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16.メイド達の猛攻

メイド達は、陽動目的なので基本的に舐めプしています。

(禍津 明視点)


メイド達との勝負が始まってしばらくして……


「【火炎操作ファイヤーコントロール】でございます!」


ーボォォォォォォ!


「受けて立ちます!……【魔術百科(マジックブック)】、【ファイヤーボール】!」


ーボッ!ボッ!ボッ!


火炎を操るオレンジ髪の熱血メイドに対し、光華は炎の玉を幾つも生成して相殺していた。


また……


「ひっ!……【氷脚(アイスレッグ)】でございます!」


「ふぅ……【聖騎士(パラディン)】、【悪殺の剣】さ!」


ースパッ!


「ひぃっ!?」


「僕の剣は、邪を斬れるのさ!」


脚部に氷の刃を生成していた水色髪のメイドは、優雅な動きで秀光に斬りかかるも返り討ちとして脚を切断されていた。


「あ~あ、アイシャは貧乏クジ引いちゃったでございますね~。……ま、面倒臭いけどやるだけでございますよ!……という訳で、【雷拳(サンダーパンチ)】でございます!」


「チッ!……【禍神招来(まがかみしょうらい)】、【闇爪(ダーククロー)】!」


ーバチバチバチィィィ!


拳に電気を纏わせた黄髪のメイドは、俺に殴りかかるも俺の抵抗で威力が相殺されていた。


基本的に、この3人がメイド達の中でも突出している司令塔ポジションっぽいな。


だが、他が弱いかと言えばそうでもない。


「皆、陽動頼むっす!」


「カァァァァァァ!」


「モォォォォォォ!」


「ブヒィィィィィ!」


「コケッコォォォォォ!」


「……【断糸(カッタースレッド)】でございます!」


ースパスパスパッ!


「ま、マジっすか!?」


写美が陽動役として写真から実体化させた烏、牛、豚、鶏を、物静かそうな黒髪メイドがバラバラに切断していた。


他にも……


「【毒液生成(ポイズン)】でございます!」


「【酸生成(アシッド)】でございます!」


「これは……堪忍やわ~」


紫髪のメイドと緑髪のメイドが、毒液と酸で白い長髪で糸目の和服生徒を攻め立てていた。


「【怪光(フラッシュ)】でございます!」


「ま、眩しいのじゃ!」


「うおっ!……って、この程度でオレを止められるかァ!」


ーブンッ!……ブワッ!


「チッ、霧化して逃げやがったかァ……」


まるでカメラのフラッシュの様な光を操る金髪メイドはラヴィ校長と武音子先生を相手取っていたが、最終的には霧化する事で何とか武音子先生の攻撃を避けていた。


他にも大音量の破壊音波を操る茶髪メイド、硬い宝石を生成して鎧にする瑠璃色髪メイド等が居たが、どう見ても生徒の方が数も多く有利だった。


とはいえ、どれだけ削っても勝てない相手な以上、最早戦い続けるしかない。


そうなった時、スタミナが先に尽きるのは……俺達の方だろう。


というか、多分相手のスタミナは尽きない。


「……本当に、やりにくい相手だな……」


「いやいや、こっちだって面倒臭いんでございますよ~?……それでも、お嬢様からやれって言われてるんで辞めないでございますが」


「お嬢様……確か、カミラエルって奴か?」


「そうでございますね~。……さっきが例外で、基本的に私達はお嬢様って呼んでるんでございますよ」


……クソッ!


こいつ等、俺に話しかける余裕まであるのか……


「ひひっ!……邪を斬るって割に、再生阻害はない様でございますね?」


ーブンッ!


「おっと!……吸血鬼と会ったのが初めてだから分からないけど……僕の力でも駄目かい……」


向こうを見ると、さっき秀光に脚部を切断された筈の水色髪のメイドが、何事もなく脚部を再生させて攻撃していた。


……どれだけ削っても再生する。


有限だと思いたいが、カミラエルが死なない限りは不死身だって事を考えると……無限再生可能だな。


「……ふっふっふ!……お嬢様の異能を舐めない方が良いでございますよ?……それにしても、向こうの奴がさっきから脳内に流し込んで来るノイズは厄介でございますね……」


「……何?」


こいつ等、アヤノの異能を邪魔に感じているのか?


まあ、俺だって脳内に直接騒音を流されたらイライラするが……


そう同情した直後だった。


「……ま、死なない程度に痛め付けるとするでございますか……」


ータッ!……タッタッタ!


「ハァ!?」


黄髪のメイドは後方で【完全魅了(パーフェクトチャーム)】を発動しているアヤノに狙いを定めたらしく、俺を軽々と飛び越えてアヤノに向かって走り出した。


いや、黄髪メイドだけじゃない。


「ひひっ!……私も行くでございます!」


「私も……」


「私も……」


「私も……」


水色髪のメイド、黒髪のメイド、茶髪のメイド、瑠璃色髪のメイドもまた、アヤノに狙いを定めたらしい。


その時、俺の脳内を占めたのは酷い焦燥感だった……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(萌ヶ原 彩ノ進視点)


「ボクに出来る事は、味方の結束と相手への妨害だけ……」


ボクは今、とんでもない無力感に襲われていた。


最早、乱戦となった戦いにおいて、ボクはあまりにも役に立てていない。


それでも、自分に出来る事をやっていた。


……そのつもりだった。


なのに……


「どうして、後方にこんなに……」


ボクめがけて、5人のメイドが走って来た。


思考は不思議と早く回るけど、体は動かない。


黄髪のメイドは、拳に電気を纏わせた。


水色髪のメイドは、脚部に氷の刃を生成した。


黒髪のメイドは、指先から長い糸を生成した。


茶髪のメイドは、大きく息を吸い込んだ。


瑠璃色髪のメイドは、全身に宝石の鎧を纏っていた。


……あれはもう、どうにもならない。


そう思っている内に、5人は各々の攻撃の射程範囲内にまでやって来た。


「……もう、駄目かな……」


死にはしないかもしれない。


でも、戦線離脱からの足を引っ張る可能性は充分ある。


……足手まといには……なりたくないのに……


そう思った瞬間だった。


「やらせるかぁぁぁぁぁ!」


ードゴォォォォォン!


メイド達とボクの間に、何かが降り立った。


その正体は……


「ハァ……ハァ……おい、黄髪メイド!……お前の相手は俺の筈だ!」


明だった。


「……明?」


ードクン……


……これは、多分恋のときめき……


吊り橋効果じゃなくて、寧ろ確信。


……やっぱり、明は良い男だよね。


でも……


「……どうも、メイド達にとってはアヤノのノイズが邪魔らしい。……この乱戦で後方に居るアヤノを落としに来たってところだろ!」


……明の足を見ると、かなり負担がかかる使い方をしたのか血だらけだった。


戦える人が軒並み前方に行ってたけど、そこから誰よりも早くここに来ようと思ったら……相当無理しないと駄目なのは一目瞭然だよね。


「明!……その足……」


「ハァ……ハァ……安心しろ、すぐに他の奴等が来てるから……」


明の言葉通り、すぐに秀光を含む戦える生徒がメイド達の背後まで迫って来て、5人のメイド達はそのままその生徒達との勝負にもつれ込んだ。


だから、ボクと明には余裕が出来た。


「……この足、大丈夫なの?」


「さあな。……でも、後悔はしてないぞ……」


「……ボクの事なんて、放っておいても良かったんだよ?」


「そうは言うが……」


あ~あ。


ボク、もう駄目だね……


「……ねえ、ちゃんと責任取ってよ?」


「いや、それは……考えさせてくれ」


「分かった。……でも、ボクは答えを出したよ」


「……そうか……」


明は、降り立った場所を動けずに居た。


だったら、今度はボクが守る番だよね。


「好きになった相手を守るためなら、人は何処までも強くなれる。……ボクの到達点、特等席で見せてあげるね?」


「あ、ああ……ハァ……ハァ……」


ボクは明よりも前に立って、思いっきりポーズを決める。


そして……


「はい、ちゅうも~く♥️!……全員、ボクの魅力に酔いしれて~♥️!……【狂った偶像崇拝(クレイジー・アイドル)】♥️!」


今から場を支配するのはボクだ。


だから明……


ボクの魅力に……屈しないでね♥️?

ご読了ありがとうございます。


アヤノの到達点……それは自分の魅力を最大限、相手の脳内に直接流し込……詳細は次回!


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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