良い筈なんだが……


いやまあ、俺達の前じゃこんなんだから政府関係の仕事だなんて夢にも思わなかったんだが。


「ニャニャ……ま、冗談はこれぐらいにして」


「やっぱり冗談か……」


「も~、明も乗って欲しかったニャ~♪……で、そこに居る君は誰ニャ?」


「あ、はい!……ボクはその……明とお付き合いさせていただいている、アヤノという者です!」


「へぇ~、可愛い子だニャ~♪」


あ、これお袋勘違いしてそうだな……


「ちなみに、ボクの性別は男です!」


「ニャ!?」


あ、言っちまった。


後、アヤノも畏まる必要はないんだが……


「あ、やっぱりボクの性別知ったら驚きます?」


「ニャニャニャ……ラヴィの奴から明が男も恋人にしたって聞いてたとはいえ……予想の何倍もおんニャの子みたいだニャ~……」


「……え、今ラヴィ校長を呼び捨てにした?……ほんとにこの人は何者なの?」


あ~、余計に話がややこしくなりそうだ。


こりゃ、俺がどうにかしなきゃなぁ……


と、俺がどうにかして2人の仲を取り持とうとしたその瞬間だった。


「だ~か~ら~、"戦艦男子(・・・・)"の良さは多種多様なイケメンとの疑似恋愛を楽しむ事にあるんでござる!」


「異議ありなのです!……"戦艦男子"の良さは戦艦と人間の融合が奏でるハーモニーにあるのです!」


少し離れた場所から、激しく言い争う声が聞こえて来たのだ。


加えて、片方の声は滅茶苦茶聞き覚えがあった。


「影華、何やってんだ……」


「えっと……まだボクの耳が正常なら、あの2人は"戦艦男子"で言い争ってるみたいだよ?」


「"戦艦男子"って何だ?」


「えっとね……ボクの記憶が正しければ、最近人気の戦艦擬人化ソシャゲだった筈。……もっとも、擬人化とは言っても全員見事にイケメンしか居ないんだけどね?」


……何処の世界にも、そういう擬人化ゲームってあるもんだな……


んで、その"戦艦男子"でイケメン要素を重要視している人と兵器馬鹿の影華がかち合っちまったと……


ハァ……


どうしてそうなった!


「影華、いい加減にしてください!……このままではお兄様にまで迷惑が……」


「本江はん、流石に言い過ぎやと思うわ~」


……あ、どうも言い争ってる2人にはそれぞれ止めようとしてる人が付いてるみたいだな。


影華は言わずもがな光華で、もう片方の人は関西弁らしき言葉を喋る糸目の……って、何かあの人をどっかで見た気が……


まあ、とにかく下手に突っつくのは得策じゃないのだけは分かる。


「「ぐぬぬぬぬ……ふん!」」


ープイッ!


あ、2人とも言い争いに嫌気が差して対話を終了させやがった。


解決したなら良いが、そうじゃないなら禍根が残るだけなんだよな……


「絶対に1年は真っ先に潰すでござる!」


「3年は覚悟しておくのです!」


「「ふん!」」


ースタスタスタ……


ほれ見た事か、禍根が残っちまった。


……ってか、あの人3年生かよ!?


「あ、お兄様!」


「あ~、兄さんに……うげっ、母さんまで居るのです!?」


「……光華は呼んでくれニャいし、影華は分かりやすく嫌がるし……ミャ~ってそんニャに嫌われてるのニャ?」


「普段の行いだな」


滅多に家に帰って来ない割に、帰って来たら帰って来たでウザ絡みして来る母親だぞ?


特にこの春まで俺が引きこもってた分、お袋による被害は光華と影華に集中してた訳で……


ま、諦めろとしか言えねぇな。


と、そんな事を考えていると……


「ふっふっふ……カミラエルさんと僕、どちらが優れているか白黒ハッキリさせようじゃないか」


「賛成ザマス。……ま、私の勝ちは決まってるザマスけどね?」


ーバチバチバチ……


秀光とカミラエルが、火花のイメージを散らしてこちらに歩いて来たのだ。


更に……


「お~い影華~!応援に来たアルよ~!」


「影華~!こ奴を招待したって本当なのじゃ!?」


何やら影華の名を呼ぶ中華風の女性と、同じく影華を探すラヴィ校長までやって来た。


……こりゃまた面倒臭い事になりそうだな……


そうして自分の問題が何も解決してない俺は、遠い目をしながらこの後起こるであろう面倒事に備えるのだった……

ご読了ありがとうございます。


滅茶苦茶カオスの予感。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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