第一章学園入学前夜期待に胸を膨らませ!
始まりは、この世界の大陸中央に有る国カルザーバス王国にある、食事処テルサー食堂。
その食堂の店主の義理の息子アルスの物語である。
「アルス!!、何処にいるアルス!!」
男の怒鳴り声が響く中食堂の二階に有る一室で、椅子に座り窓の外の月を見上げボーッとする少年アルス、彼は自分を呼んでいる声に気づかず呆然としていた。
ドカドカと階段を力強く踏み抜く音が部屋に近づいていても、少年アルスは、月を見続けていた。
大きな足音が部屋の前で止まり勢いよく扉は、開かれ短髪の髭面の大男がアルスを見ながら呆れた顔と声で。
「アルス、お前えまたボーッと空を眺めてたのか」
大男、アルスの義理の父親であるカシムが呆れながら言い放った。
そんな事を言われたアルスは、短い茶色い前髪を髪を託しあげながら大男カシムのことを不思議な目で見つめ口を開いた。
「あれ?叔父さんいつの間に部屋にきたの?」
そんな事を、ここ最近言われ慣れたカシムは、十センチは、ある顎髭を右手で撫でながら
「アルス、いくら学園に入学が決まって嬉しいのはわかるが決まってからそんな調子で学園でやっていけるのか」
カシムの不安が口に出ていた。
そう少年アルス十四歳は、高位な魔法使いや騎士を排出するカルザーバス王国一番の学園に合格したのである。
しかし合格が決まってからアルスは、暇なときはずっとボーッとしていたのである。
「まぁいい、アルスとりあえず下に来て皿洗いをしてくれ」
カシムは、溜め息を吐きながらも何時も通りのお願いをした。
そしてその言葉の後には、アルスの事を思いながら
「その後は、何時も通り庭で素振りをしてくれて良いから」
アルスは、剣の素振り食堂の手伝いをする時以外は、こうして部屋でボーッとしているのである。
何故ならば、カシムが素振り禁止令をだすまでは食堂の手伝い以外は、素振りしかしてなかったのである。
この提案は、嬉しいのかアルスは顔を笑顔にして楽しみなのが丸わかりであった。
嬉しさのあまり口を大きく開けて大声で
「叔父さん速く皿洗い終わらせようよ!!」
と言いながら部屋を飛び出した。
そんな少年に、呆れながら
「現金な奴」
と満面の笑みで言うも後には静けさだけが残った
カルザーバス王国、人達が住む大きな大陸の中央に有る国。
ヘカルザー学園、魔法や剣術、礼儀などいろいろな科目がある学園である。授業は選択制であり必須科目以外は、自由である。