【雑談】 設定小話 【地図画像有】
小説を書いているくせに説明下手な作者の補足回だす。
百聞一見に如かずだネ!(物書きが言ってはいけない気が)
まあ、読んでも読まなくても問題ありません。
おまけなので短いです。
やってみたくなって画像を入れてみたけど、いろいろ面倒な人は注意デスヨ!
「おっすオラ、アトル!絶対見てくれよなっ!」
言った傍からの矛盾・・・そんな背徳感を感じる。何故だろうか。
「・・・若?なにを言ってるんですか?何を見るんですか?なんで上を向いてるんですか?」
クリュネが不思議そうな顔でこちらを見ている。なんと純粋な目と疑問であろうか。
「何も言うな」
純粋なモノでも、斬って捨てる覚悟がいるのだ。だって世界は残酷だから。
さてさて、現在俺とクリュネは、アザレアの目抜き通り“アリアバラ通り”に面する菓子店“グリングリン”の喫茶スペース・・・なんて言ったかな?オープンテラスだったかな。そこに座っている。
こんなところに座って、紅茶とケーキを嗜みつつ、何をしているのかと言えば・・・普通にお茶しているだけなのである。
今朝はここの向かいにある冒険者ギルドで剣術訓練のコーチを頼まれていたのだ。現時間3時までみっちり冒険者共を叩きあげてやった。リーノルトとウリトンも一緒に連れてきてハフンハフン言わせてやった。しばらく起きれまい。今もまだギルドの訓練場で寝っ転がってるだろう。
契約時間も終わり、俺はちと遅いティータイム。
疲れた心と体を、グリングリンの美味しい甘味と、ふくよかでかぐわしい紅茶で癒す。実に至福の時間ではないか。
季節のフルーツのタルトを一口食べると、パルムやロローロの芳醇な甘みが口に広がり、ささやかな酸味を秘伝のカスタードクリームがまろやかにやさしく包み込み広がる。
「シェフをよべ!」
「え?・・・あのウェイトレスさーん!」
「ま、まて、本当に呼ぶ奴があるかっ」
「ええー」
クリュネ・・怖ろしい子だよ。
クリュネが指折り数えて計った紅茶で喉を潤す。
「王都の“フニフラーラ”のフルーツサンドも美味かったが、なんのなんの負けてないな」
実にレベルが高い。
「若は王都に行った事あるんですよね?」クリュネが聞いてきた。
「ああ、あるよ」
「どんなとこ・・なんですか?」
「どんなとこ・・・か・・・」
ハースウェン大陸で最も栄えた魔都。
世界の富を詰め込んだ楽園。
最も忌むべき力が集う奈落。
王様と貴族がキャッキャウフフしてるとこ。
うん。
「まあ、楽しいけど、ろくなもんじゃないな」
「キャッキャウフフしてるんですか?」
「してるな」
「うー」
しかしまあ。
「クリュネはラインレッドから出たことないのか?」
「アイルゼンとミルヴェレーヴェなら行ったことあります」
「めっさ、近場じゃねぇか」
隣の領だよ。
この世界には義務教育が無い。
アザレア領民は一般的常識としてどの程度まで知ってるんだろうな。
「クリュネはこの大陸の名前知ってるか?」
「いくらなんでも知ってますよ!ハウスベン大陸ですよね!」
「ハースウェンだ」
「ハーすうぇん。うんそうそう。知ってました」
「なるほど」
知ってたか。
「若はさっき本屋さんで何を買ったんですか?」
「ん?何って・・」
隣の椅子に置いていたカバンから一枚の紙を取り出して机の上に広げた。
これは・・
大陸概要図だな。
地図と言ってしまうには精度が足りない。
なんでも飛空艇から下を見て描いただけだそうだ。測量もくそもねぇ。
それでも、国名、地域名は書き込まれているのでそれなりには役に立つ。
以前使ってたやつは、長年の使用に耐えきれずボロボロになってしまったので新しい奴を買ってみた。
「この辺が首都だな」
「これ・・池ですか?湖ですか?海ですか?」
首都の上にあるシャイロック湾を指して聞いてくる。
「名称上は海だな。海水だし」
この大陸に何が起こってこんな地形になったのか、さっぱりわからん。
とりあえずパンゲアみたいなことはなさそうだが。
大陸に深く入り込んでいる三つの海は、西からリンドルム湾、シャイロック湾、グロンデル湾と名付けられている。以前、現地に言った時、漁師たちは湾と言わず海と言っていた。違いは一体なんなんだろうか。
「わかわか、ラインレッドは?ラインレッドは?」
アルザント王国の左下の隅っこのさらに隅っこを指さす。
「ここ」
「ち・・ちっさくてみえません・・・」
「ちっさいんだよ」
「ちっさいんですねぇ」
しんみり。
カバンからラインレッド地図を出す。こっちは前から持ってるやつだ。
「これがラインレッドだな」
「あ、アザレアって書いてある。あ、ある、る、べ、ん。アルルベン!」
生産階級の識字率はラインレッドも他の領に漏れずなかなか低いようだ。
およそ文字を使う場が無いのが問題なんだろう。
それに比べて冒険者の識字率は高い。必要性があるからだろう。
ウチの団は・・・班長らはみんな読めるし書ける。バウロに至っては博識ともいえるくらい学がある。ザイケンは自分の名前だけだ。
「クリュネ、お前ドドのオヤジから習ってないのか?」
「・・・」
目をそらしやがった。
「覚えられる環境があるんだから覚えろ。文字は便利だぞ」
「勉強・・キライです」
「俺が王都に行っても、お前には手紙は書けんな。読めないしな」
「!!うぅー」
「うぅーじゃありません!学ぶことを疎かにする子はウチの子じゃありませんっ!」
俺の後ろには今、教育ママのスタンドがでている。ママ・ザ・スタディー。ナナメに立っているはず。
「・・・がんばります」
「よろしい」
そういって、冷めた紅茶を注いでやった。ついでに頭も撫でてやる。俺はアメとムチを使い分ける男アトル。褒めて伸ばすのだ。
その日から、俺がクリュネに読み書きを教えてやることになった。
なんでかちょっと嬉しそうだ。
ドドのオヤジがすごい邪魔だけど。
あっちいけ。
小話(完)
余禄
クロワト周辺
落書き
最期のは小説書く前に、頭の中のキャラを立たせるために描いたイメージ画像です。
別にこの通りにイメージする必要はありません。
読んでくれている皆さんのイメージ通りに読んでくれればいいと思います。
どうしても絵はyear・・絵はイヤという人がいると聞いたことがありますので、まあ苦情があれば除ければいいかなぁ、と。
イメージは千差万別、自由です。ハイホー。