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第2話 聖女(男)、着飾る
「聖女様!よくぞお越しくださいました」
「聖女?違うだろ。男だぞ」
「(無視)」
「こちらにお召し替えください!」
純白のドレス。
「いや無理だろ!男だし、どう見てもサイズ合わねぇだろ!」
「ご安心ください!紐で調節するタイプです」
着た。スウェットの上から。
紐がだらんと垂れている。
「おお…なんて慎ましい」
「さすが聖女様だ」
「いや聖女じゃないし、男だし」
「ご謙遜なさらなくても、聖女様。水晶玉が光った。それがすべてを証明しております」
「てか聖女ってなんだよ」
「聖女様!その力で我らをお救いください」
「だからそんな力ないんだって」
なんか光った。
ついでに花も生えた。
「…今のは?」
「またまた」
「お部屋にご案内しますね!聖女様!」
その身は慎ましく、何をも不要とする輝きに包まれていた
ーー聖読本第一集




