朝の努力と初授業
朝日が街を照らす中一人の茶髪の少年がヘカルザー学園寮の庭で剣を振っていた。
数刻剣を振っていたのか額には、汗が滲み出ており息も乱れ肩を上下に揺らしていた。
しかし少年の日課なのか剣を降り止める気配は、一切なく降り続けていた。
この少年は、誰なのか?そう素振り大好きアルス君である。
アルスは、カイナが寝てるのを起こさないように部屋から出て朝日がでる前から素振りを始めていたのである。
しかしそんな訓練にも終わりは、必ずやって来るものである。朝食の時間を伝えるチャイムが寮に鳴り響いたのである。
その音を聞いたアルスは、剣の素振りをやめ持ってきたタオルを使い汗をふきながら部屋へ戻って行った。
部屋へ戻ってきたアルスは、軽く汗を水で流すと、カイナが起きていないことを知り起こしに向かった。
カイナが、寝てるベットに行くと顔をニヤニヤさせてとても幸せそうに寝息を立てて寝ている姿を見ると、一瞬起こすのに躊躇したのか出した手を引っ込めたアルス。しかし何かを決心したのか覚悟を決めた顔になり、手をカイナの両肩におき大声を出しながら揺らしはじめた。
「カイナ起きてよ!!朝だよ!!」
その行為を続けること数分、カイナは、いやいやと目を擦りながら上半身を起こし
「お、おはようだぜ 母ちゃん?」
何時ものように覇気は、なかった。
が少しづつ意識が覚醒し出したのか、先ほどの自分の発言に気がつき
「今のなしだぜ!!」
そう告げるとお風呂場へ走り出した。
カイナが風呂から出て準備を終えて朝食をとり終えると二人は、一緒に学園に向かった。
教室に着いた二人、教室では初授業が楽しみなのか他の生徒達は
ガヤガヤと楽しみに語り合っていた。
しかしその様なものたちばかりで無く主席の金髪の生徒や先生に質問をした赤髪の生徒などは、静かに席にすわっていた。
アルスとカイナは、他の生徒同様初授業の事を話していた。
話すこと数分学園にチャイムが鳴り響いた。
その瞬間教室の前の扉より綺麗な銀髪を輝かせ優雅に歩くルーザ先生が入ってきた。
先生は、教壇につくと生徒達を見渡し出席をとり出した。
出席をとり終えると、
「それでは、授業を始めます。初授業は、魔法基礎になります。皆さん校庭にでてください。」
そう告げると先生は、教室を出て行った。
それにつられる用に生徒達は、急いで教室を出始め校庭に向かって行った。
教室を出たカイナは、アルスに
「まさか魔法基礎の授業でいきなり外で授業なんてビックリだぜ!!」
少し興奮してるのか、早口で言い出した。
アルスは、困ったような顔をしながらも自分の思ったことを伝えだした。
「習うより慣れろってことなんじゃないかな」
そんな話をしていながらも二人の足は、校庭に向かっており気がつくと校庭に着いていた。
校庭の中央には、既にルーザ先生がおり生徒達はその正面に並んでいた。それに気がついた二人は、急いで生徒の列に紛れ込んだ。
それを見ていたのか、銀髪の髪を手で掻き分け溜め息を吐きながら
「時間は、有限です。次回からは急いで下さい。」
アルスとカイナは、自分達のことだとわかったのか冷や汗を流しながら気まずそうな顔をしていた。
そんな二人には、関係無く授業は進。
先生は、早速魔法の基礎を教えだした。
「良いですか皆さん。魔法には、段位があります。皆さんにはその段位の中で一番基礎の第一魔法を習っていきます。第一魔法は、空気中の魔力を体内に取り込み肉体を強化するものです。」
基礎中の基礎第一魔法の説明を始めた。
要約すると体内に取り込み肉体を強化又回復が速まったりするらしい。
しかし良いこと尽くめでは無く、取り込み過ぎると身体が拒否反応を起こす事を教え始めた。
どうやら、魔力を身体に取り込み馴染ませる事に集中して欲しいようだ。更に説明は、続いた。
「皆さんには、まずこの水晶を使って魔力の波動を感じてもらいます。」
先生の持ってるバックより三センチ程の小さな水晶を一つ取り出し生徒達に見せだした。
それを、見たものたちは我先へと先生に群がり出した。
毎年恒例なのか、呆れた顔をしながらも生徒一人一人に水晶を渡し
「それでは、皆さん水晶に意識を向けてください。」
カイナは、受け取った水晶を右手で握り絞めながら
「俺の伝説が今始まるぜ!!」
数分行うも誰一人魔力の波動を実感出来ないのか生徒達は、頭を傾げていた。それを見ておりこれも毎年恒例なのか先生は、
「短期は損気ですよ。気長にやって行きましょう」
魔力の波動を感じる訓練を始めること一時間、急に金髪の主席が声を出し
「感じる!?感じるぞ!!」
それを聞いた先生は、珍しい物を見るように
「珍しいですね。こんな短時間で波動を感じられるなんて。テキナ君それを肉体に取り込むイメージです。」
先生にアドバイスを貰ったものの、それが出来ないのかテキナの顔は強張っていった。
しかしそれ以降進歩も無く授業の終了を知らせるチャイムが鳴り響いた。
「それでは、皆さん教室に戻ってください」
水晶を生徒達から回収し授業を終わらせた先生は、その足で学園に歩いていった。