表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】義姉の身代わりで恐怖の公爵に嫁いだ娘が男前すぎる~身代わり娘の英雄譚~  作者: りったん
第一章 超ハイスペックイケメン女子(超鈍感) VS 恐れられる美貌の公爵(ただし常識人)、ファイッ!!
13/40

11話 身代わりに来た娘が最高すぎる 前編

 ヘルムントがドレスや羽でギリギリ言っているころ、ロトランダ領ではリカルダが正式な騎士になっていた。類まれな才能を目の当たりにしたホフドンが暴走したためだ。

「あの才能!! あの剛腕!!そしてアイドル級の美貌!!ただの見習いで終わらせるには惜しい逸材です。どうか騎士として磨かせやって下さいませ!!!」

「アイドル級の美貌と騎士がどう関係あるのかわからんが、お前の熱意に免じて許可しよう」

 特に断る理由も追いつかず、エレディンは承諾した。どうせロトランダ城から離れた場所であるし自分に関係ない。そう軽く考えていたのだが現実は甘くない。唐辛子のように激辛だった。



「公爵様!! ラバドー地方でモンスターの暴走が起こりました!!」

「至急、騎士団を向かわせろ! 住民の避難を怠るな!!」

 エレディンが命令を下す。ここまでは今まで通りだ。

 しかし、そこからが違った。

 また一人、補佐官が駆け込んで来るのだ。

「続報でございます!! リカルダ騎士が一人で食い止め、住民を保護しました。被害はパニックになってずっこけた鶏一羽です」


 エレディンは何とも言えない顔になった。人的被害がないのは喜ばしい。しかし、素直に喜べない自分がいる。

「おかしいだろ……!!報告を受けてすぐあとに鎮圧ってどう考えても人間業じゃないだろ……!!」

 エレディンは理解不能な状況に頭を抱える。


「あ、それはですね。リカルダ殿の騎馬がドラゴンだからですよ。しかも早さと強さを兼ね添えるスピナレイ・ドラゴン!! 東大陸ではその偉大さから神龍と呼ばれるドラゴンでございます!!」

 補佐官が答える。


「B級モンスターはまだしもS級モンスターがなんで馬になり下がるんだ!!!ドラゴンの矜持はないのか!!!!!!!」

 エレディンはダンダンと拳で机を叩いた。公爵家の机としてセレブ生活を謳歌していたはずだが、最近は太鼓なみにダンダン叩かれている。机に自我があったらジョブチェンジしていたかもしれない。


「ドラゴンと言っても動物ですから強い奴になびくのではないでしょうか」

「モンスターは動物じゃないだろ!!!!!!人間を嫌い、蹂躙しまくる邪悪なものどもだろうが!!!」

「ところがですね、等級がどうだろうが生物学上では動物なのですよ。昔は分かれていたそうですが爬虫類が濃い魔素で進化したものというのが最近の論調ですね」

 雑学知識は嫌いではないがこんなときに仕入れたくなかった。


 エレディンは補佐官を追い出しぐったりと項垂れた。

 病的に白かった肌は健康的に、目の下のクマはなくなっている。リカルダに翻弄されている今の方が健康になっているなあと執事モーリスは思うのである。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
塩で間に合わず唐辛子ィーー! パニックで転ぶ鶏(親近感)! 転職したい机ーーー! オラ腹筋がヤベェですーー!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ