修一お兄様と2
「さぁ、メニューを決めようか。」
「はい。前に来た時はこのケーキを食べて、凄く美味しかったんです!!う〜ん迷うなぁ。」
ミラが悩んでいると、ケーキの乗ったワゴンが到着し、ギャルソンが丁寧に紹介しててくれる。
「!!」
ミラは驚く。何故なら、前回来た時には無かったサービスで、「ケーキの写真があって選びやすいけど、ショーケース見てくる。実際のを見て決めたい!テイクアウトの方がいると見に行けないから、今日は好きなだけ見れる!」とケイゴに何となく漏らしたからだ。
(ケイゴ、取り入れてくれたんだ…。)
ケイゴの呟き拾い能力が発揮されている。正しくは、ミラを快適にする能力であるが。
「可愛いお店だね。ケーキも紅茶もおいしいし。」
「はい!デートやアフタヌーンティーにおすすめなんです!修一さんが甘い物お好きで良かった!今度は3人で来ましょうね。」
修一は優しく微笑んで、頬に手を当てる。ミラは突然のことに少しびっくりしている。
「そうだね。」
その優しい声と笑顔にドキッとする。暫く見つめ合う二人。
(修一さんも綺麗な顔してるなぁー。)
そんな事をぼんやり考えていると、不意におでこにチュッとされる。
「!?何ですか!?」
「あぁ、ごめんね。疲れたのかと思って軽い暗示を…びっくりさせてごめんね。」
「あっ!ありがとうございます!大丈夫です!疲れてません。元気です!!」
「それならこの後少し公園をお散歩しない?僕この公園あまり来た事がなくて。」
「はい。私も前に来た時に公園内の美術館に行ったくらいで。あっそうだ!修一さんは、学園祭何をするんですか?」
「僕はゼミでやるんだけど、『恋愛ミニ講座』だよ。」
「恋愛ミニ講座!なんか女の子受けしそうな感じですね!」
「フフフ。心理学を利用した、好きな人へのアプローチとか、好感を与える仕草とか。」
「あー絶対良い!ナイスアイディアですね!私も伺います!」
「ハハハ!色んなテーマで行うから、本当は興味のあるテーマの時に来る方が良いかもしれないけど、僕の講座に来てくれると嬉しいな。男女の脳の違いから、恋愛に役立つ豆知識を講義するんだけど。」
「修一さんの講座に行きます!わー、楽しみだなぁ!」
「ありがとう。手相や顔相占いが出来るやつとペアでやるから、興味があれば見てくれるよ。僕も少し習ったんだけど。」
そう言ってミラの手を取り、じっと見て、ある線を指でなぞられる。やけに意味あり気な手つきに、真っ赤になるミラ。
「あ、あの…(//∇//)」
「この線いいね。愛される線だ。」
いつもの明るいお兄ちゃんの顔じゃ無い、妖艶な顔で微笑む。
「ねぇ、ミラちゃんは何をやるの?」
ミラは「ハッ」とした顔を一瞬見せるが、すぐに俯いて寂しそうな顔になる。修一は地雷を踏んでしまった事に気づく。
「嫌な事聞いちゃった?ごめんね。」
「あっ違うんです。…大丈夫です。コスプレカフェをやります。みんな色々な服を着るんです。」
「ミラちゃんの衣装は気に入らなかった?」
「…いえ。…まだ決まらなくて…。」
「そっかぁ。早く決まると良いね!絶対行くからね!」
「…ありがとうございます。」
「…何があったか分からないけど、困ったら会いにおいで。心が軽くなる暗示を掛けてあげるし、催眠術も掛けてあげるからね。」
「はい。」
その寂しそうな顔にたまらなくなった修一は、ミラを抱きしめたいと思った。




