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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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わがままボディの誘惑に勝てるか。

「ケイゴ君?久しぶりね。」


今日はケイゴと2人でデートをしている。試験が終わったので、頑張ったご褒美に「カフェ ciel RoZe」のアフタヌーンティーを予約してくれたのだ。


そこで優雅な午後のひと時を堪能している時に、長身のワガママボディ美女に声を掛けられた。


「もしかして、お隣は妹さん?初めまして。私はソラよ。」


「…ソラ?えっ?もしかして山中ソラ?」


「そぉーよー。ヤダ、私はすぐ分かったのに!学生時代は毎日一緒にいたじゃ無い!薄情ねぇ。」


「いや、分かるわけないだろ。変わりすぎ…。」


ミラは2人を凝視する。ソラはケイゴに腕を絡めて、自分の武器を押し付けている。


(知らなかった。ケイゴにこんな美人の元カノがいたなんて…。こんな美人…何で私と付き合ってるんだろう…。)


「あの、私用事を思い出したから、帰るね!」


「えっ!あっ!ちょっとー!」


居た堪れなくなって凄まじ勢いで走ってくミラを追いかけようとするが、強い力で腕を掴まれ振り払うことが出来ず見送ったケイゴは、ソラを睨む。


「おい、ソラ。いつまでそんなムネくっくけてんだよ。放せ。」


鋭い目付きで睨まれ、ソラは仕方ないといった顔をして放す。


「何よぉ。ご挨拶ねぇ。昔みたいに女に辟易してると思って声を掛けてあげたんじゃ無い。アフタヌーンティーなんて中途半端な時間だもん。すぐに済ませるつもりだったんでしょ?」


「お前、妹じゃ無いこと気づいてたのか?」


「当たり前じゃ無い。ケイゴはひとりっ子だし、あんな恋する女の瞳で兄弟を見ることはいないわよ。」


ケイゴの目の色が変わる。最初は戸惑いだったが、今は激怒の色だ。


「お前、いい加減にしろ!しかも俺の店で!」


珍しくケイゴが怒鳴る。ソラはビクッとする。


「えっっっ!まさか本命だったの?ごめんさいい(>人<;)」


そこにチーフが入ってくる。


「亜月様、お店ですので。他のお客様もおりますし。」


「…。悪い。ケーキ包んでくれる?あと茶葉も。」


「はい、かしこまりました。」


激怒したケイゴに取り付く島もない。ケイゴはソラを一瞥し去っていく。出口でケーキを受け取ると、チーフが一万円札をカルトンに乗せて渡してくる。


「なに?」


「お嬢様が置いて行かれました…。」


(うわ、最悪だ…。俺…ダサ…。)


ケイゴは額に手を当て項垂れる。


「ありがとう。渡しておく。」


ケイゴはケーキと紅茶を手に急いで家へ帰る。



******



「えっ?まだ帰って無いんですか!?」


「えぇ、まだよ。2人で出かけたんじゃなかったの?」


タミさんにミラの様子を聞くと、まだ帰って無いなんて言う。


(どこだ?松本の家か?ひとまず手を集めるか。)


ケイゴは荒木に電話する。


『はいはーい、どうした?』


『ミラが居なくなった。』


『また?この間も逃げたね、お姫様は。』


『…。探すの手伝え。まずは松本に電話して。』


『はいはい。あっ、そうだ!凄い奴が今店に来てんだよ!お前も来い!』


『何か嫌な予感がする。俺が今1番会いたく無い奴だったらシバく。』



******


荒木の店 VIPルーム



「ミラちゃん、松本さん家にも居ないみたい。」


「えっ!じゃぁどこに?」


ケイゴは真っ青になる。それを見て荒木もヤバさを感じる。つい最近お披露目してしまったばかりだ。ミラの事が知られた今、安全では無い。


「他に行きそうな所ないの?」


「思い当たる所は既に電話した。」


そこへ誰かが入ってくる。今見ると1番見たく無い顔、ソラだ。


「そいつ不快だ。近づけるな。」


「おい、そんな言い方無いだろ?謝りたいんだって。」


「さっきはごめん。本命とのデートぶち壊して。知らなかったの。」


「…。」


ケイゴは無視し、親分に電話する。本当はもう少し自分で探したいが、時期が時期だ。何かあってからでは遅い。例えまた骨が折られたとしても。


数分後、ミラが見つかったと連絡が入る。


『えっ、保護ですか!はい、はい、分かりました。』


「ミラは松本兄の家にいるようだ。ミラが帰りたがらないみたいで、暫く預かると言っているらしい。迎えに行ってくる。」


「えっ!ミラちゃんは帰りたく無いんだろ?それなら帰ってくるまで待った方がいいんじゃないか?」


「…ミラは俺とソラの関係を疑っている。」


「………えっ?なんで?」


「いつが俺に馴れ馴れしかったらだ。」


「確かに今のソラは勘違いも起こせるな。」


「マジで最悪だ。」


「ケイゴってさぁ、女に冷たいにも関わらず、女性問題が絶えないよね。」


「おい、人聞きの悪い言い方するな!兎に角行ってくる。」


「おぅ、気をつけて。」



******



ケイゴは松本修一のマンションのチャイムを鳴らす。修一はインターフォンのカメラ越しに、ケイゴに対峙する。


「あぁ、来たんですか。ミラちゃんは亜月さんに会いたく無いと言ってます。お引き取りを。」


そう言って門前払いされてしまう。仕方なく家に帰り、ミラの機嫌が治るまで大人しくし待つ事にした。しかしミラは5日経っても帰ってこなかった。

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