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傭兵の為に鐘は鳴る  作者: すいきょう
第一章 或る転生者のお仕事
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プロローグ 森の中で

もりのなかはたのしい。


あしがいっぱいあるへんなものがあるいている。


はねがいっぱいあるものがとんでいる。


おいしいきのみがおちている。


たまにもじゃもじゃしたものがころがっている。


もじゃもじゃしてないものもころがっている。


いきているものがいる。


しんでいるものがある。


うごけるものがくっている。


うごけないものがくわれている。


つちのにおい。


くさのにおい。


きのにおい。


みずのおと。


かぜのおと。


そらにあるまぶしいもの。


よるにみえるあかるいもの。


たのしい。


おいしい。


―――彼は、大変機嫌よく、森の中を歩いていた。


ははのもとはあたたかいここちよい。


きょうだいたちにまみれてねるのもいい。


ははのけづくろいはさいこうである。


きょうだいたちとあそぶのもよい。


あかいひらひらをみつけた。


おいかけたらもりにいた。


あかいひらひらおいかける。


ここどこ?


あかいきのみみつけた。


あおいきのこみつけた。



おおきなきとおおきなきのあいだ


へんないきものはっけん。


まっしろい。


ながいあしがいっぱい。


へんないきもの。


いっぱい。


いっぱい。



―――



「見つかったか?」

「・・・いや、こっちにはいない」

「谷もダメか・・くそっ・・・・マズいな・・・」


森の中に大勢の人影がせわしなく動いていた。

みな一様に黒い外套を羽織っているので、人影だけが動いているように見える。


「一体、何処に行ったんだ・・・」


四方八方に捜索の手を伸ばすが、未だ見つからない。最後に確認されたのは二日前。

そこに一人の人影が、大慌てで走ってきた。


「おいっ・・・!今っ、オンデルに向かった組から連絡があったっ!」

「見つかったのかっ!?」


周りの人影達が一斉に注目する。


「いや・・見つかってはいない、が・・・」


周囲に落胆はない。この場で言う情報だ、手掛かり以上のものがあるのだろう。

大急ぎで来たので息も絶え絶えの影、一つ息を整えると、


「・・・森の中に、争った跡があったらしい」


「争った跡?」


まさか・・・


「・・・ああ、―――の死骸が大量にあったそうだ」


・・・もう来たのか。


―――が。


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