エピローグ 03月編
-----IT2015−03−31−06:00-----
ぱちり。
私は何時も通りの時間に目を覚ます。
店にある大きな古時計が、06時を告げる音をならした。
ぼーん、ぼーん、ぼーん、ぼーん、ぼーん、ぼーん。
私は、それを聞きながら庭に出る。
まだ、太陽は上がりきっていないが、大分明るくなってきている。
しゅこっしゅこっしゅこっ
じゃーーーーー
私はポンプを漕ぎ、井戸から水を汲み出す。
もう04月もすぐそこだと言うのに、井戸の水はとても冷たい。
「ん〜冷たっ」
その水で顔を洗い、桶に汲んだ水を台所へと運ぶ。
「今日の朝ごはんは、何にしようかしら?」
私は、台所の床にある、室の扉を開ける。
「んー卵があるから・・・パンと目玉焼きかしら?」
(ぴきぴきぴき)
っと氷の精霊が、卵を一つ取り出す。
「あら、ありがとう。」
私は卵を受け取り、「つまみ食いは程ほどにね?」と言って室を閉じる。
次は台所に立ち、火の精霊にお願いしフライパンを火にかける。
程良い熱さになった所で、卵を落とし、水を少量・・・蓋をする。
その間に、パンを手ごろな大きさに切って、野菜を添え皿にのせる。
その頃には、目玉焼きは半熟に仕上がっていた。
目玉焼きをパンに乗せ、室から出したミルクをコップに注ぐ。
「朝ごはん完成♪」
「うんっ美味しい。」
朝ごはんを食べ終え、片づけを済ますと仕事着に着替える。
「ポーションにハイポーション・・・マナポーションは・・・っと」
在庫の確認もOK♪
その頃には時計の針は、08時を指している。
それでは、本日も営業開始♪♪
私の名前は、フレイア。
みんなは親しみを込めて、『フレイ』と呼んでくれます。
ここ・・・アースの田舎街の片隅で、母から受け継いだ魔法の道具屋を営んでいます。
いらっしゃいませ。『フレイ魔法道具店』へようこそ。
-----IT2015−03−31−16:30-----
一週間程前のリッチ騒動の後、私の店にはもの凄〜〜〜い勢いでお客様が押し寄せた。
あの時に配ったポーションやマナポーションが効果が高いと話題を呼び、さらには希少品のエクスポーションやエリクサーも販売していると宣伝になった為・・・みたい。
でも結局は・・・
・・・一週間たったら閑古鳥。
その理由は簡単だ。
売る物が無いんだもん。
店の在庫全てを放出して、ポーション等の作成が間に合わなかったのだ。
だって、私一人だよ!?見かねて、香奈さん達がお店を手伝ってくれたんだけど・・・
今はちょこっとだけど、在庫も出来てきた。
武器の魔力付加だって・・・私が魔力を使い果たしていなければ出来たんだけど・・・
うん。
大繁盛なんて、しなくても良いのかも知れない。
お得意さんの皆が来てくれて、たまーに魔力付加とか依頼が来て・・・
この母から受け継いだ『フレイ魔法道具店』がひっそりとでも、やっていければそれで十分。
「フレイちゃん居る?」
「フレイ居るか?」
ほら、今日も常連さん達は来てくれる。
「今日こそ、この間の魔法の秘密を教えて貰うわよ?」
「も、もう、火憐ちゃんってば・・・」
ふふふ。今日も賑やかだ。
「いらっしゃいませ。『フレイ魔法道具店』へようこそ。」
-----IT2015−03−31−11:45-----
「ふう。」
今日で03月も終わりね。
私は日課である日記をつける。
「今日もお客さんは少なかった。」
「少しだけど、在庫が出来た。香奈さん達がまた来てくれたっと。」
今日の出来事を書く。うん、何時も通りだ。
何時も通りな日常を過ごせるのはきっと幸せな事だ。
明日からは04月ね。『桜』は綺麗に咲いているかしら?
あの山の上にあった『桜』は?
・・・あれ?『桜』??山の上の『桜』ってなんだっけ??
香奈さん達に聞いたんだっけ?
うん、今度来た時に聞いてみよう。
「ふぁ・・・」
今日は何時もよりも遅い。
もうすぐ日付も変わりそうね。
私は日記を閉じるとベットに潜り込む。
おやすみなさい。
--------------------------
ども、herminaです。
さんざん放置した挙句に・・・03月編完結と。
ラストのエピローグだけ書いていなかったと言うね・・・どうもすみません。
一応、間を置きまして、04月編がスタートする予定ではあります。
04月編は『桜』が鍵となります。
まあ、序盤は相変わらずのやまなしおちなしでしょうが。
取り敢えずは、『霧島華音』の第2部と新作を一本予定してますので、それが落ち着いてから・・・だと思います。
ココまで読んでいただいてありがとうございました。




