43.エレジーと過ごす夜
ここで1度ストック放出は区切りますが、まだ別の自作には移りません。
しばらくしたら、また更新します。
(禍津 明視点)
あれから数分後、俺はエレジーさんによってヤリ部屋へと連れ込まれ……
「あへへ♥️……ではまず消毒して、包帯を巻いていくでございますよ~♥️」
「……ヤらねぇのか?」
……何故か、簡単な治療を受けていた。
「あへへ♥️……まあぶっちゃけ面倒でございますし、本音を言えば今すぐにでも傷口を舐め回したいでございますが……」
「絶対やるなよ!?」
「しないでございますよ~♥️。……傷口を直接舐めるのって、舐められた側が感染症にかかるリスクもある訳でございますし♥️……」
「……分かってるなら良い……」
一応、エレジーさんも俺の傷口を直接舐め回すつもりはねぇみてぇで安心した。
あれって創作じゃ度々見かけるが、実際は舐められた側も舐めた側も感染症にかかる恐れがある行為な訳だしな……
……ナチュラルにエレジーさん側は感染症にかからないって言ってた気もするが、吸血鬼なんでその程度じゃ今更驚かねぇよ。
「ただ、1度ガーゼに染み込ませた上で吸うのはOKでございますかね~♥️」
「……消毒前かつ、消毒用ガーゼじゃなきゃ良いと思うぞ?」
「では、遠慮なく♥️……」
「本当に躊躇しねぇんだな……」
ーポンポン……
「……くんくん♥️……これはとても良い血でございますね~♥️……ちゅぱちゅぱ♥️……」
エレジーさんはガーゼで俺の血を取ると、それを嗅いだ後に吸い始めた。
「頼むから、あんまり卑猥な風にしないでくれ……」
「え~♥️?……どうせこの後、ヤる事ヤるのにでございますか~♥️?」
「何か駄目な気がするんだよ!……何となく!」
俺も何故ここまで焦ってるのか分からねぇが、あんまり性的なのはよくねぇと思う。
「あへへ♥️……ったく、もっと吸いたかったんでござきますがね~♥️」
「血の付いたガーゼなんて、そんなに急がなくても吸えるだろ……」
「時間が経ったら血も乾いちゃうんでございますよ~♥️!」
「……なら、せめて静かに吸ってくれ……」
その後、エレジーさんはしばらく静かにガーゼに血を染み込ませては吸うを繰り返し、俺は血を取った後の部分に消毒液を付けて包帯で巻いていった。
と、そんなタイミングで……
「ふぅ……血を吸ったら、少しだけ落ち着きを取り戻せたでございます……」
「そうか……」
「ですので、少しだけ真面目な話を……」
「……お、おう……」
少しだけ落ち着きを取り戻したエレジーさんが、真面目な話を切り出して来たのだ。
「……恋人になるにあたって、この話はしておこうと思ったのでございます。……私はかつて、暗殺メイドをしていたのでございますが……」
「ああ、落ちこぼれで左遷されたとか……」
「……実は、私だけは左遷じゃないのでございます」
「……だろうな」
何となく、そんな気はしていた。
「……かつて、お嬢様が生まれた国で国王……お嬢様の父親が、病に倒れたのでございます……」
「うん」
「それで何を思ったのか、私の師である暗殺メイド部隊の長……レドメス様は、忌み子だったお嬢様が国王を呪っていると疑ったのでございまして……その証拠集めと弱点探しのために差し向けられたのが、私でございました……」
「……そうなんだな」
エレジーさんは淡々と、自分の過去を明かした。
「ただ、私はすぐにお嬢様が無関係であると判断し、そこからはお嬢様とチェスなんかで遊ぶ日々を過ごしたのでございます……」
「エレジーさん、当時からそんな感じだったんだな……」
「そして……」
そこから俺は、エレジーさんの過去を詳細に聞く事になった。
数年が経過した頃、国王が危篤に陥った事。
暗殺メイド部隊の長、レドメスとの衝突した事。
国王が死に、レドメスが発狂したところを殺した事。
そして……その数日後に起こった、カミラエルが覚醒するきっかけとなった襲撃の事。
「……という訳でございます」
「なるほどな……」
「……私の名、エレジーの意味は悲歌、哀歌、挽歌等がございます。……暗殺メイドの最高傑作として育て上げられた私にとっては、ピッタリな名でございますね……」
「それはアレか?……標的に捧げる最期の歌的な?」
「そうでございます。……もっとも、私は殺しの前にも後にも歌なんて歌った事は1度たりともございませんが……」
「……ま、まあそういう事もあるわな……」
名前に反して歌は歌わない、か……
いやまあ、それを言ったら俺だって別に明るい性格じゃねぇしな……
名前と実物が違うなんて、山程あるもんだ。
「……そんな私でも、レドメス様には本当の意味では勝てなかったのでございます。……レドメス様は初手で私の機動力を削ぎ、本気を出させなかったのでございますから……」
「そんなの結果論だろ?……それこそ、エレジーさんが初手から本気を出してりゃ……」
「明様は知らないとはいえ、今の私の本気は吸血鬼化あってのもの。……人間だった頃は、その負荷に肉体が耐えられなかったのでございます……」
「そ、そういう事か……」
エレジーさんはきっと、未だにレドメスに本当の意味で勝てなかったのを悩んでいるんだろう。
故に、こんな話を俺にしてるんだろうし……
「……だからこそ、"獄落姉妹"を受け入れようとしたのでございますがね……」
「ん?」
「あの銀砂という者、いくら私が本気ではなかったとはいえ私の心臓を1度貫いたのでございます。……これ程の相手、私でも今までに数える程しか戦っていなかったのでございます」
「だから、迎え入れると?」
「ええ。……それと皮肉にも、心臓を貫かれた時にレドメス様との戦いを思い出したのでございます。……そして実感したのでございます……銀砂の実力は、磨けばあの領域にだって届き得ると……」
……訂正。
レドメスとの戦いで、変な風に拗らせてやがる。
ってか、あの銀砂をレドメスと同じ領域に立たせて何がしてぇんだよ。
「へ、へぇ……」
「おっと、話が大きく逸れてしまったのでございます。……つまり何が言いたいかと言えば、私はこの長い人生で人を殺した事がございます」
「……らしいな」
「それでも私を受け入れるというならば、何も言わずに性的に出す物出して欲しいでございます」
「……言い方が最悪過ぎるだろ……」
ただし、言いてぇ事は分かる。
人殺し自体は気にしてねぇが、そんな自分を本当に受け入れるのかと……
なまじ恋人にすると決めた後に言って来る辺りタチが悪い気もするが、俺の決意は変わらねぇ。
「あへへ♥️……覚悟が決まったご様子で♥️」
「……エレジー、そっちも服を脱げ」
「勿論でございますよ♥️」
こうして俺とエレジーさんはお互い裸になり、熱い夜を堪能した。
……エレジーさんが俺に飽きねぇ事を祈るが、可能ならば俺は……死ぬまで恋人達と過ごしててぇな……
……………………
……………
……
…
そして、翌日の朝……
「zzz……zzz……むにゃむにゃ……お嬢様~、これは面倒でございますよ~」
「……寝言で喋る相手が、俺じゃなくてカミラエルってのは複雑だな……」
目覚めた俺は、横で爆睡してるエレジーさんの寝言を聞いて複雑な気分になっていた。
「むにゃむにゃ……明様でございますか~?……確かにあの人も友人としては好きな方でございますが、私としてはお嬢様の方が優先度高いに決まってるでございますよ~……zzz……zzz……」
「……ははっ、とんだ噛ませじゃなぇか……」
まさか俺がカミラエルに嫉妬する日が来ようとは……
……幸いにも、カミラエルの恋慕は影華にのみ向けられているとはいえ……
「zzz……zzz……」
「……絶対、本気で好きにさせてやるからな……」
俺は改めてそう決意すると、何事もなかったかの様にエレジーさんを起こすのだった……
ご読了ありがとうございます。
……という訳で3人目のヒロイン、エレジーでした。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




