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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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修一編1

ケイゴとソラはVIP専用ラウンジで並んで座っている。ケイゴはお酒を飲んでいる。一方ソラは俯いたまま何かを話そうとする。しかしなかなか言葉がでず、3度目の口を閉じている。そこへ場違いな明るい声が響き荒木が声を掛ける。


「うっわー、この辺りのスペースだけ空気わるー。近寄りたくねーな。」


ケイゴは荒木を一瞥する。


「ならそいつ連れてどっか行け。」


「うっわーケイゴめちゃくちゃ機嫌悪いじゃん。珍しいね、こんなに引きずるの。ソラと喧嘩した事もなかったし。」


「…。」


ケイゴは無言でお酒を煽る。既に4杯目を飲んでいる。荒木はソラに目配せをして、言葉を促す。


「…。今日は本当ごめん。昔みたいに女の子に捕まって迷惑してると思って…。ひつこい相手とはお茶してたから、今回もそうだと…。やっと皆んなに報告出来るって舞い上がってたのかも…。」


「報告?」


荒木かすかさず疑問を投げる。


「あ、あ、それは今は関係ないなら。兎に角本当にごめん。」


「…。」


「おい、ケイゴ。何か言ってやれよ。」


ケイゴは答えない。ひたすら壁とお酒の間で視線を往復させている。


「まぁ、まぁ。そんなに怒るなよ。気持ちは分かるけどさ。側から見ると、器のちっちゃい不機嫌男が女の子に謝らせてるみたいに見えるよ?」


ケイゴは荒木をまたも一瞥する。


「周りからどう見えようが関係ない。ミラに何もなかったから良かったものの、何かあったら社会的に抹殺していた。」


「まぁ今回は俺達に会いに来てくれたんだし、それに免じて許してやってよ。」


「…。」


「ねぇそれよりソラ、コレメッチャ大きくて柔らかいじゃん!」


「あぁうん。そうなの。でも自分が望んだ事とは言え、維持が大変なんだ。」


「ミラちゃんより断然大っきいのに、コレに落ちないケイゴって何だろ?」


ケイゴの目が更にキツくなり、いつも以上に冷たい声になる。


「お前の性的嗜好は知らんが、俺のミラをそんな風に見てたのか。クビだ。もうミラに二度と会うな。それと俺はお前と違って体が目当てじゃ無い。」


「俺をケダモノみたいに言うなよー!それにケイゴが俺をクビに出来る立場じゃないだろー!」


「俺のやる気次第だな。やろうと思えば出来る。」


ケイゴのスマホがLINEの通知を知らせる。チラッと確認すると2人を無視してスクッと立ち上がり、お店を後にしようとする。


「おい、どこ行くんだよ!」


「家だ。何かあった様だ。」


「そうか。気をつけて。」




******



「…は?松本家にミラが居ない?どう言う事ですか?」


「電話した時は確かに居たそうだ。しかし迎えの話をすると、翌日には帰ったと言っている。」


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