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第13話 聖女(男)、急ぐ
ボゥッを終え、皆それぞれの家へと戻っていった。
後は城へ帰るだけだ。
「ん…?今日って定例謁見の日じゃね?」
王を待たせるのはマジヤバい。
ボゥッ!
力むと光る。
馬車が急発進した。
御者の叫び声はあっという間に遠ざかり、どこかに消えた。
「…え、間に合わなくね?」
「走ります」
突然抱え上げれる。
視界にはイケメンの顎。
「うおっ!」
ボフッ
騎士が発光した。
ぶれない体幹、過ぎ去る景色。
全てをなぎ倒さんばかりに光が道を切り拓く。
城門前で、ピタリと騎士は止まった。
後ろは花まみれである。
騎士は城内を歩き、謁見室へと向かう。
いや、下ろせや。
ざわめく衛兵。
悲鳴を上げる修道女。
吹き荒れる花びら。
さながら凱旋であった。
「で、どう?最近」
「変わらないです」
「ヨシ!」
何とか間に合った。
馬は普通に厩舎に帰ってきた。




