肉!食わずにはいられない!
「もうちょっとで上がりだから待っててよ」
そ、それってアフターってやつっすか!?
なんつって。真面目な話っぽいので真面目に付き合おう。
店の中でぼけっと待ってるのも迷惑なので、さっき食ったソーゼージを20本包んでもらって持ち帰れるようにしてくれと頼んだ。ちょっと考えがあってな。
お茶を5杯飲んで腹がポチャポチャになった頃にウィトレスの姉ちゃんが隣に座った。
「待たせてごめんね、いっぱい注文もしてくれて助かったよ」
「欲しかったからいいんですけど、それでお姉さんの知り合いの奴隷ってどういうことですか?」
「あぁ私はアリサだよ、友達が冒険者してたんだけど依頼に失敗したとかで借金背負っちゃってね。それで奴隷に売られたのさ。まぁよくある話だよ。まだ5日ほどしか経ってないから売れたってことは無いと思うんだ」
ふーん、本当によくある話だ。金が無いのは首が無いのと同じ、世知辛い世の中よのう。
「俺はポールっす。元冒険者ならいいかも。でも何で俺に勧めるんですか?」
「ポールは冒険者で上手く行ってるんだよね?娼館に買われたり変態親父に買われるよりはいいかなって思ってさ」
なるほどね、確かに俺を御主人様とするのは幸せに違いない。
でも俺やりたいことがあるんだよね。ボロボロの獣人の女の子を安値で買い取って治療してご飯食べさせて、「食べていいの?」「いいんじゃよ」ってやりたいんだよ。分かるだろ?それで俺に心酔して、お風呂に入れて綺麗な服を着せたら美人になってて、戦ったら強くて賢くて、そんでそんで……。
「いい子だよ、頼むよ会ってやってくれ」
「任せて下さい!」
まぁ綺麗な姉ちゃんに頼まれたらしか無いよね。
「ところで相場っていくら位かわかります?」
「詳しいことは知らないけど金貨を使う取引とは聞いたことがあるよ」
だめじゃん。
「それじゃ明日待ってるからね!」
奴隷商館には明日昼飯の後に行くことになった。金は足りないが約束しちゃったしとりあえず様子見だな。適当に誤魔化せばいいや。
そっちばかり気にしても仕方ないので家に帰ってせっせと【光】の珠を作る事にした。
必殺スターライトシュートは青珠1つで10発撃てる。30個もあればとりあえず安心だ。
腰袋に詰めているがこれじゃ使いにくいんだよな。タクティカルベストやモジュラーベルトの様な大量に小物が入る物が買いたい。
今のところ重視しているのは【光】と【癒】くらいだが、【石】もまだまだ利用価値がありそうだし、必要に応じて色々な種類がすぐに使えるようにしておきたい。
金を作るアテならある。【熱】を埋め込んだボロ布を手にとるとニンマリと笑ってしまった。
温かい。何もしていないのに人肌程度に温かい布。やはり文珠は生産系の方が使いやすいかもな、これを売れば一気に大金持ちだぜ!
そして金策と言えばもう一つがこれ。ソーセージだ。
何のために買ってきたか?勿論文珠を作るために決まってる。
「肉だ、お前は肉だろ?肉を出せ」
ころりと転がる【肉】の珠。黒珠3つの代わりにソーセージは灰になって消えた。
よしよし、ここまでは予想通り。
「しっかり焼いた燻製ソーセージだ、熱くて肉汁の滴るやつだぞ『にく』」
3つ合成した文珠は形を変え、ソーセージに変化した。
だが熱々ではないな。香りも弱いしかなり小さくなっている。変換ロスが大きいのかな?まぁとりあえずはこれで充分だ。
全てのソーセージを【肉】に変換した。色々作ってみよう。
「唐揚げだ!『にく』!」
現れる唐揚げ!即座に噛み締めた!
「うみゃ~~!」
今生初の唐揚げだ!テンションブチ上がる脂の香り!香ばしい醤油!サクサクの衣!たまらねぇぜ!
他にも色々出してみた。ハンバーグが出たのは感動だったね。
唐揚げやソーセージもそうだが、肉だけでは材料が足りないのに思った通りのものに変換できた。ハンバークなどの複雑で他の要素が必要な物ほど小さくなる。文珠3個から作ったソーセージを再び文珠に戻したら黒1つしか出なかった。
小さくなっているのは足りないパーツを何かで補っているのかもしれない。試しに生肉を出すと一番大きいものが出せた。
最後の実験に【肉】を10個合成して灰珠を作る。もったいねぇなぁ。
「黒毛和牛A5の雌、京都牛のリブロース、ガッツリにんにくのウェルダンだ!『にく』!」
ドジュウ!!
現れる肉!熱い!凄まじい香り!エクセレンツ!!
やはり上位の文珠は大きさだけじゃなく全体のクオリティが上がる。気がついたらナポ・・・からのモニュ・・・モグ・・・してしまっていた。一口サイズだったしね。
これは一見沢山のソーセージが小さい上等のステーキになっただけに見えるかもしれないが、【肉】の文珠を経由しているのが重要だ。つまり魔物の肉でも【肉】に変換してしまえば美味い肉に変えられるって事になる。
こいつは金になるぜぇ!俺の未来には希望しかないぜ!
美味い肉で腹は満腹!夢と希望で頭はトリップ!温かいボロ布に包まってお休みなさぁい! ぐぅぅ。
朝。
「なんでボロ布くんしんでしもたん?」
何でも上手くいくわけじゃないようだ。
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