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第12話 聖女(男)、慰問する
もはや落ち着きすら感じるどピンク。
紐のなくなった服は着替えが早い。
それにも関わらず、相変わらず騎士は目を伏せている。
ただし。
「…近くね?」
「お気になさらず」
修道女の鼻息が荒い。風邪だろうか。
今日は騎士団の慰問というやつだ。
つまり、訓練で疲れている奴らにボゥッってする。
「男ばかりでむさ苦しい所ですが」
「俺も男だけどな?」
「(無視)」
騎士団はビシリと整列し、人口密度が異常に高い。左から順にやれということだろうか。
とりあえず、端のやつからボゥッする。
騎士が真横に立って手元を凝視している。
「…近くね?」
「お気になさらず」
修道女は目を見開いて何かを書き付けている。
筋肉渋滞は、なかなか解消しなかった。
決して触れられぬ。
だが誰より近い。
内に秘めた熱情が瞳に灯る。
まだ聖女は知らない。
ーー聖読本第三集別冊




