目次 次へ 1/12 プロローグ タイトルバナーは暮伊豆さんから頂きました。 静寂の中、強い風にバサバサとマントがはためく音だけが、やたらと大きく聞こえる。 そのマントをまとった騎士は、おもむろに私の前に跪き、甘やかにきらめく瞳で私を見上げた。そして、深く柔らかい声で 「姫」 と、私を呼んだのだ。 その声は、耳障りな風の音の中でも、まっすぐ射抜くように私の心まで届いた。 私はこくんと息をのむと、風の音より耳障りになった自分の心臓の音を無視する。 そして私は、騎士の目をまっすぐにのぞき込み、返事をするため口を開いた……。