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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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修一編2

修一の私邸



夜、ミラの部屋を訪れる。


「修一さん、どうしたんですか?」


「ミラちゃん、悩んでるみたいだったから、頭がスッキリするの、掛けてあげようか。」


「悩んでるのバレてました?ははは。折角なので、お願いします。」


「うん。じゃぁ、ベッドに横になって?」


「はい。」


ミラは素直にベッドに寝転ぶ。


「目を瞑って、悩んでる事を思い浮かべて。ミラちゃんはその悩みから解放されたいと思ってる。良いんだよ。君は悪くない。忘れて良いんだ。」


その優しい声がスーッと体に染み込む。


「ケイゴ先輩はね、君じゃなくても良いんだよ。だってモテモテだろ?君よりも歳が近くてもっとグッと大人の女性が好きなんだ。でも、君は恩人のお孫さんだ。恩義で付き合っていただけなんだ。それは、ミラちゃんも感じてただろ?辛かったね。でも、もうその辛さから解き放たれよう。僕は君を愛してるよ。だから僕を受け入れなさい。君だけを愛すように誓うから。さぁ、彼への想いはこの涙と共に全て流れて、僕への恋心へと変わる。目が覚めたら新しい世界となっているよ、ミラ。」


ミラの目から涙がどんどん溢れる。その唇に優しいキスを何度も落とす修一、それを受け入れるミラ。


ミラにケイゴへの恋心を忘れる催眠術をかけ、自分へ向く様に術を掛け直す。


(何でももってるんだから、ミラちゃんくらい貰ってもどうって事ないだろ?ケイゴ先輩は。)




***


ミラは目を覚ます。体を起こしてボーっと周りを眺める。


コンコンコン


ノックの音と共に修一が入ってくる。


「修一さん?」


「おはよう、ミラ。」


「おはようございます。修一さん。」


ミラと修一は微笑み合う。修一はミラの顔を見る。とてもとろ〜んとしていて、誘っているようだ。催眠術の成功を確信し、ミラに問う。


「キス、して良い?」


「ええ、もちろんです\(//∇//)\」


恥ずかしそうに紅くなったミラと、深い口付けを交わす。


(良い女だ。さすがあのケイゴ先輩が愛しただけはある。でも、今はもう僕のものだ。)




***


ミラが家に帰らなくなって10日が過ぎた。最初の数日は松本邸に確かに居た。しかしミラはその後帰宅したはずたった。ナオもそう思っていた。しかし、家に帰らないミラを心配して電話が掛かってきて、事が発覚した。


KAHO家が全力でも見つからない。


流石に焦る。血眼になっても見つからない。親分もそろそろ限界そうだ。どうにか連絡が取れないものか…。いそうな所には出向いた。もちろんナオの家は最初に訪問した。荒木の店や橘家や四葉家も行った。でも居ない。


「どこへ行った、ミラ…。」


ケイゴ達はリビングに集まって考えあぐねている。すると1人の部屋住が大声で叫んだ。



「あっ、お嬢!おーい皆んな、お嬢が帰ったぞ!」


「ミラ!」


ケイゴは一目散に玄関に向かい、そこに立っているミラを抱きしめた。


「ごめんなさい連絡もせずに。心配させました。」


ケイゴはその一言でミラへの微かな違和感を感じる。


「好きな方のところへ行っていたの。」


「「「……………?」」」


(好きな人?)


「えっ?どう言う事ですか?好きな人?」


珍しくケイゴが狼狽える。


「えぇ、そうです。その事でおじいちゃんとお話しがあります。」


後から現れた親分に視線を投げるミラ。


「…ミラ、私は怒っている。」


「はい、本当に申し訳ありません。」


「どこに居たんだ!」


親分は怒鳴る。それをタミさんが諌めてくれる。


「当ても無く、街を歩いていました。そしたら修一さんとお会いしました。最初はナオの家にお邪魔していましたが、修一さんは別荘をお持ちで、その後は気分転換にそちらに滞在させて頂きいていました。」


「小僧!」


「修一さんは悪くありません。いつも連絡をしろと私に言っていました。怠ったのは私です。申し訳ありません。責任を取って、私はこの家を出て行きます。失礼します。」


「え、あ、ミラ、待ちなさい。何でそうなる!」


「ですが、私は一生添い遂げたい方を見つけてしまったのです。」


後ろから修一がやってきて、みんなに頭を下げる。皆は黙って警戒体制に入る。そこにケイゴが声を掛ける。


「あの、失礼します、親分…。」


しかしこの状況に二の句が告げない。そんなケイゴを親分は一瞥する。


「ケイゴと結婚すると言う意味か?」


「ケイゴ?何のことでしょう。私は修一さんをお慕いしているのです。ケイゴは他に心を向ける方がいますから。」


「「「え?」」」


「何を言っているんですか!お嬢!俺は貴方だけです!」


ミラはケイゴを見て微笑む。


「ケイゴ、もう良いのです。貴方はおじいちゃんに恩義を感じて、私を大切にしてくださった。でも、私も本当の愛というものが分かりました。」


「俺に向けてくれた気持ちは、本当の愛じゃなかったと?」


貴方・・が私に向けてくれた気持ちが、本当の愛ではありませんでしたでしょ。」


「何言ってるんですか!」


「あっ!」


ミラは急に頭を抑えて痛がる。修一はミラを抱き寄せる。


「ミラちゃん、無理しちゃダメだよ。調子悪いんだから。」


「ごめんなさい。帰りましょう。」


修一はミラに優しく微笑んだかと思うと、KAHO家に向かって鋭い視線を投げる。ミラは気づいていないが、修一は小さいナイフをミラの首元にかざしている。それを見て全員の目付きが変わる。


「着いてこよう何て思わないで下さいね。ミラちゃんに手を出してほしくなかったらな。」


「「「…。」」」


「ケイゴ、ナオと修一さんを怒らないで!うっあー。」


「お嬢、無理せずこちらでお休みになって下さい。」


頭を抑えるミラ、修一はミラを睡眠術で寝かせる。


「頭痛が相当酷いな。かわいそうに。ケイゴ先輩との関係にかなり悩んでいたよ。だから僕が取って代わってやったさ。僕ならミラちゃんをちゃんと愛してあげられる。じゃぁな。追うなよ。」


全員の睨みを無視して、修一はミラを連れて行ってしまう。



「「「………。」」」


全員が静まる中、ケイゴはミラの言葉を復唱していた。


「『ナオと修一さんを怒らないで。』」


(なぜ怒るんだ?修一はまだしもナオ?知らないと嘘をついたからか?でも、ナオの顔は嘘を言ってる感じじゃなかった。ナオは何も知らない?俺は修一とは面識が無い。一方的に知ってる可能性はあるが。だが俺とミラの関係はいつ知った?ミラはパーティーでは必ず地味で印象に残らない様にしているし顔も隠してる。文化祭で主従と知られたが、俺たちの関係までバレたのか?可能性は学園の連中ではあるが、あいつらがバラすとは考えにくい。)


「親分、もう一度松本尚子の家へ行って来ます。」


「主従以上の関係がバレるぞ。」


「その時はその時です!お嬢を失うことに比べれば大した事ありません。」


「行ってこい。」





***

ナオの家


「ケイゴ先生、まだミラが見つからないんですか?」


「あぁ。」


「…あの、今からミラの家の方が来る予定で、客間にご案内出来なくてすみません。」


「気にしなくていい。その人間は俺の事だからな。」


「………え?どういう事ですか?」



「俺はミラと一緒に住んでる。そしてミラのお世話係だ。」


「………………ミラのお世話係?」


「そう。だからここに来た。ミラは修一に誘拐された。」


「え?何でそこにお兄様が?誘拐?どう言うことですか?」


「悪いが、情報を整理する時間は無い。兄貴はどこにいる?」


「兄は誘拐する様な人ではありません!」


「悪いがそんな論争をしている余裕は無い。兄貴はどこだ!」


「分かりません。数日前にミラとお兄様がここに来て、翌日には帰って行ってからは来てません。兄は私邸だと思いますが、その場所は知らないんです。ミラは大丈夫でしょうか!?」


「激しい頭痛があるようだ…。」


「激しい頭痛?兄はミラに催眠術をかけていました。だからしばらくは大丈夫なはずなのに…。」


「その催眠術でミラを心変わりさせた。」


「!!兄はそんな事出来ません。怠さを取る程度しか使えないんです。」


「さっき一瞬ミラが帰ってきた。そしてお前の兄と見つめあって、まるで恋人同士だったぞ。」


「恋人?そんなはずは。だってまだ何回も会って無いし、ミラだってベタ惚れの彼氏さんがいるんですよ!数日で心がわりなんて。」


「あぁ、知ってる。でもその男とは今すれ違ってる。」


「すれ違ってる?彼氏と別れたんじゃ無いんですか?彼の気持ちはただの優しさだったって言っていました。でも自分も、ただの憧れを恋と勘違いしてしまったからお互い様だって、まるで自分を納得させる様な感じで。…泣いていました。」


「…。」


(あの人はいつもそうだ。自分に自信が無くて、失う前に自分から手を放す。自分が傷つかない為にそんな事ばっかりして、本当に我儘な人だ。代わりに傷つくのはいつも手を離された方だ。何で…もっと信じてくれないんだ…。何でもっと不安だと伝えてくれないんだ…。)


「兄貴の私邸の場所、検討も付かないか?」


「…両親は北海道に別荘を持ってますけど…。」


「北海道…?」


(そんな所なはずは無い。)


ふと家族写真が目に入る。幸せそうな松本家。しかしケイゴは目を疑う。


「あ、兄貴はどれだ?」


「兄はコレです。」


「…他の兄貴の写真はあるか?」


「写メでいいなら。」


そう言って、次々に見せてくれる。


「じゃぁ、あいつは誰だ!」


「何がですか?」


「今日、ミラと一緒に来た修一とは誰だ!」


「えっ?お兄様じゃ無いんですか?」


「こんな顔じゃ無かった。もっとガタイが良くて、もっと悪人面だった。」


「!!」


「兄貴と連絡は?」


「えっ、電話してみます。」


ナオはスマホで兄に電話するが、繋がらない。


「繋がりません。」


「そうか。」


「ミラの居場所は分からないんですよね?」


「あぁ、人質を取られてるから追跡できなかった…。でもミラがナオと修一さんに怒らないでって言ったから、何か手がかりが無いかと思ってここに来たんだ。ここに来た事で偽修一の存在が分かったが…。」

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