修一お兄様と3
お店を出た修一とミラは、公園をお散歩している。来たことの無かった噴水の広場だ。大きな噴水で、円状に並んだ吹き出し口から中心に向かった水が出ている。
センターに天使の像があり、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いている。それを囲む様に天使達が祝福している。噴水の周りには花壇があり、とても美しい。『天使の福音』という絵画をなぞらえて作られたらしい。
ここは車道や民家から離れていて、とても静か。ゆっくりとした時間が流れている。
噴水全体を見渡せる位置にベンチがあり、藤棚の木陰で休憩する。
「気持ちい風ですねー。」
「そうだね。」
「はー。こんな穏やかに過ごしたの、久しぶりです。」
「僕もそうかも。最近試験あったし。」
「そうなんですね。お疲れ様です。」
「もう直ぐお昼だね。お腹はどう?」
「うーん。軽くって感じでしょうか。」
「僕も。向こう側にキッチンカーが来るらしいから、そこで食べない?」
「いいですね!」
「じゃぁ行こっか!」
修一はそう言って立ち上がり、ミラに手を差し伸べる。その手をミラは笑顔で掴んだ。
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公園の反対側はオフィスや学校が多く、キッチンカーが何台か止まっている。お弁当や唐揚げ、韓国グルメ、イタリアン。それぞれとても良い匂いだ。
「ミラちゃんは何が食べたい?」
「うーん。あそこのマルゲリータが食べたいです!」
「いいね!僕はペスカトーレにしようかな!」
2人で注文して、用意されたテーブルで食べる。
「焼きたて!美味しい❤︎私、トマトソースの効いたのが好きなんです。バジルも爽やかだし!!」
「ペスカトーレも美味しいよ!生パスタだ。」
「わー!生パスタって美味しいですよね!このクオリティが外で食べられるなんて!」
「良かったら一口食べる?」
「えっ?いやいや、それはご迷惑ですよ。」
「キッチンカーの人が、もう一個箸をくれたんだよ。シェアして食べると思ったみたい。」
「うー。でも私はかぶりついちゃったから上げられないですし。」
「はは!そんなのいいよ^_^気になるなら、もう一個買ってこようか?」
「や、そんな訳には!」
「じゃぁ、どうぞ。」
「少しだけ頂きます。」
「うん。」
「モチモチだー!美味しい!お腹そんなに空いてないのに食べられそう!」
ミラはニッコニコで噛み締めている。そんなミラを微笑みながら見つめる修一。くるくる変わる表情も可愛いし、食べ物の好みも合うなんてと、修一は小さく呟くのだった。




