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新世界大戦  作者: ロンメル
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第三章つかの間の平和

第三章

つかの間の平和


1947年8月東京

四年前の

アメリカの軍人は二十万名まで

新兵器の開発禁止

戦艦2、正規空母2、軽空母2、重巡3、軽巡5駆逐艦10、潜水艦0以上の海軍戦力の保持は禁止。

空軍は創設不可

ハワイ及びフィリピンの独立認可及びアラスカのソ連への譲渡、アリューシャン列島の放棄

日独ソ三カ国のうちいずれかの承認を得ない他国との同盟禁止

の六ヶ条を中心としたアメリカとの講話によって平和をてにした大東亜同盟は内政面での改革を目指した。計画に上がったのは道路の整備、鉄道網の整備、空港を各所に設置し物流の活発化、同盟内の共通通貨たる円の普及、重工業の発展、税率の調整、テレビと車の普及やそれにあわせた放送局の設立でありこれを担当するのが新運輸省大臣小倉康臣と大蔵大臣池田勇人のコンビである。更に同盟放送局という公立テレビ局を設定した。道路網はウラジオストクを出発点としそこから新京、北京、ソウルへ新京からウランバートルへソウルから釜山へ北京から南京を経由して上海、香港へ行き香港からクアラルンプールとヤンゴンへヤンゴンからデリーへと行きデリーからカルカッタとムンバイまでという道のりが計画された。鉄道網もほぼこの道と同じように大東亜線という幹線鉄道が走り各都市で細かく鉄道を走らせるといったものだった。このため軍の工兵部隊も召集、工事に回された。勿論これらは来るべきソ連との決戦に備えた軍事面の増強でもあり、

又、軍事では新たに空軍と海兵隊、沿岸警備隊を創設した。沿岸警備隊は満13才から志きる志願制で海兵隊予備軍の性格があった。海兵隊は独立した航空兵力をもつ太平洋の島々の取り合いとなった時のための組織であった。空軍は陸軍航空隊と海軍航空隊との合併で作られた。又、同盟国共通の情報局、亜細亜特別情報局(ASI)が諜報、防諜を一手に担う組織として設立、各国警察も同盟警察として合併、同盟の共通語を日本語と英語にするなどの措置がとられた。軍事改革もすすんだ。講和間近にソ連軍が実戦投入したIS2戦車を参考に44口径128㎜対戦車砲を搭載した重戦車と77口径88㎜対戦車砲を主砲とした中戦車、オーストラリアの6ポンド砲(57㎜砲)搭載の軽戦車の製作を命じた。重戦車は日本にとって不馴れだったのでまず回転砲塔なしの突撃砲が作られ、採用されたのちにドイツと共同で試作する予定だった。更にオーストラリアの長い海岸線、満州やモンゴルの草原での戦闘を考慮して装甲偵察車の八輪で17ポンド砲(77㎜砲)を搭載したものの製作を重ねて命じた。ドイツも次の仮想敵国はソ連と考え戦闘終結後にはチェンバレン首相のイギリス、ビシー政権のフランス、メタクサス首相のギリシャなどに独立を回復させヨーロッパ同盟(EA)

を設立した。これに加盟した国はドイツ、オーストリア、イギリス、フィンランド、フランス、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ベルギー、トルコ、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、オランダ、トルコ、

イタリア、エジプト、ルクセンブルクの十八カ国だった。ソ連はこれに対抗し翌月モスクワ条約機構を設立した。ポーランド、チェコスロバキア、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、ユーゴスラビア、イラン、バルト三国の十二か国で調印した。モスクワ条約機構以下MTOを仮想敵国においた同盟はインダス川東岸に沿った要塞線と満州からモンゴルへ繋がるソ連との国境線の要塞建設を開始した。航空攻撃を受けることを考え地下陣地を蜘蛛の巣のように張り巡らし前線部には塹壕、発電所や大規模食糧庫、主要陣地は電気トロッコで結び無線や有線電話等で意志疎通、更に平時の士気向上や戦時の戦意高揚のためにラジオ等もつけられた。べトン、鉄骨なども豊富に使って作られたこの要塞には満州線で五〇万人、インダス線で六〇万人の兵員を収容した。88㎜対戦車砲を搭載した七式中戦車(EA名ウルフ)を採用し生産を開始した。

七式中戦車

全長7、8m

全幅3、5m

全高2、7m

重量38トン

懸架方式クリスティー式

速度四十キロ毎時

主砲77口径88㎜戦車砲

副武装二式汎用機関銃、M

2ブローニング各1

装甲最大90㎜

乗員5名

又、七式装甲偵察車も生産が始まった。

七式装甲偵察車

全長 7m

全幅 2.33 m

全高 2.38 m

重量 11.74 t

乗員数 4

装甲 5.5〜30 mm

主砲17ポンド砲

副武装二式汎用機関銃

そしてM3ハーフトラックを参考にそれに左右に装甲板をはり天蓋をつけた。左右の装甲板にはそれぞれ3つ、後方の観音開きの扉に1つ銃眼が開けられていたほか運転席と兵員席は仕切られていなかった。これを六式歩兵戦闘車甲とし、左右の装甲板と天蓋を取り払い20㎜連装機関砲を取り付けた乙型、乙型の機関砲のかわりに30連装ロケットを装備した丙型、17ポンド砲を装備した対戦車自走砲の丁型の四種が作られた。20㎜機関砲はドイツのマウザーMG213だった。これは新たに対空機銃、航空機銃として同盟五軍全てで使用されることになった。歩兵の小銃もStG45が使われた。これは三八式狙撃銃の6、5㎜弾と共通で他に12・7㎜弾と9㎜弾が同盟で採用された。

そして部隊の規模も同盟で統一された。

分隊→八名 軍曹

小隊→四十名 少尉

中隊→百二十名 大尉

大隊→四百名 少佐

連隊→千二百名 大佐

旅団→六千名 准将

師団→一万八千名 少将

そして複数個師団で軍で中将、複数個軍で軍団で大将、複数個軍団で軍集団で上級大将、複数個軍集団で方面軍で元帥となりこれらは定員が決まっていない。

そして女性軍人戦争終結後から募りはじめて主に後方勤務だが実際に狙撃手やパイロット、空母などの大型艦乗組員、など前線にでる役職のものも増えてきている。海軍と空軍は去年初飛行した戦闘機を採用する気でいるため空母に十度のアングルトデッキを取り付ける工事に入ったほか海軍は三年前三〇ー三〇艦隊計画と去年大海計画を発表した。前者はすでに持っている十二隻の戦艦と九隻の正規空母をそれぞれ三十隻まで増加される内容で戦艦は全艦新設計の薩摩級、空母は二代目蒼龍級のみの建造だった。

薩摩級戦艦


性能諸元

満載:51,420トン

最大速 力 :29.75ノット

航続距 離 12ノット/6,660海里

乗員 1,590名

兵装 四〇cm(42口径)連装砲4基

一〇cm(六五口径)単装対空砲十二基

二〇粍機関砲四連装十六基、単装十四基


蒼龍級空母

満載41000トン

最大速力32ノット

航続距離15ノット5000海里

乗員2800人

兵装航空機94機、十センチ連装対空砲四基、同単装四基20㎜四連装機銃八基同単装四十六基、カタパルト四基、エレベーター三基


そして後者はレーダーと組み合わせた射撃管制装置やソナーとレーダー、最新のロケット弾や魚雷の急速な発展により新型の駆逐艦が大戦時の小型軽巡と互角にわたり合えるようになったため、1943年以前に就役した巡洋艦、駆逐艦のほとんどを退役させ、新型の神無月級汎用駆逐艦、石狩級軽巡洋艦、赤城級重巡洋艦、

伊四二〇級潜水艦が就役した。

神無月級駆逐艦

満載3700㌧

最大速力38ノット

航続距離20ノット4500海里

乗員292名

兵装十㎝両用単装砲五基20㎜四連装機銃四基、同連装二基、単装八基、ヘッジホッグ一基、魚雷発射管三連装一基対艦ロケット発射管連装一基


石狩級軽巡洋艦

満載14000㌧

最大速力35、5ノット

航続距離17ノット10000海里

兵員1335 人

兵装15㎝三連装砲三基、10

糎両用砲連装六基、20㎜

機銃連装14基、単装四基魚雷発射管三連装一基、ヘッジホッグ一基対艦ロケット発射管連装一基


赤城級重巡洋艦

満載18000㌧

最大速力33ノット

航続距離15ノット10000海里

兵員2000名

兵装20糎三連装3基、10糎連装6基、20㎜四連装12

基、同連装10基、単装4基、ヘッジホッグ一基、魚雷発射管四連装一基

対艦ロケット発射管連装一基


伊四二〇級潜水艦

満載2700㌧

最大速力水上20ノット

水中15ノット

兵員82名

兵装魚雷発射管六門


となり同盟各国は更に哨戒艇も開発した。

同盟型哨戒艇

満載850㌧

最大速力25、5ノット

航続距離15ノット5000海里

兵装10糎単装一基20㎜機銃連装三基、ヘッジホッグ一基魚雷発射管連装一基、

対艦ロケット発射管単装一基


更に艦載機も新しく採用予定のジェット戦闘機と六式艦上爆撃機彗星、一九試対潜哨戒機、二〇試回転翼機と二〇試偵察機、七式艦上攻撃機深山だったがジェット戦闘機の開発前は六式艦上戦闘機で対応していた。


六式艦上戦闘機

最高速度712キロ毎時

航続距離2652キロ

武装二十ミリ機関砲四門

爆装五〇〇キロ爆弾1か5inロケット弾8


六式艦上爆撃機

最高速度520キロ毎時

航続距離4800キロ

武装二十ミリ機関砲二門

爆装

胴体下部1㌧爆弾1

翼面下部1㌧爆弾2、ロケット弾、爆弾パイロン各12


七式艦上攻撃機

最高速度515キロ毎時

航続距離3200キロ

武装二十ミリ機関砲一門

爆装魚雷1かロケット弾24か1㌧爆弾2


だった。六式艦上爆撃機は空軍と共有の期待だった。

そして陸軍は更にドイツの武装親衛隊に倣って近衛隊を陸軍の指揮下に創設させた。精鋭部隊と名高い近衛隊は三個軍団で成り立っており隊員は全員階級の前に近衛の二文字が付き給与も1,1倍でしかも国籍は問わず各中隊長からの推薦とその推薦者内での試験で合格したものでかつ日本語が話せるものが近衛隊の選抜基準だった。近衛隊の隊員は全員は桜の首賞が支給された。初代近衛隊隊長は朝香宮鳩彦王上級大将が就任した。このようにして戦後新たに改革を行った大東亜同盟に再び戦争の影が忍び寄ってきた。

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