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ワルい男に誘惑されてます。〜天然系お嬢はイケメン893?に護られて、ドキドキな青春を過ごします。  作者: 華峯ミラ


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簀巻き事件解決

この作品に出てくる占いや暗示、催眠術は実際と異なります。ご了承下さい。

簀巻き騒動から2日、ミラとケイゴは必要最低限の会話しかしていない。ケイゴがミラの部屋へ言っても、勉強や体調不良を理由に入れてもらえない。明らかにミラがケイゴを避けているのが、家の者に伝わっている。


心配する声が、ミラの耳に届いていない訳では無い。しかし、今はまだケイゴと向き合う勇気が無いのである。


親分はしばらく静観しようと考えていたが、そろそろ「ケイゴがミラに手を出したのではないか」という憶測が上がってきてきそうな雰囲気を感じ、ミラを部屋へ呼ぶ事にした。


「おじいちゃん、失礼します。」


「ああ、入りなさい。」


「どうしたの?」


そう聞きながら手で示された座布団の上に座る。


「ケイゴと何かあった様だね。」


ミラはハッとした顔をするも黙っている。


「喧嘩でもした?」


「いいえ。私が怒らせてしまったの。」


「そうか…。でもどちらかと言えばミラがケイゴを避けてる様に見える。ケイゴは何度もミラの部屋に行っているだろ?」


「…。」


「話したくない事を無理に話せとは言わない。でもね、このままならケイゴを罰しなければならない。」


「!!なんで?悪いのは私よ!」


「…どう言おうと、ミラを怒らせたケイゴという構図に見えているからね。」


「ケイゴはいつも私の為に動いてくれてるわ。」


「分かっている。しかし、このままではどうしても罰は免れない。見せしめの意味もあるからね。」


「悪くないケイゴを罰するなんておかしいわ!」


それを聞いて親分はフっと笑う。


「そうだな。正義感の強いお前ならそう思うだろう。それなら早く仲直りをしなさい。話すチャンスを与えるのも大切な事だぞ。」


「…はい。」


親分の部屋を出て、ミラはある所に電話をする。相手は「松本修一」。


『もしもし、修一さん?』


『どうしたの?ミラちゃん。』


『…ちょっと頑張る勇気が欲しくて電話しちゃった…。』


『クスッ。僕を頼ってくれるなんて嬉しいよ。勇気が出るおまじないしようか!』


『はい、お願いします。』


『じゃぁ、先ずは深呼吸してーーー。』


電話越しに修一に勇気の出る暗示おまじないをかけてもらう。


『ありがとうございます!頑張れそうです!』


『そっか!力になれて良かった^_^じゃぁ頑張ってね!!!』




******




コンコンコン


ケイゴの部屋がノックされる。


「はい。」


ケイゴは自室の部屋の扉を開ける。そこには俯いたミラが立っている。


「…お嬢…。」


「ごめんね。今少しいいかな?」


「もちろんです。どうぞ。」


ケイゴはふんわり笑って部屋へ招き入れてくれる。ケイゴの部屋は勉強机と本棚、ベットがるのみの簡素な部屋だ。しかも本棚には難しい本ばかりで、漫画などは一切無い。


ミラが偶に部屋に来る為、大きなビーズクッションは置いてある(これはミラがお店で「気持ちいい〜」と言ったのを、ケイゴがプレゼントしそのまま置いてくれている)。


「座って下さい。お茶、持ってきますね。」


ケイゴが立ち去ろうとすると、ミラが背中にピッタリくっつき、腕を回してくる。ケイゴはびっくりするが振り向かない。


「どうされました?お嬢。」


「〜い。」


「え?すみません、小さくて聞こえませんでした。」


「…ごめんなさい。」


聞こえたと同時にケイゴは急いで振り返る。


「お嬢は謝る事なんてありません!俺こそすみませんでした!嫉妬…しました…。あまりにも他の人には見られたくないお姿で。」


「皆んなの目を汚染させてしまったよね…。」


「そんな事ありません!でも、目の毒ではありました。我々男は思春期はつじょうきの狼ですから、女性のあんな姿を見れば理性を狂わされてしまいます。」


「でもケイゴはーーー」


「俺も同じです!お嬢は俺を清廉とお思いかもしれませんが、いつも理性で抑え付けてます。お嬢をものにしたいと思う俺自身を。お嬢はいつもそれを振り切っていきますからね。」


諦めた様な困った笑顔で言う。


「俺も変わらない。狼です。ミラを主人では無く女として見てますし、夢の中では貴方に欲望のままに触れてしまう。」


「触れるくらいなら、いつでもいいのよ。ケイゴになら触ってもらうの、嬉しいわ。」


「俺の言う″触れる″は、性的な意味ですよ。」


ミラはそれを聞いて一瞬で茹蛸になる。ケイゴはいつもオブラートを5重くらいにしてミラと会話するので、ここまでハッキリ直接的に言う事は無い。


「(//∇//)…ケイゴになら嬉しいわ…。」


「…だから、俺の理性をぶっ壊さないで下さいね。ここは俺の部屋だと言う事をお忘れ無く。夜に男の部屋に入ったら、何をされても文句は言えません。俺が何かする前にお戻り下さい。」


ケイゴはミラの手を引いて部屋までエスコートする。ミラの部屋の前まで来ると、ケイゴはスッと手を離す。ミラはケイゴの瞳を見つめる。するとケイゴも見つめ返してくれる。そしてフワッと一瞬抱きしめられる。


「おやすみなさいませ、お嬢。」


「おやすみなさい。」

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