検査と会話プラス
アルスとカイナの二人は、無駄話を続けながら指定された教室へ向かう為に廊下を歩いていた。
カイナは、アルスに自信満々に学園のことを説明しだした。
「アルス知ってるか俺らの一学年上の先輩に勇者様の一族出の人がいるみたいだぜ!!」
そんな言葉を聞いたアルスは、ニヤニヤしながら口を開き
「ほぅ カイナ君は、勇者様ファンの僕にそんな事を言っちゃうわけだね」
おでこや身体から汗をだらだらだしながら苦し紛れにカイナは、
「確認だぜ 確認!!それに勇者様の子供が先輩にいるんだぜ!!伝説をこのめに出来るかも知れないと思うと興奮しちゃうぜ!!」
言葉の途中で汗は、引いており今度は幼い子供がお伽話を聞いた後のようないい笑顔になっていた。
「まぁ、カイナが興奮するのもわかるよ。何てったってあの魔王暗黒期を終わらせた勇者様の子供が身近にいるんだもんね。噂では、新なる聖剣をもう少しで解放出来るって話だし、それとスッゴいカッコ良くて優しくてお手本の勇者って呼ばれてる話し!!」
早口で説明をしだした自分の好きなことになると口が止まらなくなるアルスだった。
そんな彼に呆れながらも微笑ましい者を見るような目で
「アルスは、本当に勇者様が大好き何だな。」
そんな事を話してる内にに二人は、教室に着き黒板に座席順が貼ってあった。自分の席を探しだした二人は、席を見つけると座りまた話を続けだした。
「カイナ、席が隣通しだね。これからも宜しくね。」
馴染みの彼が近くにいて安心したのか笑みを浮かべていた。
そんな事をいわれた物だから笑みを浮かべ言葉を返しだした。
「俺の伝説を間近で見れるなんて運の良い奴だぜ!!」
そんな話を続け数十分気づけば教室にある三十席の席は、全て埋まっており皆が皆思い思いに話していた、それからあっという間にチャイムが鳴り響いた。
そしてチャイムの音が終わると教室の前のドアが開き銀髪の長身のスラッとした男性が、黒板の中央まで歩いていた。
その歩行は、貴族を思わせるように繊細で一種の技術の結晶なのではないかと思わせるようなものであった。
生徒の前にたった彼は、口を開き説明を始めた。
「皆さんの担任になったルーザと言います。これから三年間皆さん宜しくお願いします」
知的を思わせるような声質で彼は、言った。
その声は、消して大きくは無いが教室に響き渡りとても心地よいものであった。
女生徒達は、ルーザの整った顔から出た心地よい声を聞き身を震わせ今にも質問責めにしたいような感じであった。
しかしそれを許さない彼の雰囲気がそうさせて入るように思える。彼は、それがさも当然のように学園の説明を始めだした。
「今日の予定ですが先ずは、魔法適性検査と必須科目と選択授業の説明をします。その次は、必須科目の教科書を配ります。」
その言葉を、聞いた生徒達全員は思い思いに浮かれはじめた。
そうこの世界では、14才で学園に入るまで自分の魔法適性は調べない決まりになっているのである。
これは、力の使い方を間違えないように勇者が提案したものである。
学園の説明の後は、魔法適性の説明が始まった。
「皆さんもご存知だと思いますが一応説明させて頂きます。魔法とは、大気中の魔力を身体に吸収して馴染ませるのを第一次魔法と言います。それから属性変化を起こし排出を第二次魔法です。その先もありますが、皆さんには、第一第二魔法の勉強をこの三年で習います。」
一旦間をおき生徒全員を見渡しながら流れるように続けて説明を行う
「それでは、次は魔力の属性変化の種類を説明します。属性は、大きく分けて四つあります火 水 風 土これらのうち皆さんが持っている属性を調べます。」
その時、ある一人の女生徒が長い赤い髪をなびかせた立ち上がり先生に向かって質問をなげかけ
「先生質問ですが、もっている属性は一つだけなんですか?」
他の生徒も同様の疑問をもっているのか皆の目が先生に集まっていた。
毎年恒例なのか溜め息を吐きながらも
「属性を複数もつものが大半だ。ただ変換出来るのは一種類のみ、これは複数ある属性が混じって出ます。これの属性の割合は、魔法を使って自分の判断で掴んでいきます。今日調べるのは、皆さんの一番割合が多い属性を調べます。また、検査には、この水晶を使用します。」
右手には、まん丸の15センチ程の水晶が乗っていた。
それから生徒一人一人呼び主属性の検査が始まった。
「次は、サリナ君きなさい」
検査も中盤になった時先程の質問をした赤髪の女生徒が呼ばれた。赤髪の女生徒は、席から立ち上がりゆっくりと歩行し先生の前に向かって行った。
先生の前につくと彼女は、右手を水晶に乗せた。途端に水晶の中は赤く染まりだした。
「君の主属性は、火みたいですね。では、席に戻って下さい。」
嬉しいのか笑顔で席に戻って行った。彼女が席につくとまた次の生徒を呼び今度は、
「カイナ君、きなさい」
呼ばれた彼は、口角を上げ隣の席のアルスに小声で、
「伝説の幕開けだぜ!!」
今にも、飛んでしまいそうなそんなスキップをし教室の前に向かった。彼を見れば誰もが決まってこう言うだろう。嬉しいんだな、それが丸わかりであった。
先生の前に立つと彼も右手を水晶の上におき
「さぁー!!こい!!」
水晶の中は、茶色であった。
「土属性ですね。」
結果を告げると、その結果が不満なのか先程までニヤニヤしていた顔は、まるで財布落とした子供のように落ち込んでいた。
席に戻る彼の足取りは、とても重くまるでこの世の終わりを悟った人のようだった。
そんな彼が席につくとまた他の生徒が呼ばれ数人検査を行うと
「最後は、アルス君きなさい」
緊張しているのか、カチンコチンになりなりながらも席を立ちカクカクと動作一つ一つが固くしながらも前に向かって歩いていた。前につくと他の人同様に、右手を水晶に乗せ反応をまった。
すると水晶は、緑色に輝きだした。
「君は、風属性のようですね」
結果聞くとまた、同じようにカチンコチンな動きで席に戻って行った。そんな彼が席につくと先生は、生徒全員にを見渡しながら
「次は、授業の説明をします。」
そう告げたのである。