番外編5 護衛騎士、告白未遂
その日、護衛騎士は決意した。
あの花びらの日に胸に秘めた何かを、今日なら言葉に紡げる気がしたのだ。
その罪、その信仰、その誓い。
運命の朝だ。小さな窓から朝日が差し込む。私室には最低限の調度品。夜番の騎士が置いた水で顔を洗い、彼はついに口を開く。
「決めた。聖女様に告白する」
しかしそこは通路であったので、当然修道女は聞いていた。
修道女「…解釈違いです!節度がありません!!」
騎士「節度は守る。聖女様にご負担をかけないように…」
修道女「あああああ」
聖女「どした?何かあったか?」
騎士「!?」
修道女「(!フンッ)何でもありません」
騎士「おはようございます、聖女様。わざわざこちらまで顔を出されなくても」
聖女「いや、なんか大声がしたから」
修道女
聖女「何もないならいいけどさ」
騎士「…あの、聖女様!今日はお話が…」
修道女「!?」
聖女「話?あーあれだろ。儀式のやつな。今度こそちゃんと覚えたから安心しろって」
騎士「…あの、そうではなく」
修道女「お目覚めでしたら、身支度を済ませてしまいましょう!聖女様!」
騎士「…」
〜
馬(今日も運ぶ)
騎士(馬車の中…二人きり…これは好機!)
騎士「あの!」
馬(!?)
ガタッガタガタガタッ!!
聖女「おぉ、今日はすげー揺れるな!」
騎士「…はい」
〜
聖女「あー、今日も無事に終わったな!」
騎士「はい」
聖女「じゃ、帰るか!」
騎士「あの、聖女様!あの日のことですが…!」
聖女「ん?どの日だよ」
騎士「…」
騎士「…いえ」
聖女「なんか、今日体調悪いのか?歯切れが悪いぞ。ボゥッとしとくな」ボゥッ
騎士「……ありがとうございます」
かくして彼の呪いは強化された。だが、そんなことは問題ではない。幸せな地獄の中で、今日も彼は生きる。
それが、聖女の騎士だ。
修道女「告白!せんのんかい!!いや、解釈一致だけども!!!」机バンバン




